神聖国防衛ライン破壊
1週間経ち、やっとギャリング神聖国に到着した。
やはり転移が使えないのは不便だな。
この期間でエスターの歪んだ認識を矯正することに成功したのは幸いだが、できれば2度とごめんだ。
『ここが此度の聖戦が行われる場所ですか、同志ヴィラン』
「そうです。殿下。我々はここで胸糞を殲滅し尽くし、この国を浄化しなければなりません」
初日のことを思いだすと見違えるようだ。
最初はこの世の理の中で一番大切な胸糞浄化のことを説いても、生返事を繰り返すほど無知蒙昧だったが、行軍で日々限界まで体を追い込み、胸糞浄化の重要さ性を解くことで虚妄から解放されたのか、今では立派な同志となっている。
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「大変です! 司祭様、結界の要石が割れました!」
「なんだと!? 魔神の侵入を退け、人々を守ったとされる由緒正しき破邪の結界が壊れたというのか! 不吉な!」
慌てふためいて部屋に駆け込んできた神父の報告に、司祭は喫驚する。
こんな事態は初めてだった。
神聖国が建国されて、一度も破られたことのない邪悪な者を退ける結界が壊れるなど。
しかも、世界からギャリング学園に入学者が集うこのタイミングであることを考えると、外部から入ってきたものが下手人であることを疑いを持たずにいられない。
「魔神よりも邪悪なものがこの国に押し入って来ているとでもいうのか!?」




