学園フラグ発生
「クリア様、紅茶を淹れましたのでどうぞ」
「ご苦労」
翌日になるとアナベルの手によって調度品ーー家具一式が運ばれて、使用できる状態になったので、早速茶を飲んでくつろぐ。
また腕を上げたのか、前より美味く感じる。
カップが空になるかと思うと、近くにある水晶が光り始めた。
「ギャリング神聖国のギャリング学園で第五皇女のエスターのお守りをして、消えた瘴気を放つ鎧を神聖国で探せだと」
水晶には見るからに面倒な依頼の文言が表示されていた。
皇女の護衛依頼は隠れみので、本音は瘴気を放つ鎧を取ったのは神聖国で戦力を増強して戦争を起こすつもりかもしれないから、神聖国が戦争を起こそうとしている証拠を発見したら即神聖国を滅ぼして欲しいとかそんなところか。
わざわざ学園で娘を護衛して捜索するだけなら別に俺に依頼せずとも手持ちの近衛騎士団を使えばいいからな。
「呼び出しがかかった。アナベル、俺が出払っている間、お前は共和国で魔神器を解放したものについて調べろ」
「承知しました。ご主人様」
ーーー
「今からこの者を処刑する!!」
「ふざけんじゃねえ! 弁護士を呼べ! 人権後進国の野蛮人どもがああ!」
デマキに精霊鎧を強奪され、香具師から買った出鱈目な地図を頼りに王国を目指していた初代アーマードファンタジー主人公のイクスは、神聖国にもっとも近い皇国のロキルス辺境伯領で断頭台に括り付けられ処刑されかかっていた。
「この者は、無銭飲食、窃盗、詐欺、騎士への暴行、恐喝、そして領主の儂を豚野郎と愚弄するなど数々の罪を犯してきた! よって儂はこの者を極刑ーーギロチンの刑に処す! 我が領地の民よ! 愚か者の散り際を刮目して見よ!」
「いやだあああ!!」
イクスが一際大きな悲鳴をあげると、隣にいる刃を支えている縄を切る役目を負った斧を持つ処刑人の額にクナイが刺さり、倒れた。
「何者だ!」
「助けに来たでござるよ! イクス殿!」
イクスが見ると、倫理観の緩さゆえに犯罪に手を染めるイクスを世直しをする正義の義賊と勘違いし、ストーキングをしてくる忍者騎士のアヤコジとその仲間たちがいた。
鎖鎌が投げられ、嵌められた木枠が壊されると、イクスはその場から離れる。
「ア、アヤコジ! 助かった!」
「早く、そこにあるロキルスの鎧に乗るでござるよ!」
イクスはアヤコジが見る方角を見ると、武力を知らしめるためなのか、鎧がハッチが開いた状態で放置されており、身体能力に無理を言わせてジャンプして鎧に飛び乗る。
「サンキュー! あばよ!」
イクスは鎧に飛び乗るとアヤコジたちを放置して、出鱈目な地図に王国と表記されている神聖国に向けて駆け始めた。




