鏡の宮殿
旅は4日間続いた。
ついにエルドリアの首都に到着した時、リアナは息を呑んだ。
宮殿は丘の上に堂々とそびえ立ち、空に届きそうな白い塔と、金色の蔓に覆われた壁が印象的だった。
王家の紋章である百合の旗がそよ風に揺れていた。
午後の太陽の光を浴びて、すべてがキラキラと輝いていた。
正面玄関では、侍女と衛兵たちが一行を待っていた。
「ようこそ、リアナ様」と、年配の女性が深々と頭を下げて言った。
「ローラ王女殿下より、最高のおもてなしをさせていただくようお命じになりました。」
リアナは、隣に立つアデルとアレクシアに目をやった。二人は同じように畏敬の念を抱いていた。
三人は、磨き上げられた大理石の廊下や、星や星座が描かれた高い天井の広間へと案内された。
二人は、まるで一軒家ほどの広さの個室浴場へと案内された。
バラとラベンダーの香りが漂う湯気が、あたり一面を満たしていた。
大理石の浴槽には温かいお湯が満たされ、花びらが浮かんでいた。
「どうぞ、お手数をおかけいたします」と、女中長が優しく声をかけた。
リアナは最初は不安を感じたが、アデルとアレクシアは緊張した面持ちで微笑みながら彼女を見つめ、身を任せた。
二人は丁寧に服を脱がせた。
リアナは思わず体を隠したが、女中たちは礼儀正しく、優しく接してくれた。
二人は彼女を温かいお湯にそっと浸した。
リアナは目を閉じ、熟練した手が髪を洗い、旅の疲れを癒す肌をマッサージし、腕と手のほぼ治りかけの傷を消毒するのを感じていた。
彼女の心の中では、女神たちが語り合っていた。
(フレイヤ ― 母性的で、保護的な温かさを持つ)
「彼女を見てごらん…やっと、彼女はふさわしい扱いを受けているわ。
あれほどの苦しみを味わった後だから、少しの優しさはきっと役に立つでしょう。」
(ヘラ ― 冷徹で、几帳面で、権威主義的)
「これはただの幻よ。慣れてはいけないわ。王は黄金の風呂を与えるけれど、鎖も与えるの。油断しないで。」
(イシス ― 穏やかで、哲学的で、バランスの取れた存在)
「水は体を清める…でも、あなたがそれを許せば、魂をも清めてくれる。疲れを解き放ちなさい。あなたは癒され始めているのよ。」
(コアトリクエ ― 重々しく、古の神々で、厳粛な存在)
「大地はあなたが泥と苦しみの中で生まれたのを見ていた。今、大地はあなたを大理石と香りに包まれた姿で見ている。自分が何者であるかを忘れてはいけない。大地は常にあなたを覚えている。」
(豊玉 ― 流動的で、優しく、順応性がある)
「流れに身を任せて…水も、香りも、恐怖も。この瞬間に逆らわないで。流れに身を任せて。あなたは安全よ…今は。」
リアナは深呼吸をし、温かいお湯に身を委ねて筋肉をリラックスさせた。
入浴後、彼女たちは高貴な客人にふさわしい装いに着替えた。
リアナには、星座を思わせる銀色の刺繍が施された深い青色のドレスが贈られた。
生地は柔らかく軽やかで、まるで宙に浮いているかのようだった。
彼女の髪には銀と真珠の簪が飾られていた。
アデルには、ブロンドの髪を際立たせる柔らかな緑色のドレスが贈られた。
アレクシアには、茶色の髪によく似合う、金色の装飾が施されたアースカラーのドレスが着せられた。
三人は大きな全身鏡に映る自分たちの姿を見た。
アデルは顔を赤らめた。
「私たち…ちょっと違うわね。」
アレクシアはいたずらっぽく微笑んだ。
「でも、私たちは私たちよ。」
リアナは自分の姿を見つめた。一瞬、鏡に映る少女が誰だかわからなかった。
しかし、上質な服と香水の香りの下には、紛れもなく彼女自身がいた。
五人の女神を宿した少女。
ただ平凡な生活を望んでいた少女。
侍女長は優しく微笑んだ。「国王陛下と王妃陛下は、準備が整いましたら大広間でお待ちです。」
リアナは深く息を吸い込んだ。
アデルとアレクシアを見た。
「行きましょうか?」
二人はリアナの手を取った。
「行きましょう」と声を揃えて答えた。
そして三人は共に玉座の間へと歩みを進めた。
何が待ち受けていようとも、覚悟を決めて。
ここまでリアナの物語を読んでくださり、ありがとうございます。
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秘密はもはや彼女だけの秘密ではなくなった…そして、それがすべてを変える。




