一人で下したわけではない決断
リアナはその夜、眠れなかった。
金色の印章が押された羊皮紙が、まるで彼女の手を焼くようだった。
国王と王妃からの招待状。
謁見の約束。
彼女の人生を永遠に変えるかもしれない褒賞。
しかし、彼女は一人で決断したくなかった。
翌朝、宿屋の主人との訓練を終えたリアナは、まっすぐ森の家へと向かった。
アデルとアレクシアはいつものように花に水をやっていた。
真剣な表情で羊皮紙を手に持ったリアナがやって来ると、二人は手を止めて彼女に近づいた。
「どうしたの?」アデルは心配そうに尋ねた。
リアナは二人に手紙を見せた。
「昨日、これを受け取ったの。」
二人は黙ってそれを読んだ。
アレクシアは目を見開いた。
「国王と王妃からの招待状…?」
アデルは岩に腰を下ろし、感嘆した。
「お二人はあなたにお会いしたい…そして褒賞をくださるのよ。」
リアナは動揺した様子で立ち尽くしていた。
「どうしたらいいのか分からない。
金も称号もいらない。
ただ普通の生活が欲しかっただけなのに…でも、それが日に日に遠ざかっていくような気がする。」
アデルとアレクシアは顔を見合わせた。
そしてアレクシアはリアナの手を取り、二人の間に座らせた。
「一人で決める必要はないわ」とアレクシアはきっぱりと言った。
アデルは頷いた。
「それが私たちの役目よ。
私たちはあなたの守護者なの、覚えてる?」
三人はしばらく黙って庭を眺めていた。
アデルが最初に口を開いた。優しい声で。
「もしあなたがここを去るなら…村を守るよう頼むこともできるわ。
あるいは、私たちのために。
あるいは、宿屋の主人のために。」
アレクシアは付け加えた。
「それに、ここで静かに一人にしてほしいと頼むこともできるわ。
もし望まないなら、無理やりヒロインにさせられる必要はないのよ。」
リアナは巻物を見つめた。
「でも、もし私が行ったら…女神たちのことを話さなきゃいけない。
私のすべてを。」
アデルは優しく微笑んだ。「もし彼らが良き統治者なら…理解してくれるわ。
もしそうでなくても…私たちはここであなたを待っているから。」
アレクシアはリアナの手を握った。
「あなたは王国の守護者になる必要はないの。
ただのリアナでいいの。
私たちのリアナで。」
リアナの目に涙が溢れてきた。
「ありがとう…本当に。
あなたがいなかったらどうなっていたか分からないわ。」
アデルは片側から、
アレクシアはもう片側から、リアナを抱きしめた。
「だからあなたは一人じゃないのよ」とアレクシアは囁いた。
しばらくして、リアナは深く息を吸い込んだ。
「行くって伝えるわ…でも今はまだ。
まずはもっと強くなりたい。
自分の力をもっとよく理解したいの。」 「もし私が行くことに決めたら、あなたも一緒に来てほしいの。」
二人の少女は微笑んだ。
「もちろんよ」とアデルは言った。
「あなたがどこへ行こうとも、私たちも行くわ」とアレクシアが付け加えた。
リアナは巻物をしまった。
初めて、王の招待が彼女にとってそれほど重荷に感じられなかった。
なぜなら、それはもはや彼女一人だけの決断ではなかったからだ。
それは、三人での決断だったのだ。
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