甘味ゲット
やりたいことも書き、ティの葉でお茶を入れ、作業室から持ってきた本をロッキングチェアーの揺れを楽しみながら読む。
「いろいろな本を読んでみると同じ事柄についていろいろなことが書いてあるな。まあ出来ることを一つずつ試していくしかないよね…魔法の入門書なんかがあればいいんだけど見当たらなかったし…」
こうして雨音を聞きながら読書に没頭した。
今日もクック達の鳴き声で目を覚ました。窓の枠から入る光で部屋の中が明るい。
「昨日と打って変っていい天気っぽい!!」
布団を勢いよく退かし外にでる。
空は雲ひとつない快晴で大きくなったソプ草やブカの葉についた水滴がキラキラと輝いている。
「いい天気できもちー」
明は伸びをして澄んだ空気を吸い込み、体に満たす。ウーターリーツの下まで行くと家の裏手でウモは草を食んでいる。その後ろに子ウモがつかず離れずの距離でいろいろな草や土の匂いを嗅いだり、鼻先で突っついたりしている。
クックとドゥも土に嘴を突きさし餌を二人で仲良くわけながら食べている。
「みんなおはよー」
「モー」
「コケー」
顔を洗い、昨日使ったコートと長靴を干す。
畑を見て回ると畝の端が少し崩れている個所があるも概ね問題なくほっとする。
「ソプ草は花が咲き始めた!!かわいい!!ブカもすっかり大きくなってきてる」
ソプ草は小さく白い花を咲かせていた。ブカは葉っぱが大きくなり白い実が土の中から少し顔を出している。
「本には一カ月ぐらいかかるって書いてあったけど…いつも食べてるのよりふたまわりくらい小さいだけだよ?」
ここから成長までに時間がかかるようになるのかも知れない。
如雨露に水を汲みニジとダイネの水を替える。
「ニジは黄色い花でダイネは白い花なんだ!!」
今日はいろいろな花が咲き、ほっこりしていると明の近くに虫の羽音がなる。
「…どこだ!?」
すると黄色い小さな虫がニジの花に停まる。
「これは…」
ゆっくりと距離をとり、ドアを少し開け家の中に体を滑り込ませる。
「蜂だ!!…危なかった」
ブーンと羽音がしたためドアの隙間からのぞくとリーモンの木の方に飛んで行くのが見える。
「蜂は黒いものに攻撃するってきいたことがあるから…」
タオルを頭にかぶりあごの下で縛り蜂が消えた当たりを観察する。
リーモンの木を下から見上げ、目を細めて探すと中腹辺りの枝に20cc大の丸い巣を発見する。そこに何匹か黄色い蜂たちが出て行ったり帰ってきたりしている。
「一昨日見たときは見つけられなかったけど…あんなに大きい」
見上げる明の頬にぽたりと水滴が落ちる。
「これって…蜂蜜?」
頬から水滴をとると、少しとろみがありやや黄色がかっている。
念のため手と頬を洗い作業室から動物の本を取り出し、項目を探す。
「この本には本当にお世話になってるなぁ。えっと…『ドービは赤い身体の母親アドービを中心に数多くの巣を作る黄色い身体のキドービの集団で生活する。キドービは巣を作るのが早いがアドービをさらったり壊したりしない限り特に攻撃性はなく、別の場所で位置から巣を作る。花蝋で巣を作る途中で残る花蜜は巣の中心部にある空洞を通り外にでる。その蜜のことをドー蜜といい少し煮詰めると美味』…ふっふっふ」
昨日見つけた瓶の水を捨てもう一度きれいに洗いタオルで拭き、蜂の巣の下に設置すると間もなく一粒の水滴が瓶の中に入る。
「ふっふっふ。ついに甘味ゲット!!」
とぎれとぎれの連載ですみません。




