クックとドゥ
「コケーーー」
あまりにも大きな声がして明は飛び起きた。
急いで部屋を出て窓から外を窺う。
そこからは石畳を挟んで右側は所々草が残っているだけで土が見えていた。
「あんなに茂ってたのに…」
声の主を探すも見当たらない。
そろりと玄関から身体を滑らせ干してあった靴をはく。
「まだ濡れてる…」
昨日濡らしてしまった靴は乾ききっておらず、不快感がある。
「モーーー」
ウモの声がしそちらを見るとさらに大きくなり1mは優に超えたウーターリーツの近くで水を飲んでいた。
「ウモおはよう…いた!!」
ウモの陰に隠れて二羽の鳥がいた。一匹は茶色で尻尾には色とりどりの羽根があり、もう一匹は全身白い。
「本…本…あった!!やっぱ動物は見た目から項目で引けるから楽だ…『身体が茶色で色鮮やかな尾っぽを持つのが特徴のドゥといい、全身白いものがクックである。ドゥとクックは番いで一生を添い遂げることで有名。クックは1日1回緑の卵を産む。こちらは食用。春先に赤い卵を産みそちらを触ると番いに襲われる。番いで温め子供が生まれる。ドゥの尾は水に溶け染料として使われる』」
「君たちも森から逃げてきたの?」
「コッコ」
「じゃあ森が穏やかになるまで同居だね!!宜しく~」
「コケー」
クックとドゥはその場で跳びはね同意してくれたような気がした。
「私も水飲も!!」
キッチンからコップを持ってきてウーターリーツの触手から水を汲み飲んでみる。
「おいしーーー!!なんだかんだで昨日飲めなかったからなぁ~」
冷たくてどこか甘みがあるまろやかな味がした。
ウーターリーツの水に舌鼓を打っていると、
「コケコケ」
ドゥが足に甘噛みしてくる。服を折っているため痛くはないが…
「どうしたの?…餌はないんだけど…乾パン一緒に食べる?」
「コーーケー」
ドゥはクックの近くまで走って行った。
「何?」
明が不思議に思っているとドゥは嘴を地面に突き刺し長い生き物を咥えペロッと食べでしまった。
「餌はあるんだね!!」
「コッコ」
クックとドゥは30㎝ほど離れお互いにお尻を向けあい足で土を掛け合い始めた。
「なにこれ?」
2匹の間に土が盛り上がると少し移動し再び土を掛け合う。3回ほど行い盛り上がった土を見てドゥがまだ食べ終わっていない草むらに入って行ってしまった。
「ごめん。意味が分かんないよ~」
クックが明の足元まで来るとズボンの折った裾を咥え引っ張る。
「近くに行けばいいの?」
「コッコ」
2匹が土を盛ったところの近くまで近づきしゃがみ込むと、ドゥが1本の草を咥え戻ってきた。クックが持った土に嘴で穴をあけドゥがその穴に向けて草の先端をたたきつける。
「あ!!この先端の種を植えようとしてるの?!」
「コッコ」
ドゥから草をもらい、種をひとつ外し穴の中に入れ土をかける。
「これでいい?」
「コケコケ」
良くやったというようななぎ声に聞こえた。
「他に4つあるけどこれも植えた方がいいよね?」
「コッコ」
「ありがとう二人とも!!」
物置から鍬を取り出すついでにドゥが持ってきてくれた葉を調べる。
「『ソプ草…草を水に入れると泡立ち体身体や衣類などを洗う時に使用できる。乾燥させると長期保存可能』…やった!!ありがとう」
外に出て仲良く土の中から獲物をとらえ食べあっている2匹に向かってお礼をいう。
明は10cmほどの畝をつくり残りの4つ種を植え、コップで水をまく。
「常露持ってくればよかったな~。よし腹ごしらえのあと洗濯だぁ!!」




