ウモとの出会い
驚いて作業室から飛び出て玄関近くの窓から外の様子を窺うと、家の近くに茶色い大きな動物が草を食んでいた。
「この家に入ってこられるってことは闇雲に襲ってくるモノではないってことだよね」
再び作業室に戻り生物の本を手に取り調べる。
「『ウモは草を主食としており根こそぎ食べてしまうほど大食漢。人間に好意的で脅かさない限り襲ってくることはない。子供は一回の出産一頭、ミルクで育てる。その期間余ったミルクをもらっても構わない』…か。ウモは牛に近いと思ってもいいのかな?」
外に出てみるとウモは明を気にすることなく無心に草を食み続けている。
「こんにちは…君も森から逃げてきたの?」
明が声をかけるとややだるそうに顔を上げた。
「ブル」
ウモは顔を横に振り返事をしたように感じる。
「ちょっと触ってみてもいい?」
「モー」
今度は縦に首を振ったので明は恐る恐る撫でてみた。
やや毛が硬いものの毛並みが揃っているためサラサラしていて気持ちがいい手触りだった。テレビなどで見る牛よりも全体的に丸みを帯びていて足が短いように感じる。お腹を触ってみると膨らんでいるように感じる。
「君妊娠しているの?」
「モー」
また同意してくれたように感じる。
「君頭がいいね。君から生まれてくる子はきっと健康で幸せになれるよ。ここの草長くて食べにくいかもしれないけどたくさん食べでいいからね。…あっでも今日植えたやつの芽は食べちゃ…もう木になってる⁈」
スーリがくれた実を植えた場所へ駆け寄ると30㎝位の木があり、枝には何枚もの青々とした葉が付いている。
「なんでこんなに成長が早いの⁈」
その木をまじまじと見ていると、葉が湿ってきてやがて一粒の水滴になった。
「モー」
葉から水滴が落ちる前にウモが舐めとった。
「モーーーーー」
再び雄叫びをあげた。




