模擬戦後 王城
―――アクトとグラン―――
「兄さんは今日の模擬戦はどうでしたか。」
王城に戻ったアクトはグランに今日の見ていた内容について意見を求める。
「言わなくても分かっているだろうがあの兄弟はこの国にとって大きな力だ。仲が良いアクトからしたら参加は望まないだろうが隣国との関係を考えたら国の為にこれから動いて貰いたい。」
グランは団体戦の5番手を見てノアオとクロノがあの若さであそこまで戦えるということで隣国との関係の悪化から国に協力して欲しいと話す。
「いくら兄さんに言われて国の為だとしても簡単には頷く事は出来ませんね。あの2人を無理に参加さようとしてそっぽ向かれたら別の国に行かれる可能性もありますから。」
アクトは国の為に2人に無理をさせる事で別の国に移られることを危惧している。
「しかし父上なら確実にそうするだろう。仲の良さを取って甘さを見せるのはアクトのいい所だが国にとってはその甘さで危機に陥るかもしれないぞ。」
お茶を飲みながらグランはアクトの甘さは国にとって良いものではない可能性があると語る。
「これは甘さではありません。あの2人にとって大切なものがこの国になければ幾らでもこの国を切ること出来るような2人です。隣国と戦争になった時にこちらから始めた事となればこの国に協力はして貰えないでしょう。」
アクトはグランの対面に座って真剣な表情で語る。
「なるほど。それならアクトあの2人にとってこの国が守るべきものであるように動いているということか。」
グランはもう一度お茶を口に含んだ後アクトの今の考えを推察する。
「いいえ、あの2人に打算的な事は通用しません。まだ子供だからと甘く見ていたらあっさりと見破られるので打算なしで友達関係を築けるようにしてます。兄さんはいずれ王になるのですから打算抜きに協力関係を仰ぐようにすることは国を第1に考えた時に出来ないでしょうから、兄さんを支えるものとして私が打算抜きの関係性を築くようにします。」
アクトはグランに出来ないことを自分がやると話す。
「そこまで考えているか、優秀だなアクトは。そこまで出来るなら私じゃなくてアクトが王を目指しても良いと思うがな。」
グランはアクトがやろうとしている考えを聞いてアクトが王になってもこの国を良く出来ると想像する。
「何を言ってるんだか。私が兄さんを蹴落としてまで王になる気はないし私が目指す先は兄さんと共にこの国を良くする事です。」
アクトはグランと敵対するつもりはなくてグランと共に歩んで行きたいと伝える。
その言葉を聞いてグランは微笑んでお茶に口をつけてみせた。




