模擬戦後 2人の時間
授賞式も終わりそれぞれは別れて思い思いに話をする。
―――クロノとアルナ―――
「今日はお疲れ様、ノアオとはあの後話はしたの?」
アルナは魔法学院の人の少ない隠れスポットでクロノと会話する。
「はい、兄さんと両親が来てたので久々の家族の会話をしました。両親ともに元気そうでよかったです。」
クロノは模擬戦後に家族で食事をしたとアルナに話す。
「そっか、家族っていいものだよね。大切な存在だよね...あっ、空を見てもうこんなに暗くなっちゃったけど星はこんなにも綺麗だよ。」
アルナは何か含みのある話をして綺麗な空を見上げて感動する。
「アルナさん...何かあるんですね?簡単には切り出せないのかもしれないですけど待ってますから話したくなったら話してください。」
クロノはアルナが何かを話そうとしている事を感じ取って静かに傍で待っている。
2人で綺麗な空を眺めて数分が経った頃アルナが話し始める。
「私はね...クロノも知っている通りこの国の人間じゃないの。お隣の国の生まれで家族もそっちに残ってる。私の家族はお父さんとお母さんとお兄ちゃんがいるんだけど裕福って訳じゃなくて両親は一生懸命働いてくれてお兄ちゃんも勉強ながら出来る事は手伝ってくれてた。私もできる限り家の手伝いをしていたんだけど学校に通ってる頃に私に魔法の才能があるって分かったの。私の国は魔法使いが少なくて魔法の才能があるってだけで国から高く評価されるんだ。しかもこの国で学べるくらいの優秀な魔法使いは今まで居なくて私がこの国で学ぶことで家族に国からお金が貰えることになったんだよね。」
アルナははっきりとした声で身の上話をする。
その話の邪魔にならないようにクロノは静かに話を聞いている。
「家族の3人はこの国に無理に来なくても良いって言ってくれたんだけど私としてはお金が貰えるってなってるから家族に恩返しが出来ると思って直ぐに承諾の返事をしたの。隣国とは言えど帰るのが遠いから全然帰ってなくていつも手紙だけのやり取りをしてたんだ。」
アルナはその手紙を鞄から取り出しながら空に掲げて透かすように覗く。
そんなことしても中が見える訳もなくそもそも中身を確認しているからそんな事をする意味は無いのだがそうする事で書いてあることを再確認している様子を見せるアルナ。
この手紙が今回の本題なのだろうと予想してアルナの隣で同じように手紙を透かす形で覗こうとするクロノ。
「もう、そんなことしても見える訳ないのに。」
アルナは見えるわけないのに覗こうとするクロノを笑って見せる。
「あのね、私ね...この学院を辞めて国に帰ろうと思ってるんだ。」
先程まで笑っていたアルナが悲しそうな顔をしながら覚悟して本題を話し始める。




