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最強の兄弟  作者: 優木貴宏
学院3年生 模擬戦団体編
735/742

団体戦5番手 見えない中で

―――ノアオとクロノ―――


「これで!終わりだ!」

ノアオは残った魔力を使い果たす勢いで魔力剣を作り出してクロノの2属性竜巻を斬り裂いていく。

その衝撃に周囲は魔力の輝きが溢れ出して観客からは2人の姿が見えなくなってしまう。

周囲から見えない中でノアオは竜巻を斬り裂いて背後のクロノの方に向き直す。


「...届かせ。信じていたよ、兄さんならきっとあの竜巻を破壊するってね。」

向き直したノアオが目にしたのは小さな声で詠唱を行っており詠唱を終えてノアオに向けて黒の魔法を放つところだった。


「この魔法は?黒い魔法って事はかりの魔法か?」

ノアオは自分に向かって飛んでくる黒い玉を見て思考が止まる。

残った魔力で黒い玉を破壊する事は出来ないと思い躱す事も不可能だと理解していたからだ。

そのため出来ることは黒い魔法を使える理由をクロノに聞くことだけだった。


「これは本当にとっておきなんだ。いくら兄さんとの勝負でも使うつもりはなかったし、模擬戦とは言えど観客が見ている中で使う訳にもいかなかったからね。でも黒の魔法は魔法陣で発動できないから観客に見えないようにする為にどうしようかと考えたんだけど、破壊された時に周囲に見えないように魔力を輝かせて拡散させる竜巻を作った上で兄さんなら魔力剣で魔法を対処してくれると信じていたよ。」

クロノは魔法陣で作った魔法はノアオに対してのトドメの一撃ではなく確実にトドメの一撃を放つための周囲への妨害魔法だと伝える。


「そうか、それがクロノの最後の一撃なんだな。それなら俺も見せていなかった一撃を見せてやるよ。」

ノアオは魔力剣に対して周囲の魔力を吸収して全部の魔力を込めて見せる事で光り輝く魔力剣を生み出す。


「それは?そんなことできたなんて聞いてないよ。」

クロノはノアオが周囲の魔力を吸収したこともそうだが魔力剣を光り輝く物にした事に対して素直に疑問を持つ。


「これは出来るかどうか分からなかったよ。そもそも普通にやったら魔力が足りないから出来ないんだがクロノが周囲の魔力を集めているのを見て俺も同じような事が出来ないか少し試してたんだがこの終盤で上手くいったからやってみたんだ。さっきの竜巻の魔力の中で特定の魔力だけみたいだが何とか集めることができた。集めた魔力は僅かだからもう切れるがこの黒い玉に対しての対処出来るだけは持つからな。これで本当にこの勝負の終わりだ。」

ノアオは光り輝く魔力剣を作り出せたのはクロノを見て魔力吸収を真似したからだと話す。

クロノも黒い玉を生み出せたのは周囲に漂う魔力の中で特定の魔力だけ吸収したからなのでお互いに特定の魔力に対しての才能があるのだと理解する。

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