団体戦5番手 魔法陣による魔法
―――模擬戦―――
「これはカリスさんから教わったとっておきの秘策です。」
クロノは魔法陣に描かれた魔法を発動させる。
自分のすぐ背後から放たれる水と土の2属性の竜巻によって体が吸い込まれていき躱そうにも痛みで足がいつものように動かせないノアオは竜巻を抑える為に魔力剣を構えて竜巻を破壊する事にする。
「兄さんはその竜巻を何とかできるの?今のボロボロの兄さんに。」
言葉では強気な発言をするがノアオなら破壊する事ができるのではないかと疑っているクロノは内心では焦っていた。
この魔法を壊されたらノアオはトドメの一撃を放って来ると想定して今のクロノにそれを防ぐ手立ては無かった。
「クロノ!こんな秘策があるなんてやっぱり俺の弟は最高だ!」
全力の魔力剣を竜巻に向かって振り抜くノアオはクロノの事を褒めながら竜巻と相対するが剣で受ける余波で体にあちこちの切り傷が出来ていく。
それでも最後まで諦めないノアオはこの一撃を防げば自分の勝ちが見えていることを理解していた。
「クロノがこの一撃でノアオを押し切って見せるかノアオがこの一撃を防いでトドメの一撃を放てるか...あまりのレベルの高さにとても模擬戦とは思えないな。どっちが勝つなんて想定できないくらいの恐ろしい勝負だ。」
アクトはここまでの戦いを見て王子の立場だとしてもこの2人のどっちの方が強いと決めるのはおこがましいと感じていた。
「何を言いますか、ここまであの2人に国として頼ってきたのですからこれからも王子としての立場から2人を使って貰わないといけませんよ。私には到底できませんけど。」
オルガはアクトにこれからも国の代表として2人を使ってもらわないといけないといいながら自分は十騎士として2人に言うのは難しいと話す。
「あの2人は実力は勿論だが内面もしっかりしてるから自分より弱い奴に言われても気にはしないぞ。」
ネクロは弱気な発言をするオルガに対して2人より弱くても気にする必要は無いと話す。
「何を言ってるんですか?私が2人より弱いと?今この場で貴方より強いって事を証明して2人にも負けているつもりは無いと教えましょうか?」
オルガはネクロの発言にイラッとしてアクトのいる前で勝負しようと挑発する。
「仮にも王子の前でよくそんな風に挑発できたものだな2人とも。今回の事は見なかったことにしておくから静かにノアオとクロノの決着を見守ろう。」
アクトは今にも勝負を始めそうな緊張感を持ったオルガとネクロを諌めて静かにノアオとクロノの勝負を見るように伝える。
オルガとネクロはアクトの言葉で静かに盤上を見つめなおす。




