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君は僕の福の神  作者: 悠木 源基


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第14章 因果応報

 話の都合上、短めです。

 微ざまぁの内容です。


 生徒会副会長として会長の王太子のフォローをずっとしてきたランスは、学園を卒業した後、同じく女学院を卒業した婚約者のマルティナとすぐに結婚をした。

 そして官吏試験にトップ合格していた彼は、王太子の側近に迎え入れられた。

 いくら伯爵家の女婿になったとはいえ、元はしがない男爵家の三男ということで、何かと口煩く進言する高位貴族の輩もいたが、

 

「いずれ私の義兄になる者に対して不敬であろう? 

 そもそも私は実力で人を選んでいる。この者が不適正だという証があればすぐに辞めさせるから安心したまえ。

 ただし、それはこの城にいる全ての者にも言えることである。王侯貴族が無能だと隣国のように、平民に権力を奪われてしまうからな」

 

 王太子が正論というか現在の世の流れをありのままに伝えると、臣下達は顔を青くして黙り込んだ。

 隣国では傍若無人な国王が病死(?)した後、貴族達がお飾りの女王を担ぎ上げて合議制で政を行おうとしたのだが、失策が続いて、今では平民の代表の方が力を持っていると噂されている。

 

 王太子は次々と新しい改革案を出したのだが、早急過ぎる変化は失敗の元だと、冷静なランスによって精査され、ナンバリングされて、一つずつ計画的に実行されていった。

 

 エルディアは姉達が結婚してからも実家から通園していた。新婚さんの邪魔をして悪いとは思ったのだが、何故か姉だけでなくて義兄からも、絶対に嫁ぐまで家にいて欲しいと懇願されてしまった。

 申し訳なかったが、まあ寝に帰るようなものだから許して欲しいと、そのままお世話になることにした。

 

 

 エルディアは入学の頃と変わらずに朝一で登校し、授業前に図書館で調べ物をし、昼休みは生徒会活動、放課後はやはり生徒会活動や図書館でまた調べ物をしたりして、遅くまで学園内に留まっていた。

 そして休日はお妃教育のために登城していた。このようにエルディアは超絶忙しかったので、滅多に姉とは顔を合わせなかった。むしろ休日出勤している義兄との方が、王宮で顔を合わせていたくらいだった。

 

 エルディアの両親は、姉マルティナの結婚を期に爵位を譲り、国の研究所の仕事も辞めて領地へ帰った。彼らは領地内に私設の研究所を作り、二人で大好きな薬の研究に専念しようと考えていた。

 しかし実際は夫人が研究を諦めて、領地経営を担うようになった。

 なんでも、どちらかが仕事を辞めて領主管理者としての責務を果たせと上からのお達しがあり、ダーツで勝負した結果、夫人が負けたようだった。

 

 それまでメディット元伯爵夫妻は領地経営を生前の両親や執事に丸投げしていた。そしてマルティナがランスと婚約して領地経営を学ぶようになると、まだ学院に通っていた上の娘にもその経営の手伝いをさせていた。もちろんそれこそまだ学び舎へ通っていなかった下の娘にも。

 

 しかしマルティナの結婚後、彼らの予定は大きく狂ってしまった。本格的に領地経営をさせるつもりだった娘婿のランスが王太子の側近になってしまったためだ。

 しかも下の娘のエルディアまで王太子の婚約者となってお后教育に忙しく、これまでのように家の手伝いはさせられなくなった。

 そのために、まさかマルティナ一人に王都の屋敷の管理と領地経営の両方をさせるわけにはいかなくなってしまったのだ。

 

 マルティナからすると、領地経営の方も婚約期間にしっかりと勉強していたので、やろうと思えばできると思った。慣れない領地経営で母親が癇癪を起こして父親に当たり散らし、そのせいで父親の研究も進まず、領地が大変なことになっている……と執事から聞いたからだ。

 

 しかし、それを周りからとめられてしまったのだ。やるべき人からその役目を奪ってはいけないよと。

 それ故にマルティナにできたことと言えば、領地の執事に権限を与えて、元伯爵夫妻をビシバシ鍛え直すことだけだった。

 彼らが本来すべきことができるようになるために。

 

 領地経営をせずに済むようになったので、マルティナにはようやく時間の余裕ができた。そのために彼女は()()()()を始めた。

 しかし忙しくしていたエルディアは、余裕ができた姉が一体何をしていたのかを知ることはなかった。

 読んで下さってありがとうございました!

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