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僕たちの一期一会  作者: わんこ
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Episode4始まりのはじまり……

「あの…、サッカーがお好きなんですか?」


そう言って、目の前に現れた『彼女』を俺は一瞬…驚きに目を開け、息をするのも忘れたまま見つめていた…

車椅子姿の『彼女』も、この間会った時と何も変わらず可愛らしい笑顔を湛えて俺を見つめてくる…

数秒間固まって俺はやっと掠れた声で一言呟いた…


「あんた…確か…この前の…」


俺のその言葉に『彼女』は嬉しそうに微笑んで、


「覚えていてくれたんですね。この間は本当にありがとうございました。原田さん。」


とぺこりとお辞儀をしながら言った。

一瞬…本当に今の時間が夢なんじゃないかと思ってしまった…

今、ここにいる彼女は俺の記憶から作りだされたもので、本当は違うんじゃないかって…

でも、彼女は本物だった…

風に流れるさらさらの髪も、こちらを見つめる黒い瞳も…

全て、俺の目に映っている。

念のために自分の右足をつねってみたが痛いだけだった…

あぁ…ホントに再会してるんだ…今…

俺が好きになった人と…


「あの…原田さん…?」


「………」


「原田さん?」


「………」


「原田さん??」


「……へ?」


「あの…固まっていらしゃったので。大丈夫ですか?」


「あ、悪い。まさかこんな所で君と会うなんて思ってなかったからさ…」


ハハハ…と笑って見せたが『彼女』を前にして動揺を隠せていない…


「あ…そうですよね。いきなり声を掛けてしまったんですし…」


「彼女」は、驚かせてしまった事を申し訳なくおもったのか俯いてしまった…

あ、ヤバ…と慌てて俺は話題を出す…


「そ、そういえば、あんた、ここの学校の生徒だったんだな…。今まで見かけた事がなかったから分かんなかったが、制服着てるし…現にここにいるし…」


俺がそう言うと、彼女は「そういえば言ってませんでしたね」と微笑みながら言葉を返した。彼女の笑みが戻った事に俺は心の中でホッとする…


「実は私、転入生なんです。明日から本格的に通う事になっているんですけど」


「あぁ、成る程。転校生だったのか…。じゃあ、クラスとかも決まってるのか?」


「えぇ。ここなんです」


そう言って指を指した場所は、俺が今までいた自分の教室だった。


「へぇ~、偶然だな!俺もここのクラスなんだ。」


同じクラスだった事に嬉しくなって、つい興奮気味の声で言うと彼女は驚いた声をあげた。


「え!?そうだったんですか!?てっきり、原田さんは先輩なのかと思ってました…」


「へ?何で……?」


俺が、聞くと恥ずかしそうにモジモジとしだした。

そして、か細い声で言う。


「だって、随分と背が高いから…」


その言葉に俺は、「あー」と呟いた。


「そういえば、よく言われるっけ…。俺…185あるもんな…。」


近所の人や中学の時のクラスメイト、友人等に会うたびに『相変わらず背が高い』と言われていた事を思い出す。

洋介等には、時々『伸は巨人になれるね』なんて酷い事を言われた時もあった…


「ごめんなさい。歳を間違えるなんて失礼をしてしまって…」


「いや、誰でも間違いはあるしな」


だから、気にするなと今にも泣いてしまいそうな彼女に言った。

出会った時から思うのだが、彼女は感情豊かというのか表情豊かというのか…

嬉しい顔をしたと思ったら、今度はすぐに泣きだしそうな顔をする…

そんな風に表情がコロコロと変わってしまうので、時々ハラハラしてしまう事もあるが、それでも…そんな【彼女】の事を堪らなく可愛いと思ってしまうのだから俺は重症なのだろうか……?


そう心の中で思ったその時…


「キャー、志野田君カッコイイ~!!!」


女子の黄色い声が外から飛び込んできた。

俺は、ふと窓の外を見る。

グラウンドのゴールには、ギリギリ網を貫通せずに下に落ちて転がったボール…

その前には、ただ呆然と立ち尽くして洋介を見つめるゴールキーパーの男子がいた。

どうやら、洋介が一発ゴールを決めたらしい…

仲間からは拍手喝采…

試合を観覧していた女子達からは『カッコイイ~!!』『志野田君こっち向いてぇ~!!!』『キャ~~~!!!!』などと鼓膜が破れんばかりの奇声とカメラモードのケータイのフラッシュを浴びせられていた。様子を見ていた俺は洋介が一点を取った事に何処からか来る嬉しさで思わず叫んでしまう…


「おぉ!良いぞッ、洋介!ナイスプレー!」


俺がそう言うと、俺に気づいたらしい洋介がこっちを向いて驚く。

しかし、それもちょっとの事だった。

すぐに何故かニヤついた顔で言葉を発する。


「伸。帰ってなかったんだね。あれぇ?隣の女の子。もしかして………噂のあの娘?」


「なッ!?」


「あっはは!冗談だよ。じゃあ、俺戻るね」


予想だにしなかった言葉に俺は返す言葉も思い付かず顔を真っ赤にして慌ててしまった。恐らく洋介は昼間、屋上で話した事を言っているだろう。

だが、その事を知らないひかるは、洋介の言う意味が分からないのかキョトンとしてしまっていた。

ても、それが反対に良かったと俺は思う。

もし、それを知られていたなら俺はこの場にいられなかったし、洋介を物凄く恨んだと思うから。

しかし…今度は、


「あの、原田さん。噂のあの娘って何ですか」


と、ひかるの方から聞いてきてしまったのだ。


「え、あぁ、えっと…」


さて、何と言い訳したらよいやら…

これが俗にいう『一難去ってまた一難』なのだろう。

と、頭を悩ませていたその時。


「原田、あんた何女の子をナンパしてんの?」


と、運良く後ろから声が響いて来た。

確か、この声には聞き覚えがある。


「羽紫、お前なぁ。違うに決まってんだろ。」


俺は、呆れた声で振り返りジトーっと声の主を見つめた。

そして、やっぱりコイツだったかと心の中で思う。

そこには、肩よりも少し長い天然パーマが特徴の茶髪に緑色の強気な感じをさせる切れ長の目を持つ美少女…

俺の友人で女子に一番人気の志野田 洋介の彼女…かつ、サッカー部のマネージャーで、この学校の男子に一番人気の羽柴はしば 麻帆まほがいた。


「あれ?違ったの?てっきりそこの可愛い女の子にナンパ仕掛けてんのかと思ったけど」


「するかッ!!」


即座に否定しハァと溜息をつく。


「ってか、お前部活に行かなくて良いのか?マネージャーだし彼女として洋介の練習見ないのかよ」


「ん、まぁ…今は仕事無いし私があそこに居ると他の女子に絡まれて洋介が集中出来なくなっちゃうから今はちょっと避難中なんだ。」


「ああ。そうか…」


その言葉に俺は成る程と思った。

女子に人気のある洋介の彼女となれば嫉妬する女子も多いだろう。

そこで、彼女を蹴落とそうなんて考える輩も出てくる訳だ。

実際、前に何か嫌な事でもされたり、何か酷い事など言われたのかもしれない。

人気者〔洋介〕の彼女も何か大変なんだな…と感じてしまう。

だが、そのお陰なのか。はたまた昔からそういうのに強いのか。

彼女は、自分の所為で洋介が傷つく事がないように気を使ってはいるが嫉妬する女子の事は全然気にするふうでもなく日々リア充としての毎日を過ごしている。


「それよりさ、その子。あたしの事知らないから、あんたの後ろで不安そうにしてるけど大丈夫?」


「え?」


麻帆に言われて後ろを見てみると、ひかるが俺の制服の裾を掴んで不安そうにしていた。

大分、子供っぽい仕草だが何かカワイイ…


「あ、あの」


ひかるがオドオドと言葉を発すると麻帆がニッコリと笑いかける。

すると、ひかるは少し安心したのか顔の緊張が解れた。

その様子を見て俺は口を開く。


「そういえば、遠藤さんはコイツと会うのは初めてなんだよな。」


「えぇ」


「んじゃ、紹介するよ。コイツは羽柴 摩帆っていうんだ。んで、こっちが円道ひかるさん」


「へぇ、ひかるちゃんっていうんだ。良い名前だね」


そう言われたひかるは照れくさそうに微笑んだ。


「ありがとうございます。羽柴さんも素敵な方ですね」


ひかるがそう言うと麻帆は目を輝かせる。


「ひ、ひかるちゃん…カワイイ〜!!」


「は、羽柴さん?」


次の瞬間、麻帆はひかるに抱きついて顔をすり寄せていた。


「摩帆で良いよ!」


「は、はぁ…」


「ひかるちゃん可愛いし美人だし、良い匂い。」


「え、あの。摩帆さん」


「おいおい。そろそろ辞めたらどうだ?円道さんに嫌われるぞ?」


このままだと、ヤバイ方向に行きそうだったので止めた。

だが、麻帆はこちらを向いてジトーっと見つめてくる。


「へー、やっぱ原田にとってひかるちゃんは大事なんだ」


「な!?」


俺はまたしても驚いてしまう。

まさか麻帆にも意外な事を言われるとは思わなかった。

しかも、洋介と摩帆(二人とも)俺の心を見透かした様にひかる関連で言ってくるのである…

ひかるも驚いた様に目を丸くしていた。


「あれ?違うの?あんたひかるちゃんの事s…」


「だー!言うんじゃねぇ!!」


誰にもバラしてはならない秘密を暴かれそうになって慌てた俺は今にも禁句タブーが口から出てしまいそうな麻帆を引っ張ってひかるに聞こえない位の声で喋る。


「羽柴。お前…何でそんな事知ってんだ?」


「は?何が?」


「何がじゃねぇよ!何で俺がひかるを大切にしてるって事がお前に分かんだって言ってんだ」


俺かがそう言うと、麻帆はキョトンとした様に言う。


「あんたがひかるちゃんを大切にしてるかが何で分るかって?当たり前じゃん。だって、あんたを見れば一目瞭然だもん」


「俺を見れば?」


「そ。あんたを見てると[ひかるちゃんカワイイ〜スキスキ!!]っていう感じが凄く出てる。だから、一目瞭然。」


両手で手を合わせてキラキラと輝かせた目でそう訴えてくる。


「ま、マジで?」


「マジで」


麻帆はニヤッと唇の端を曲げるとひかるに近づいていく…


「ねぇ、ひかるちゃん。うちらタメだし、友達になりたいしだからひかるちゃんの事ひかるって呼んでいい?」


「ええ、勿論。」


ひかるは、嬉しそうに微笑みながらそう答える。


「やった!原田よりも先に友達になっちゃった!」


何故か[先に]を強調された気がした。

それに、何かズルイ気がする…

俺には、そんな感情が芽生えていた。


「な、なぁ!俺も円道さんの事…ひかるって呼んでいいかな。その代わりに円道さんも俺の事、伸って呼んでいいからさ」


何処からかくる焦りで慌ててひかるにそう言うと、ひかるは目を見開いて


「良いんですか!?」


と、問いかけてくる。

何で俺の時だけ、そんな反応なんだ…と思いつつも答える。


「ああ。勿論。」


俺が、言うとひかるはパァーっとさっきよりも目を輝かせた。


「伸…」


ひかるが、試しに呼んでくれる。


「お、おう…」


今まで洋介にしか呼び捨てで呼ばれた事が無かったから何か、擽ったい。


「あ、あの。伸」


ひかるが再び俺の事を呼ぶ。


「ん?」


「その、良かったら伸も私と友達になってくれませんか?」


その言葉は、俺にとって凄く嬉しい一言だった。


「おう!」


俺は満面の笑みを見せて答えた。

だが、その俺の後ろでニヤニヤ笑っている一人の少女に俺は気が付かなかった。






ーーーーーー


翌日。俺はいつもの様に学校の教室に現れた。


「伸。おはよ」


俺が席に着いてカバンから教科書等を出していると洋介が声をかけてくる。


「おう。おはよ」


「そういえばさ、あのあとどーなったの?」


「あの後どうなったって、何が?」


全く何を言っているのか意味が分からず問いただすと洋介は焦れた様に聞いてきた。


「あのとだよ。伸、あの娘の事好きなんでしょ?」


「それ、ひかるの事を言ってるのか?」


恥ずかしいから[好き]とかいう言葉を発するなよと思ってしまう。


「そうだよ。他に誰がいるの?」


「あのなぁ」


「だって、伸に今まで彼女なんていなかったでしょ。その前に伸が好きになる女の子自体いなかったし」


「失礼だな。俺だって好きになる女位…」


しかし、そこまで言いかけて止めた。

洋介の言う通りだと思ったからだ。

俺は、小学校の時も中学の時も、そして高一の時も好きになった女の子なんていなかった。


「俺だって友達として伸の幸せを願うし、伸の心を射止めた女の子が気になるんだよ」


「後者の方が本心だろ…お前…」


俺が洋介をジト目で見やると当の本人は「さぁね〜」と惚ける。


「ったく…」


悪態づいた俺は窓から見える空を眺めた。

今日も、晴れ渡った空が広がる。

風で動く雲がまるでアニメにでも出てきそうなクマさんの様な形をしていた。

ふと、彼女の事が気になる…


「ひかる、もう来るかな…」


早く来て欲しいなと思う俺。

それと同時に洋介が俺の肩を叩いてくる。


「伸、来たよ」


その声が自分の世界に浸っていた俺を現実に呼び戻した。

声に応じて振り返るとクラスメートたちの視線が一点に注目している事が分る。

その視線の先には教室のドアが有り、そこに彼女はいた。


俺を見るなりぱぁーっと明るい笑顔を見せる。

そして、恥ずかしそうに言った。


「あの。伸、おはようございます」


「おはよう。ひかる。今日からよろしくな。」


俺たちはそんな言葉を交わしてひかるの転校一日目の始まりを迎えた。

こんにちは!わんこですU.゜ω゜U


伸「こんちは。原田 伸だ」


ひ「こんにちは。円道 ひかるです」


え?(・д・。)何で二人とも居るの?(全然聞いてない…)


ひ「あの。私達ここに居れば、作者であるわんこさんに会えるって志野田さんに聞いて来たんですけど…」


え、何も知らないんですけど…


伸「さてはアイツ……わんこさんに何も知らせずにデマを言ったな。」


ひ「私達騙されてたんですか!?」


そ、そうみたいだね…。お疲れさん(´・ω・`)ノ どんまい。

でも、私に会えたから洋介君の言った言葉は間違いではないよ。


ひ「そうですね」


伸「そういえば、俺、ひかるに疑問があったんだけど」


ひ「なんですか?」


伸「ひかる、車椅子だろ?一体どうやって俺達の教室がある二階に上がって来たんだ?」


ひ「あぁ、その事ですか。それはですね、普通に這いつくばって上ったんですよ。」


え!?(((;゜;Д;゜;)))じゃあ、手を使ってハイハイ状態で上ったの!?


ひ「えぇ。片手で車椅子を掴みながら…」


伸「いや、絶対ムリだろ…それ…( ¯-¯ )」


じゃあ、次の日の朝は?どうやって上ったの?


ひ「今日の朝は、面倒をかけましたが先生に手伝って頂きました」


ひかるちゃん…次からは伸くんに手伝ってもらいなね?

女の子がそんな事してたら怪我するよ。


ひ「でも、そうすると伸や周りの人に迷惑がかかってしまいますし…」


伸「いや、ひかる。今度からは俺が手伝う。」


ひ「で、でも…」


伸「いーんだよ。気にしなくて。ひかるや他の人が怪我したら嫌だし…それに…俺がやりてーんだから」


ひ「伸。」


ほらほら、お二人さん。

二人の世界に入るのは、後書きが終わってからにしましょうね。


伸・ひ「Σ(|||▽||| )」


では、今回はここまでと致しましょう!

じゃ、二人とも一緒に挨拶!


わ・伸・ひ「good buy!see you next time!!(。´・∀・)ノ」

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