表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕たちの一期一会  作者: わんこ
3/6

Episode2 一期一会…

俺がひかると出会ってから数日がたった…

今は、4時間目の数学Bの授業中…

だが、俺は頬杖をついて窓際の席で青々とした空をぼーっと眺めている。

別に数学が嫌いだからではない…

むしろ、一つの答えを導き出すのが好きな俺は数学の授業を楽しみにしている。

では何故、数学の授業に集中出来ないでいるのか…?

それは、俺の頭の中に一人の少女の顔が浮かんでいるからだ…ツヤツヤとした光沢のある長い黒髪…

クリッとした愛らしい目…

まるで、神様が作ったかのような美しい顔…

俺は、あの日…円道ひかると名乗った少女を忘れられずにいた…

どうやら、俺は彼女に恋をしてしまったらしい…

だが、あの日会って以来、俺はひかると会っていない…



――まぁ…当たり前か…。

一回会っただけでメアド交換などはしていない。病院に見舞いにでも行かなければ滅多に会う事も無いだろう…。



―あの子に会いたいなぁ…



「はぁ……」


キーン・コーン・カーン・コーン……


「お、鐘が鳴ったな。それでは、今日はここまで」


俺が小さな溜息を吐いたと同時に鐘が鳴り、教師の声と共に授業は幕を閉じた。

俺は、また溜息をついて教科書等を机の中に突っ込んで仕舞う。本当ならこの後は俺の大好きな昼めしの時間なのだが食べる気が起きない…


「やぁ!伸、何か元気ないね…。悩み事でもあるの?」


と陽気な俺の友人…志野田 洋介が弁当を持って近づいて来る。いつも昼飯はコイツと食べるのが習慣だ。

ついでに言えば洋介は彼女持ち…

彼の性格は少し問題ありのような気もするが悪い奴ではない。

サッカー部に所属している洋介は顔も良ければスポーツも万能。おまけに頭が良いときて女がゾロゾロ寄ってくる…

それが、少し羨ましいと思ってしまうのは俺の悪い嫉妬だろうか…


「別に。何でもねぇよ。」


俺はそっけない態度をとって洋介に挨拶する。そんな俺の様子を見た洋介は不思議そうな顔をした後、ぽんっと手を打ち「あぁ、そうか!」と何やら一人で納得していた。


「お前…何、一人で納得してんの?」


俺は、ジト目で友人の事を見つめていたが当の本人はそれに構わず俺の手をいきなり引っ張ってくる。


「お、おい!一体何なんだよ!」


「良いから良いから。何にも言わずについてきなよ」


そう言われて俺は何も出来ずに洋介に連行させられた。

やがて、着いたのは生徒が入ってはいけない禁断の間…

屋上に出る扉の前だった。


「おい…洋介。まさか、屋上に出ようなんて考えてるわけじゃねぇよな」


俺は、嫌な予感がして洋介に問い質す。

だが、奴はさらりと答えた…


「その積もりだけど?」


「………」


聞いた俺が馬鹿だった…

長年、友人としてコイツ(洋介)と付き合ってきた俺なら知っていたはずじゃないか…



――何かあると屋上に行くって…



でも、俺達が普通に入れたのは小学校までで、今はどこの学校でもいろいろと厄介事になったりするので屋上は立入禁止エリアになっている。

そういう状況でどう屋上に入ろうというのだろうか…

俺がそう思っていると洋介はチャリン…と音をさせてポケットから何かを取り出した。

何とそれは事もあろうに屋上と書いてある印の付いた小さな鍵だった。


「おいおい…何処から持って来たんだよ。それ…。教師にばれたらきっと、特別指導もんだぞ…」


俺は半ば飽きれ半ば呆然とした顔で、サラっとした友人を見つめる。


「職員室から拝借してきちゃった。テヘッ」


「『テヘッ』じゃねぇ!俺は別室で教師に怒られる特別指導なんて勘弁なんだよッ!!」


ってか、どうやって職員室から取って来たんだ?コイツは…


「まぁまぁ、文句を言わずにお出でよ。それから君の話を聞いてあげるからさ。人前じゃ話にくい悩みなんでしょ?」



――まぁ、確かに人前じゃ話にくい事で悩んでたけど…



洋介は、俺の怒りの主張を無視して屋上へと繋がる扉の鍵を開け、さっさと進んでしまった…


「はぁ……しょうがねぇな…」


俺は、頭をガリガリと掻いて溜息を付くと先に地面に座って待っていた洋介の隣まで歩いて腰を下ろした。


空は雲一つない綺麗な青…

春の風は暑い夏よりも、寒い冬の風よりも心地好い…

気を許してしまえば太陽の暖かさで眠ってしまいそうだ。

それ程、今日は良い天気だったのだ。


「んで、伸は何悩んでたの?……まぁ、伸の事だから『好きな女の子が出来たんだけど中々告白出来ないんだー』とかだとは思うけど…」


「なっ!?」


――まさか、コイツ…テレパシーとか使えるわけじゃないよな…?

何で恋愛絡みだって解ったんだ?

……まぁ、全部は当たってないけど…



なんて疑いの目を向けて洋介を見ると本人はクスクスと笑って俺を見つめていた。

どうやら、俺をからかっているらしい…


「あれ、もしかして本当に図星なの?へぇ~、伸が女の子に恋ねぇ。どんな子なの?ちょー美人?可愛い?」


なんてニヤニヤと嫌らしい顔をしている。


「別にそんなんじゃねぇし…」


からかっている事とはずかしさにムカついて俺がそっぽを向いて反論すると、いきなり頭を捕まれて洋介の方に顔を向けさせられてしまう。


「駄目だよ、伸。そういう事には素直になんなくちゃ…。」


真面目に言ってるんだよ?と言いながら手を離すが俺を見つめて洋介は、また話だした…


「ねぇ…伸。君は一期一会って言葉を知ってる?」


「ん?あぁ、知ってるよ。出会いは一期一会って良く言うしな。でも、いきなりどうしたんだよ。そんな話をするなんて…」


と聞いてみたが、

ん~、まぁちょっとね…

と洋介に、はぐらかされてしまう…


「ちょっと何だよ…」


少し意地悪かもしれないが、何だか知りたくなって追求する。答えてくれないかもと思っていたのだが洋介は少し考えに浸った後、話し出した。


「いや、俺が伸と出会えたのも何かの縁で一期一会なんだなって思ってね。」


「まぁ…確かに…」


俺と洋介の場合は中1の時に、ひょんな出来事で出会って話すようになり…自然と友達になっていった。


「あの事が無ければ、俺達は出会う事も無かったのかもな…」


俺が懐かしむ様に言うと洋介は優しく笑う…


「まぁ、あの時は伸のお節介焼きのお陰もあるけどね」


「お前なぁ、人に助けられといて、お節介焼きはねぇだろ…」


ジト目で睨むと洋介はハハハと楽しそうに笑って立ち上がった。


「まぁ、俺が言いたい事は伸が好きになった女の子と伸の出会いも一種の一期一会って事。その出会いを大切にしたいなら伸から行動してみなよ。そうすれば相手の伸に対する気持ちが解ってくるんじゃない?」


そう言い残すと洋介は去っていった…


「一期一会か……」


俺とひかるの出会いは一期一会……

あの優しい笑顔…

俺は、もう一度ひかるの笑顔が見たい…

そんなふうに思えるのは俺がひかるに恋心を抱いているから…



――俺は、彼女の気持ちを知りたい…



「は~ぁ、どうしたら良いんだろう…」


俺は屋上の床に寝転がりながら心地好い風に揺すられて考えていた…

こんにちは(゜▽゜)/わんこです!

今回は、台風19号が接近してる中で『僕達の一期一会』を書き上げました(^_^;)

2週間連続の台風は面倒ですね…

早く抜けてくれる事を祈ります!

物語は、伸くんの悩み事として書いたので、伸くんとひかるちゃんの発展がまだ先になりそうです…

これからも、頑張って行こうと思います!



それでは!

See you next time!o(^-^)o

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ