不知火菫
僕はそのきれいな縁から逃れられず、首を差し出していた。
訳ではなく、純粋に、ギリギリまでブーメランを引き付けていた。
タイミングを見た僕はバックステップしブーメランの刃の合わさるような点にナイフをあてがう。
普段の僕ならできないが完璧な状態の僕なら話は別だ。
勢いも何もないそれはブーメランの勢いがよじれる。
僕の斜め後ろのわきに乱回転しながらブーメランが刺さる。
が、多分意味は無いだろう。
なぜなら、
ギチギチッ!ーズオォォオォウ!
ひとりでにブーメランが動き出し、僕の首を狙ってきた。
予想通り。
違和感はあった。
この人員の中で明らかに軽装備であるはずの彼女が、この側近にのめりコムに値するだけの力の出どころ。
それは、超能力。
この考察に科学的根拠や根底となるモノは無い。
さっき言ったことに加え、彼女の初撃を捌いた時、攻撃が軽すぎたのだ。
それは、手の内を見せないための予防線。
それが信憑性を増させた。
引き延ばされたゾーンの中で、ブーメランをお辞儀するようにして避けた。
「なんでわかった?」
「貴方の攻撃は初劇が軽すぎた。僕との一騎打ちになるのを見越してかこれをとって置いてると推理してみただけですよ」
「子供にしては怖ろしい洞察力だ」
「お褒め預かり恐縮ですね」
僕の手の内はほぼ割れてると見ていい。
逆を言うと彼女は今だ隠しゴマを持っている、そんな予感が背中を撫ぜる。
「着かぬことを聞きますがお名前は?」
「不知火菫」
「そうですか」
「君は?」
「僕は佐藤俊介、ただの高校生ですよ」
「わかった」
彼女はそれを聞いて考える素振りをする。
警戒を解くな、彼女には勝てないんだ。なら最善は・・・
「よし、降参」
「はい?」
不意に発せられた彼女の一言に唖然とする。
「不知火菫、降伏し、君の仲間となろう」
「はぁ・・・」
惚けてしまった、びっくりした以外に言葉が出ない。
「おいぃぃ!菫ぇぇぇええええ!」
「五月蠅い、ハイエナが」
「なにっ!!・・・・てめぇいってくれるなぁぁおい!」
僕でも俺でもなくそれを発したのは菫さん。
「何度でも言おう、ハイエナが」
今日は頑張ってあともう1話やろうと思います。
予定は未定ですがね・・・




