多重人格者
「ていうか殺したのお前だし」
「てめぇどの面下げてそんなこと言ってんだ」
「お前キレるとキャラ変わるのな、すげーおもろい」
「・・・死ね」
ここまで激怒をしたことは無い。
我を忘れて口調を荒げるくらいに。
地面を蹴り、奴の立っている祖父の家の屋根に向かって跳躍。
横に一閃。当然後ろに飛びのく竜騎。
屋根を使い、さらに上に飛び上がる。
回転し、円盤のような斬撃を繰り出す。
あと少しで当たるところで攻撃が弾かれ、刀が右後ろに突き刺さる。
後ろによろけながら前方確認。
鎌と思わしき物の切っ先が顔に目掛けて迫る。
咄嗟に腰のナイフを抜き、鍔迫り合いにする。
鎌の形状を活かし、立てているナイフを寝かして、駆け上がる。
そうすると、押し付ける鎌とナイフが火花を散らす。
そのまま上がり斬りつける。
・・・というのはフェイクで、素早くハンドガンを引き抜き相手に打ち込む。
直撃はしないが、回避しきれていなく、回避体勢からまだ起きてこないのでここで後退。
刀を拾い、ハンドガンらを納めながら相手の様子を見る。
あいつのことだ、敵はおそらくもっといる。
周りを警戒はしつつもすぐに動けるように構える。
「よそ見はよろしくないぞ、少年」
「っ!!」
警戒に専念していたかは分からないが相手は僕の前に現れている。
横から迫る攻撃を、腰を極限まで反らせて回避。
そのままバク転をして踵アッパーをひそかに狙う。
残念だがそれは不発に終わる。
そろそろ苛立ちを感じ始めたので、刀を右手、ハンドガンを左手で構える。
あちらはおそらく僕よりも手練れ。
それも熟練され精密な。
僕と同じ殺し屋業の人々。
なぜ断言するか、それは圧倒的な力差とここが日本って言うこと。
まずそういうの持ってる時点で同業者疑うのは普通。
少し冷静さを取り戻し始めた頭で考える。
頭の中でこの後のプランを構成。
戦闘をしながら。
体は一度別人格にでも任せよう。
そう今更だが僕は多重人格者。
ただ僕は、自分の意識で別人格を抑えてる。
そうしないと殺戮を始めてもおかしくないほど凶暴な人格だ。
今はよくはないが、彼に任せるのが得策だからだ。
・・・視界には俺の人格が見てる景色が広がっている。
おお、勢いよくやったね僕。取り敢えず第一障壁突破。




