準備
無法集団が住む南西の島に接近する数機の機影。その機影は腹の下を光らせながら島の周りを数周していた。
「彩雲01から02へ。必要な情報はカメラに収めたか?」
「いや、もう少し待ってくれ01。まだ収めてない情報がある」
「早くしろ02。敵の対空兵器がいつ起きて来るかわからんぞ」
その機影ーーステルス偵察機彩雲の内、01が02に対し催促する。
2機の彩雲が腹の下にあるカメラで撮っているのは、海賊の地上戦力であった。大和から戦力の情報をカメラに収めるよう命令を受けていたのである。
「これで最後。彩雲01、必要な情報を全てカメラに収めた」
「よし、急いで大和の元へ戻るぞ」
2機の彩雲は急いで大和へ帰投した。
「気づかれたみてぇだな……」
その2機の偵察機が離脱していくのを偶々見ていたロイバァは苦々しくそう呟く。
「リーダー、どうしやすか?」
子分の一人がそう尋ねる。
「襲撃時間を早めたほうがいいかもしれんな。兵器の積み込み作業を急がせろ」
「了解っす」
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玄武島は少々荒ただしくなっていた。陸では戦車や機械歩兵が所定の位置に展開、飛行場では戦闘機や攻撃機が何時でも発進できるよう滑走路で待機している。
一方海では、資源輸送船を全て湾内に退避させ、南東及び南西方面には大和隷下の大艦隊が二手に分かれて展開している。
南東方面に展開している大和の元に4機の彩雲が接近する。
「彩雲から大和へ。貴艦への着陸を許可願う」
「大和から彩雲、着陸を許可する」
4機の彩雲は大和の後部飛行甲板へと着陸した。
『彩雲、収集した情報を直ちに送りなさい』
「了解、収集した情報をそちらへ送ります」
彩雲が収集した情報が入ったデータを大和のブリッジに送られる。
『帰投した全彩雲から海賊の地上戦力に関する情報が入ったデータがこちらに送信されました。マスターのタブレットにもアップロードしておきます』
「……分かった」
直様タブレットを開き、アップロードされた情報(画像)を確認する晃。
画像だけではあるがカラー付きで繊細であるため非常にわかりやすい。
(南西側には地上部隊はほとんどいないみたいだな)
南西の島には戦車や自走砲といった地上兵器は存在せず、機械歩兵が少数いるだけだった。
(それに対してこっちは……)
タブレット画面をスライドして南西の島の画像を見る。
(多いな)
南西側がほぼすっからかんに対し、南東の島には大量の戦車や自走砲がズラリと並び、それを運ぶ輸送船や揚陸艦も50隻近く停泊している。
(……それにしても、この戦車と自走砲、M551とM109にそっくりだな)
タブレットの画像に写っている戦車はアメリカ軍で使用されているM551シェリダン空挺戦車とM109自走榴弾砲に酷似していることに気づく。
一応パンドラには地球上に存在する兵器に似た兵器があるにはあるが具体的な理由は不明らしい(ヤマト談)。
暫く画像をみているとヤマトから報告が入る。
『マスター、海賊の通信を傍受しました。通信内容は玄武島への襲撃時間の変更。明日に行われるようです』
「……流石に偵察機を向かわせてたら気付くか。南西側にTu-22Mバックファイアを、南東側に天龍と牙竜を向かわせて、哨戒に当たらせるように」
『了解しました』
一応、今回はここまで。
次回は海戦です。




