近づく紛争
相川雄樹先生からラーシア・ソユーズ級の使用及び改装許可が下りたので使わせていただいております。
3/5 海賊団の出撃を3日後から一週間後に変更
文章を一部変更
この異世界パンドラに転移してから既に一年。
本拠地ーー玄武島は占領したばかりの時と比べて、難攻不落ともいえる巨大な軍事要塞となった。
要所要所には要塞バンカーや対空タレットがお互いをカバーするように設置されている。
これらの防衛施設には、スペツナズやオスナズといった新型の機械歩兵に、機動性に特化した軽二脚型歩行兵器九五式ハゴが配備され、侵入者に対し目を光らせていた。
更に島の中央には巨大なシールドジェネレーターが複数設置され、これらは主にPAC3やイージス艦が撃ち漏らした敵弾道ミサイルを防ぐ役割を担っている。
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「……見つけたはいいが……これは本当なのか?」
大和のブリッジで、晃がそう呟く。
『はい、間違いないかと』
晃が手にしてるタブレットには数日前に探索任務から帰投した天龍型潜水艦からの報告内容が記載されていた。
その報告内容は……
#玄武島から北西及び南西百キロ先に複数の無人島を発見。
#北西は未開拓ではあるようだが南西には港らしきものがありそこに50隻近くの戦闘艦艇が停泊している。
#南西の島の港を出港した戦闘艦艇の艦尾に海賊らしき旗が確認された。
#その戦闘艦艇を追尾したところ、玄武島から南東にも海賊が占領していると思われる島を発見。暫く監視した結果そこには空母や強襲揚陸艦を含んで計150隻以上の戦闘艦艇が集結していることが確認された。
#天龍06が海賊の通信内容を傍受したところ、近いうちに島を襲撃及び占領を行うことが判明する。場所等からして、恐らく玄武島かと思われる。
という内容だった。
(……空母を持った海賊とかいるのか)
晃は内心驚愕する。元いた世界にも海賊はいたが、少なくともそんな主力艦艇を保有した海賊はいない。しかしこの世界ではそういう兵器を持った無法集団もいるにはいるそうだ(ヤマト談)。
(……流石に敵の陸上戦力に関する情報はないか)
タブレットの画面をスライドしても陸上戦力に関する情報はないようだ。
「……彩雲を数機、南東と南西の島に送れ。それと大和と親衛艦隊を除く全艦艇を南西方面に展開」
『了解しました』
晃はステルス偵察機ーー彩雲ーーを南西と南東へ数機派遣し、敵の陸上戦力に関する情報を収集するよう指示。そして大和と親衛艦隊を南東方面に、空母クズネツォフを旗艦とした第一機動艦隊と新型ミサイル巡洋艦ラーシア・ソユーズ級数隻を中核とした第一打撃艦隊を南西方面に展開、敵艦隊を迎撃することにした。
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南東の島に立つ大きな港と豪華な御屋敷。港にはナジン級フリゲートに似た戦闘艦艇が大量に停泊しており、少し離れた場所にはインヴィンシブル級航空母艦に似た空母や強襲揚陸艦が数十隻停泊していた。
この島はデロタ海賊団と呼ばれる海賊のアジトの一つであり勢力圏拡大のための前線基地でもある。
デロタ海賊団はそれなりの規模を持った無法集団であり主にシラビア海域を中心に活動を行っていた。
彼らは主に国家の保有する島や船を襲って利益を得ているが、自分達の勢力圏を拡大するために島を襲撃、占領することもある。ごく稀にではあるが。
その島のアジト、三階の奥の部屋に、大柄な男達が地図を広げたテーブルを中心に集まっていた。
「準備は万端みてぇだな」
テーブルの奥にいる、無精ひげを生やした茶髪の男が不敵な笑みを浮かべながらそう呟く。どうやらこの男がリーダーであるようだ。
「へ、へい。全艦艇及び上陸部隊の最終チェック、全て完了しやした。東にいる連中も準備が整ったみたいっす」
下っ端らしき痩せ細った男が頭を下げながらそう報告をする。
「あの商人はどれくらいで着く」
「へ、へい!!、もうそろそろここへ来ますかと!」
コンコン
「失礼します」
部屋のドアが開かれ、そこからタキシードを着た小太りで白髪混じりの男と数人の護衛らしき兵士が入ってきた。
「待ってたぞ、ヘンドラー商人」
「此れは此れはロイバァ殿。約束の物を取りに来ました」
デロタ海賊団団長ーーコルサン・ロイバァと商人ーーケルハイト・ヘンドラーが握手を交わす。
ケルハイト・ヘンドラー➖➖ヘンドラー移動商会のリーダーであり、各国を巨大装甲商船(全長600メートル)で周りながら様々な商品(艦の部品や兵器含む)を販売して利益を上げていた。この商会の販売する商品は品質や性能が高いことから人々からは人気である。
しかしそれはあくまでも表の話。
裏では輸送潜水艦(400メートル)を使って海賊等の無法集団や反乱軍への兵器の密売などを行う闇の商人でもあった。
「ほれ約束の金だ。受け取れ」
ロイバァがヘンドラーに大量の札束が入ったケースを手渡す。
「ふむ、確かに受け取りました。…ところでどうでしたかな?我が商会の戦車は」
ケースに入った札束の数を確認しながら、そう質問するヘンドラー。
「今までのとは大違いだ!何せ、砲からミサイルが撃てるのだからな!!」
「おお、気に入ってくださって何よりです。では、早いですが私たちはこれで」
札束を確認し終わったヘンドラーは護衛と共に部屋から出て行った。
ヘンドラー達が部屋から去った後、ロイバァは腰にあるカタールを抜き、剣先を上に向けて叫ぶ。
「よーしテメェら!!我らデロタ海賊団はいよいよ北西の島へ攻め込む!!敵に情けは不要だ!!。出撃は一週間後!!東の連中にもそう伝えろ!!」
「「「おぉぉ!!!」」」
同じくカタールを抜いて上に向ける男達。部屋の中が喧騒に包まれた。
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その喧騒は港に停泊している輸送潜水艦へ戻ろうとしていたヘンドラーにも聞こえていた。
「相変わらず海賊の連中は血の気が多くて五月蝿い奴ばかりだな〜」
ヘンドラーは気だるそうにそう呟く。
「私もあのような連中は苦手です」
護衛の一人もため息を吐きながら苦笑した。
「けど、海賊があの戦車を大量に買ってくれたおかげで我々は大儲け出来た。……っと、休んでる暇はない。次の場所へ向かうぞ」
ヘンドラーは胸ポケットから次の行き先が書かれている紙を取り出し、それを確認しながら輸送潜水艦へと乗り込む。
その次の行き先の紙には………
アスリア共和国と書かれていた。
次回は……海戦の予定です。




