ワンサイドゲーム 前編
……やってしまった。
12:00
玄武島へ攻めてくる海賊艦隊を迎撃するべく、ソビエト艦で構成された機動艦隊と打撃艦隊が玄武島南西方面を航行する。
艦隊の編成は以下の通り。
第一機動艦隊
空母クズネツォフ 1
空母キエフ 1
空母ミンクス 1
ゴルシコフ級フリゲート 8
ウダロイ級駆逐艦 5
第一打撃艦隊
ラーシア・ソユーズ級重ミサイル巡洋艦 4
キーロフ級重原子力巡洋艦 4
ソブレメンヌイ級駆逐艦 4
総旗艦 空母クズネツォフ
「ブラインダー03から旗艦クズネツォフへ。レーダーに艦影を確認。恐らく海賊の艦隊。数は……60隻以上。真ん中に巨大な艦影あり。空母かと思われる」
「了解したブラインダー03。引き続き監視を続行せよ」
「ブラインダー03了解」
南東方面を哨戒していたバックファイア03ーーTU-22Mは海賊艦隊の監視を続ける。
「旗艦クズネツォフから打撃艦隊各艦へ。最大射程で海賊艦隊へのミサイル攻撃を開始せよ」
「ソユーズ01、了解」
「キーロフ01、了解」
「ソブレメンヌイ01、了解」
各艦のリーダーがそれに応え、ミサイル攻撃を開始した。
「ソユーズ各艦、モスキートII斉射」
「キーロフ各艦、グラニートII斉射」
「ソブレメンヌイ各艦、サンバーンII発射」
ラーシア・ソユーズ、キーロフ、ソブレメンヌイ各艦からそれぞれ、ありったけの対艦ミサイルが放たれる。
第一打撃艦隊から発射された計数百発以上の死の槍は、前方数百キロ先の海賊艦隊へ向かっていった。
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「中々良い光景だな。そう思わねぇか?」
南西の島から出港した海賊艦隊の旗艦 正規空母ガルドの艦橋内のコクピットに座る男ーーザルが、モニター越しに自身が率いる艦隊を眺めながらそう呟く。
「そうっすね〜。これだけの船が集まって航行するのは結構久しぶりっすね」
別のモニターに写ってるザルの部下もなにやら満足そうな顔をしながら答えた。
ザル率いる海賊艦隊の戦闘艦は計62隻。輸送船や揚陸艦といった艦は無く、駆逐艦や巡洋艦といった戦闘艦が多数を占めている。
因みにこれらの戦闘艦は自分達で建造した物ではなく、国の軍港から失敬したり武器商人から購入した物が多い。
「そういやロド。オメー確か酒場の看板娘と結婚するんだって?」
「へ、へい!!そうっす!!俺、この戦争が終わったら結婚するんっす!!」
「ヒュー!!。羨ましいなぁ!この色男!」
「がはははは!!。そりゃめでたいなぁ!!じゃあ、これ終わったら全員で祝「ザル団長!!」あぁ?なんだ?」
ロドと呼ばれた男の結婚話で盛り上がっていたその時、慌てた様子の男の顔がザルのモニターに映る。
「レーダーに反応多数!!ミサイルです!!数160!!距離150!!」
「「!?」」
それを聞いてザルや部下達の顔が一気に青ざめた。
「……っ!!全艦!!対空戦闘だ!!早くしろ!!急げぇぇ!!」
我に返ったザルが全員に対空戦闘の指示を出し自身もガルドの対空誘導弾を発射する。
「ざ、ザル団長!!敵ミサイルの速度が速すぎます!!迎撃しきれない!!」
「うじうじすんな!!死にたくなかったら撃ち続けろ!!」
弱音を吐く別の部下を叱責し、迎撃を続ける。
「っひ、く、来るな!!来るなぁぁ!!」
「駄目だ!!全然当たらねぇ!!うわぁぁぁ!!」
部下達も自身の艦の装備で必死に迎撃するが、敵のミサイルの圧倒的な数と速さの前に轟沈する艦が続出した。
「くっ、くそっ!!」
ザルも自艦に迫るミサイルを機関砲や誘導弾等で迎撃していくが幾つかが迎撃網をすり抜け、艦腹に直撃した。
「ぐおっ!?」
直撃と同時に激しい揺れと爆炎が襲いかかり、ガルドは航行不能に陥る。
飛行甲板はめちゃくちゃに破壊され、艦内も至る所で火災が発生した。弾薬庫にも火の手が上がっており、いつ誘爆してもおかしくない。
(……くそが)
そして止めと言わんばかりに、対艦ミサイルーーモスキートIIが突き刺さり弾薬庫が誘爆、空母ガルドは真っ二つに轟沈した。
「た……団長!!」
「もう駄目だ!!逃げろ!」
リーダーを失った海賊艦隊は戦意が崩壊。蜘蛛の子のように散り散りと逃げ回っていった。
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「ブラインダー03から旗艦クズネツォフへ。海賊艦隊の大半の撃沈を確認。残りは退却していくぞ」
ブラインダー03から南東海賊艦隊が退却したことが報告される。
「旗艦クズネツォフから全艦艇へ。帰投するぞ」
「キーロフ01からクズネツォフ。追撃はしないのか?」
「塵の後始末は空軍がやってくれる」
その後玄武島の飛行場から数十機のSU24フェンサーが南西海賊艦隊の残党を追撃。ほぼ全てを撃沈した。
中途半端かもしれませんが、今回はここまで。
次回は晃達の海戦です。




