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北の監査官は別れたオメガ妻に未練があるらしい  作者: 茉莉 あまね
第12章 リオンを求めて

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第71話 白き世界の崩壊と帰還

異空間の床がガシャーンッと、まるで氷が割れるように音を立てた。

白い世界に黒い亀裂が走り、底の見えない闇が広がっていく。


「きゃあああっ! いやよ、こんなところで終わるなんて……!」


継母が叫び、継妹たちが泣きながら僕に手を伸ばす。


「継兄! 助けて! お願い、お願いだから!」


僕は唇を噛んだ。

胸の奥に、幼い日の痛みが蘇る。

冷たい床、痛み、飢え、叱責、嘲笑、孤独――。


レオンハルトの腕の中から、リオンが不安そうに見上げてくる。


「ママ……?」


その瞳を見た瞬間、迷いは消えた。


「……出口は?」


継母たちから目を逸らし、アーロンに冷静に問いかける。


「すぐそこだ。だが、思ったより崩壊が早い。急ぐぞ」


レオンハルトがリオンを抱き直し、アーロンが魔力で道を作る。

アーロンの肩には、絶望のあまり気を失ったヴォルン院長が担がれていた。


僕は最後と思い、継母たちに近づき彼女らを一瞥した。

僕の瞳には、怒りでも憎しみでもなく――静かな決意が宿っていた。


「……僕はもう、あなたたちに縛られない」


その言葉とともに、背を向けた。

継母たちの叫びが響くが、振り返らない。


家族は、血縁だけでは決まらない。

自分が守りたいと願う者――それが、本当の家族だ。


いそいでレオンハルトとリオンのもとへ駆け寄り、皆で崩れゆく白の世界を後にした。

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