↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北の監査官は別れたオメガ妻に未練があるらしい  作者: 茉莉 あまね
第10章 レオンハルトへの疑惑

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
60/72

第60話 真昼の追走

「二人とも急ごう! 事は一刻を争う。自分たちの息子を取り戻すのだ」


「アーヴィン・ロウ領主、承知しました!」


レオンハルトは僕から離れると、アーヴィン・ロウに一礼した。

そして僕を抱きかかえたまま、憲兵たちが用意した馬に飛び乗り、すさまじい速度で駆け出した。


「リオネル、しっかりつかまっていてくれ」


「はい……」


「レオンハルト! 私たちも準備を整え、すぐに追いかける。現地の仲間と合流したら、外から様子を探れ!」


背後から、アーヴィン・ロウの大声が響いた。

どうやら、すでに作戦は始まっているようだ。


僕の乗せたまま早馬を駆り、真昼の街道を駆け抜けるレオンハルト。

景色は後方へとすさまじい速さで流れ去っていく。


「……レオンハルト。本当にヴォルン院長が首謀者なの? レオンハルトの父上の親友なのでしょう?」


「リオネルが信じられないのも無理はない。私も本当だとは思いたくなかった。しかし……私は直接、首都セラフィオンで王国監査院長グレイヴ殿に会い、事実を確認した。そしてノルディア領主アーヴィン・ロウ殿の話を聞いた限りでは、ヴォルン院長が黒幕だと考えるほかない。四年前の財務監査報告書に魔法をかけていたのが彼だとすれば、すべての辻褄が合うだろう?」


疾風のごとく馬を操るレオンハルトが、冷静に答える。


「いままでずっと、アーヴィン・ロウ領主のことを疑っていたのに……信じていいの? リオンだって、彼が誘拐したのかもしれない。後方から狙っているとしたら……ヴォルン院長たちもろとも、僕たちを拉致するつもりなんじゃ……」


「私たちを拘束したければ、庁舎の中でそうしていたはずだ。私も最初は、ノルディア領主アーヴィン・ロウをもっとも疑っていた。王令も、彼の企みを阻止することが目的だった。しかし……数々の疑問点と事実を総合すると、ヴォルン院長以外に当てはまる人物がいない。それに……」


「それに? 確信できる理由があるの?」


「……国境沿いに着いてから話そう。リオネルにとって、思い出したくない話だからな」


「レオンハルト……」


レオンハルトはそれきり口を真一文字に結び、黙り込んだ。


なんだろう。

カーヴェル副院長のことだろうか。

まさか彼女にも、レオンハルトとの間に子供が――?


だけど僕は、もともと人を問い詰める性格じゃない。

それに、衝撃的な事実をこれ以上知りたいとも思えなかった。


僕も口を引き結び、ただひたすらリオンの無事だけを馬上で祈り続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。