↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北の監査官は別れたオメガ妻に未練があるらしい  作者: 茉莉 あまね
第8章 舞踏会の残り香

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
47/72

第47話 守られる理由、揺らぐ心

僕は目と髪を魔法で黒く変色させ、レオンハルトの愛人親子として、リオンとともに彼の家に居座ることになった。


申し訳ないことに、アーロンはフェルナー法務官のいる寮へ移り住んでしまった。

食事や身の回りの世話は、すべてメアリーがしてくれる。


「僕のやることは、なにかないの?」


心身ともに落ち着いた頃、僕はレオンハルトに尋ねた。


「リオネルは、しばらくここでじっとしていてくれ。私は、舞踏会が行われた離宮の小部屋に、誰が発情促進魔法を仕込んだのか捜査中だ。私たちを見て逃げていった人影についてもだ。いくら打診しても調査してくれないから、私が自ら調べている最中だ」


「レオンハルトは、発情促進魔法にすぐに気づいたの?」


「あ、ああ……あの魔法を解除したのはリオネルか」


「うん。どこかで嗅いだことがある気がして、すぐにわかった。誰でもできる解除方法だし」


「そ、そうか」


レオンハルトがあわてている。どうしたんだろう。


「それと……あの魔法を仕込んだのは、たぶん王太子だ。あの部屋に男が二人入ってきたとき、片方がそう呼ばれていた」


「なんだって! では、やはり……」


レオンハルトが深刻な顔つきになった。


「王太子に嫌疑が掛かっているの?」


「いいや。だが……上がこれだけ庇っている相手だ。しかも、回廊の先にあったのは末の王太子が滞在している宮殿……リオネル、怖かっただろう。私が常にそばにいる。安心してくれ」


ハシバミ色の瞳が僕をまっすぐに見つめる。

心配してくれている気持ちが伝わってくる。


「だけど、レオンハルトには大切な仕事が」


「リオネルのほうが大事だ。四年前は助けられなかった。でも、今なら……」


「……っ!」


その先を聞くのが怖くて、目を伏せた。


「あ、あのっ! レオンハルトが行った調査の結果は?」


話を逸らす。


「……ヴォルン院長からは、まだ返事がない。首都セラフィオン王国監査院グレイヴ院長の筆跡の件もまだだ。アーロンは、四年前の報告書の魔法が解けずにいる」


「そうなの。時間が掛かるんだね」


「アーロンはともかく、ヴォルン院長には再度確認をとってみるよ。舞踏会の件に掛かりすぎて忘れていた。思い出させてくれてありがとう」


そう言って、レオンハルトはすぐに出掛けていった。


「ふううーっ……」


アーロンという婚約者がいるのに――。

レオンハルトの真意が、まるでわからない。


しかし、カーヴェル副院長との仲が本当だとしたら――。


レオンハルトは他のアルファと同じように、同時に何人も愛せる男なのだろうか。


「それでも、僕は彼が……」


胸の痛みとともに、レオンハルトをどれほど愛しているのか――

その恋心の深さに、僕は驚かされていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。