表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/3

第2話 炊飯器を買おう

 無洗米が届くかもということで先に米びつを買っていた。最悪、届かなくても他の使用用途はいくらでもある。


 実際に無洗米が届いたのはいいのだが、俺は自炊するにしても深鍋でひとり鍋をすることが多い。その〆用にパックご飯がかなりの量常備されている。


「……というか、これだと炊飯器からなんだよな……」


 炊飯器がどれがどういいかはわからない。今時はそういう情報はブラウザで調べても生成AIに聞いても瞬時にわかる。さらに、実際の使用感は動画サイトをみればある程度の意見がわかる。とりあえず、家電量販店に行こう。


 届いてから少し経った今日あの無洗米を食べたい。車を走らせて縦に長いショッピングモールに向かった。


 このショッピングモールの5階に家電量販店がある。道中、車の中で動画サイトで炊飯器レビューのプレイリストを流していた。だいたいの動画投稿者は『極炊米(キワミタキコメ)』を勧めていた。


 5階なのでエレベーターを待っている間に、生成AIで『極炊米』の情報を調べた。AIの言っている言葉の意味がわからない。文章の中のこれってどういうこと? と聞いても同じような言葉を返してくる。


 5階についた頃にはブラウザで調べた情報を信じることにした。それでも『極炊米』が炊き込みご飯をすることも含めればひとり暮らしの人に1番オススメらしい。


 家電量販店に入ると店員さんが暇そうに炊飯器コーナーの近くで談笑していた。別に構わない。俺だって小休憩は仕事中にしている。ただ、話している内容が下品だった。今日はここで買うが今後は避けよう。それはさておき、炊飯器だ。


 極炊米。


 この家電量販店でも特集されていた。エレベーター内で調べたまとめサイトとポップでわかりやすかった。


「えっと、3合炊きの炊飯器は……」


 極炊米という炊飯器は国産のロープライスを目指して作られている。実際、国産メーカーの中では格安だが、海外メーカーと比較すれば割高くらいの値段だった。


「これで美味しいご飯が食べれるなら……」


 ボソッとつぶやいてレジに向かった。ここの家電量販店のオンラインショップをよく使っていたので、ポイントが貯まっていたから実質2000円だった。


 帰りの車では音楽アプリで『米に合う歌』というプレイリストがあったのでそれを流した。アニソンや子ども向けの歌ばかりかと思っていたが、よく見ればASAMADe+(アサマデ)などの割と有名なアイドルソングもある。


「意外とノリがいいな、電波ばかりじゃないな」


 家に帰り、時間は15時だった。炊飯器を通電して説明書を読み、釜を洗った。本当は夜ご飯に米を炊くべきだろう。


 ただ、どうしても、新しい物を買うとウズウズしてしまう。釜をキッチンペーパーで水分を取り、米びつから2合分の米を取り出した。


 炊飯器で米を炊くのは俺の23歳の人生で初だ。釜の中の大量の線が意味わからない。


「なんで2合炊くのにエコ炊きと早炊きとおかゆで水の量が違うんだ?」


 この頃はすでにカーテンもしっかりサイズがあっている物を選んで家にいる時は全閉で家に出る時は全開だ。窓は流石に閉めてはいる。


「……あれ? 家出る時と夜に閉めて家にいる時に全開でいいのでは? そもそもある程度は磨りガラスだし」


 2合のお米が炊けるのを待っていた。その間に炊飯器のダンボールや散らかっている物を片付けた。


 家電量販店までの運転や初めての本格的な自炊で疲れたのだろう。肩もこの前の老人の来客以降かなり凝っている。結果として少しウトウトした。


 この間、俺に無洗米を買ってくれた老人がニコニコ笑っているように見える。そして、脳内に直接声が聞こえた。


「お前はこれでうまいコメが食える」

 

第3話 老人の正体

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ