7/8
7.誰も気づかない(5)
変わってしまったお姉ちゃんと、気づかないままのお母さん、そして、怖いもののそれは、カタカタ震えている私に気づかないみたいに普通の会話をしてる。
お母さんは、私が何も言葉を返さないことに怒ってしまって、呆れた風に、大きく肩を上げるようにして大げさにため息をつくと、おもむろにカレーを静かに食べ始める。
―-その横では、お姉ちゃんがすごい勢いでカレーをかきこみ、唾なのかカレーなのかご飯粒なのかよく解らないけれどあらゆるものを横のお母さんに飛ばしているのに、お母さんは全く気にしていなくて、身体の左半分をべたべたにした状態のまま、静かにカレーを食べている。
泣きそうになりながら、そんな目の前の状態に耐えて、私は、下を向いて。




