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8. 誰もきづかない(6)
―—お前、おもしろい
下を向いた私に突然そんな声が聞こえて、私は思わずバッと顔を上げる。しまった。と思った時にはもう既に遅くて、変わってしまったお姉ちゃんじゃないお姉ちゃんが、怖いぐらいに目をぐわっと開けて、私側に身を乗り出して私を数センチの距離でじぃっと見つめていた。
怖くて、思わず見つめている目から目線を外してお姉ちゃんの口元を見ると、飛び散ったカレーのご飯粒がお姉ちゃんの口の周りにくっついていて、更に泣きそうになる。
ふぅむ。という感じで、私の様子に変わったお姉ちゃんじゃないお姉ちゃんは、何かを思ったらしく、ぐいっと顔を私から外すと、とんっと、椅子の上に座り直すと、突然ボウンッと椅子から正座の状態で跳ね上がった。
「!!!」
私以外、誰も驚いていない。お母さんは、平然とした様子で、カレーをもくもくと食べ続けている。
―—お前、我のともだちになれ




