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銀河のドラゴンスレイヤー  作者: 藍沢洗
【鼓動編】 第4章 悲しき戦い
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33 ファーストアタック

 ◇ ◇ ◇


 シグルドに武器を構えさせながら、ミソラは注意深く相手の様子を伺った。


 宇宙怪獣は、かつてミソラたちが戦ったバッタ型に酷似していた。しかし、シグルドβと融合したからか、以前にはなかった器官や触手を生やしている。

 おそらくは、なにかしらの攻撃に使うものだろう。


 前の時点で、コイツの強さはカテゴリー5と認定されていたけど…

 前よりも強力になったって考えた方が良さそうね。


 ミソラはそう推測した。

 弱くなってくれていればそれに超したことはないが、何事も最悪の事態を考えておくべきである。


 もちろん、こちら側のシグルドだって変化はしている。

 武装面やスペック面では以前の戦闘から特に強化はされていないが、制御系にクロウという人間の意識があるのだ。

 クロウがシグルドの一部になってから、目に見えて機体の反応は上昇していた。


 以前やられたような不意打ちに関しても、もう引っかかる気はない。

 あとは…


「アイン、ツヴァイ」


「なにかしら…?」


 ミソラの呼びかけに、アインが反応する。

 触手攻撃を受けていた彼女たちは、宇宙怪獣から距離を取り、現在は武器を持って追ってきた触手の処理をしていた。


「お願いがあるんだけど。いい?」


「…内容による」


「アタシはこれからこの宇宙怪獣と戦闘に入る。それで2人にはできるだけ戦闘に巻き込まれないようにしてほしいの」


「それは…私たちの援護は不要ということ?」


「そうまでは言ってない…けど、自分の機体の安全を第一に考えて欲しい」


「ミソラは、1人で平気なの?」


「ええ、大丈夫よ。アタシの腕を信じてほしい」


「…わかった。私たちはあなたと比べて実力に劣る。足手まといにならないようにするわ」


「ありがとう」


「では、幸運を」


 通信を切り、ミソラは息を整えた。


「大丈夫よ。2人とも…アタシは、1人じゃないから」


 そして、そうつぶやくと。

 レバーを力強く握った。


 ◇ ◇ ◇


 先に動いたのは、シグルドだった。

 機体が急加速でバッタ型へと飛びかかる。


 バッタ型は、新たに生やした触手を展開した。

 16本ほどの強大な房が、シグルドを取り囲むように広がっていく。

 シグルドが本体にたどり着く前に、迎撃を試みようとしているようだった。


 だが、宇宙怪獣の狙いははずれた。

 シグルドが途中でさらに加速をしたことにより、迎撃ポイントがずれたのだ。


 触手たちは、機体を背後から襲おうとするが、今度は他の触手とぶつかり合い、動きを制限される。


 その隙に、一気に宇宙怪獣の懐まで入り込んだシグルドは、ブレードの切っ先をバッタ型の中心部へと突き刺そうとした。

 それは、シグルドβのコクピットがあったあたりである。


「ミソラ!」


 モニターに文字が浮かぶ。

 それを確認する前に、シグルドは機体を90度縦に旋回させる。


 同時に、機体の脇を触手が通り過ぎていった。

 それは宇宙怪獣がシグルドの攻撃に合わせて、カウンターで用意した一撃であった。


 だが、ミソラとクロウはその攻撃をすでに読んでいた。

 むしろ、この攻撃をわざと行わせる為に、ブレード一本で捨て身の攻撃をしているかのように見せかけていたのだ。


 触手を避けたシグルドは右腕を振るった。

 ブレードの切っ先が、バッタ型の特徴である2本の房のうちの1つを切り裂いた。

 続いて、もう1つの房にもブレードを突き刺そうとするが。

 ブレードの先端が、房へと届く前に、刃がはじかれる。


「…っ!」


 シグルドβに搭載されたレーザーブレードを、バッタ型から生えた触手が持ち、シグルドの攻撃を防いだのだ。


「…器用なこと、するわね!」


 攻撃がそれたことに、舌打ちをしながら。

 ミソラはもう一度ブレードを振り、ブレードを持った触手を本体から切り離す。


 そうして、再び房へと攻撃を放とうするが。


「時間だ!」


 モニターに表示された文字を見て、ミソラは宇宙怪獣から機体を引き離した。

 直後、シグルドがいた場所に、大量の触手が殺到する。


 はじめに展開された触手が、ミソラたちに追いついたのだった。


 間一髪のところで、攻撃を逃れたミソラたちは、機体をバッタ型から離れるように動かしていた。


 同時に、今の戦闘で得た敵のデータを、記録していく。


 まず、最初の一撃は成功。

 でも、触手の他に警戒しなければいけないものが増えたわね。


 相手はシグルドの武装を使ってくる。しかも、触手を手足の代わりに使って。


「不意打ちで使ってくることが予想される。注意していこう」


「ええ、わかってる!」


 クロウからのアドバイスを読みながら、ミソラは答える。

 彼女が答えている間にも、クロウは敵の行動予測と、その対策案を構築していた。その全てに目を通しながら、ミソラは次の攻撃案を考える。


「よし、それで行こう」


 思考を読み取ったクロウから、ゴーサインが出たことを確認して、ミソラは機体を宇宙怪獣の方へと向けた。


 序盤の戦闘は、シグルド優位に進んでいた。











・宇宙怪獣【バッタ型】については、【始動編】6~7話を御覧ください。

・作品のご感想お待ちしてます! また、ブクマ登録・評価をいただけると泣いて喜びます。

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