第五十話 「異世界の定番ボス登場」
遅くなりました。
今回は、字下げしてみました。
魔法陣が現れたのに魔物が出てこない。召喚に時間が掛かっているのかもしれん。
黙って待つ程、お人好しではない。
「皆、普通の召喚とは違う様じゃ。準備をして待つぞ。」
「はい(~)。」 × 6
皆に声をかけてから個別に指示を出す。
まずはアリスからじゃ。
「アリスは、水の壁を複数作ってくれ。頼むぞ。」
「はい。タケル様。」
わしの指示でアリスが水魔法を高めていく。竜族のブレス対策を用意せねばなるまい。
次は、ラルチェじゃ。
「ラルチェは、防御に徹しろ。まずは、様子見じゃ。」
「はい~。タケル様~。」
声は明るく軽いが真剣な顔でラルチェが大盾をしっかり構えている。今回は、パティーの盾としてしっかり皆を守ってもらいたい。
3番目は、メルじゃな。
「メルは、これから出来る水の壁や土の壁に待機じゃ。臨機応変に動いてくれ。」
「かしこまりました。タケル様。」
返事をしてアイテムの確認をする。パティー最速のメルなら遊撃から回復までこなしてもらう。
4番目は、エリザベスじゃ。
「エリザベス。光魔法を準備して壁にわしの指示を待て。絶対に飛び出すな。」
「えっ。あっ。はい。必ずあなた様の指示に従います。」
どうやらわしの指示は以外だったようで驚いている。エリザベスの性格からして、突進しかねないので釘を刺して置いて良かったかもしれん。
5番目は、マリリンじゃ。
「マリリンは、出来るだけ大きな土の壁を作りその後はアリスとオードリーの護衛を頼む。」
「はい。王様。がんばります。」
マリリンは、元気よく返事をして土魔法を高めていく。現れる魔物が予想と違って水属性の攻撃をした場合、水の壁が意味をなさないので念の為、土の壁を作らせた。
最後にオードリーじゃ
「オードリーは、魔物が現れたからそれに合わせて精霊を呼んでほしい。」
「はい。王様。」
淡々と無表情で答える。相変わらず研究対象でないとテンションが低いな。
これで全員に指示を出したな。最近、個別で指示を出していないので一部の女性陣から不満が出ているのを忍頭から報告を受けたので面倒だがしてみた。
毎回やるのは、戦闘にも影響が出る。今回の様に時間があり、緊張した場面でやるのが良い、なにより効果的じゃ。
ちなみ、王妃以降はわしの好感度順に指示を出した。このメンバーなら気にしないかもしれんが何事も絶対はないので指示の順番にも気をつける。
こういう気配りをせねばハーレムは維持できん。
わしは、光魔法を限界まで高め、全員に上級光魔法を使って身体能力を高める。
水の壁が4つ。大きな土の壁が1つが完成すると魔法陣から魔物が現れた。
魔法陣から現したのは、巨大で真っ赤な竜だった。
ーーー看破&鑑定ーーー
魔物 種族:竜族 種:赤竜 属性:火
Lv.85
HP:13000
MP:12000
SP:12000
【能力】【竜鱗強化】Lv.85 【竜のブレス】Lv.85
【竜の咆哮】LV.85 【竜の威厳】Lv.85
【アイテム】竜の宝玉
ーーーーーーーーーーー
※全長15m
現れた赤竜は、首を振ったり、翼をばたつかせたり、尻尾を振っている。
その間に全員水の壁にバラバラに隠れる。
オードリーが水の精霊を呼び全員に水の膜を張る。
ラルチェだけ盾を構えて壁から出て、赤竜を睨む。
ラルチェに気付いた赤竜は、長い舌を出して口を舐める。
大きく息を吸い始めた。
「タケル様~。来ます。」
わしは、【龍の飛翔】を使い、大きく息を吸いながら赤竜の前に移動する。
赤竜を観察すると口の中には火が無かった。
これは、ブレスではない咆哮じゃな。
正面に立つと赤竜の口が大きく開き【竜の咆哮】を使う。
わしも負けずに【龍の咆哮】を使う。
※【龍の咆哮】:聞いた者によって効果が変わる。敵意があると恐慌状態に信頼されていると状態異常が回復する。
【竜の咆哮】:聞いた者を全てを恐慌状態にする。
人間では出せない、巨大な生物だけが許される大音量の咆哮がぶつかり合う。
空気が揺れ、次第に大地が大きく揺れだす。
アリス達は耳を塞いで揺れに耐えている。
赤竜の咆哮中でもわしなら攻撃出来たのだがどうしても咆哮で対抗してしまった。
たぶん、龍としての誇りなのじゃろう。竜には負けたくない。
特に魔物ある目の前の赤竜には絶対に負けぬと心から湧き出してくる。
暫らくすると赤竜の【竜の咆哮】が先に終わる。うむ。どうやら咆哮勝負に勝った。
赤竜はあっけにとられている。
わしは、勝ち誇った顔で赤竜の鼻の上に降り立つ。
さて、どちらが上か決めねばなるまい。
レベルが80になった時覚えた、4番目の固有【能力】:【龍の威厳】を使う。
プライドが傷ついたようで赤竜は激昂すると【竜の威厳】を使ってわしに対抗する。
※【龍の威厳】:半径100m~2000mに居る者を気絶させる。稀に即死する。
【竜の威厳】:半径100m~2000mに居る者を気絶か昏睡させる。
わしは、アリス達に届かない様に気をつけながら赤竜に余裕の笑みを浮かべる。
睨みあう、巨漢の龍タイプの男と巨大な赤竜。
アリス達は壁から顔を出して両者を見る。
物理的には、圧倒的有利な赤竜なのだが今は、何処か押されているように見える。
「タケル様(王様)。頑張ってください。」
声援が聞こえたので右腕を上げて答える。
余裕なわしに対して赤竜は必死に【竜の威厳】を高める事に夢中になっていてわしが腕を上げたのにも気づいていない。
どれ位経ったのでわからない。多分数時間は過ぎている。
今では、完全にわしの【龍の威厳】が勝っている。
このまま押し切っても良いが後1時間は掛かるじゃろう。
ふぅぅ。もう深夜ではないか、腹も減ったし汗も流したい。
そろそろ帰るとするか。
わしは、心友の証を使いラルチェの複合槍を目の前に転移させる。
複合槍を握りしめて構える。
赤竜は、必死にわしの【竜の威厳】を耐えているので複合槍に気付いていない。
両手で複合槍を構えると一気に加速する。
狙いは目じゃ。目からそのまま脳を破壊すれば流石の竜も死ぬじゃろう。
目の前に来て、初めて気付いたのか目を閉じたが遅い。
複合槍は、瞼ごと貫き、ドンドン奥に入って行く。
深々と石突きまで刺さっている。
本来なら赤竜は、痛みで暴れるのかもしれん。しかし、今は、わしの【龍の威厳】で気絶と目覚めを繰り返している。
「さて、止めじゃな。竜は如きに龍は負けんのじゃ。
思い知れ、下等生物!!」
わしは、水の属性を纏わせた爆音のハリセンを大きく振りかぶる。
「これで終わりじゃゃゃゃゃゃ!!!」
複合槍の石突きに目掛けて振りぬく。
ドキューーーーンと奇妙な音ともに複合槍が赤竜の頭を貫通して遠くへ飛でいく。
「わしの勝ちじゃゃやゃゃゃゃゃ!!!!」
「・・・・・・・・・」(シーン)
あれ。ここは、「流石はタケル様ーー」「カッコイイーーー」「抱いてぇぇぇぇ」等々、歓声が上がる場面のはずだが・・・。何も聞こえてこない。
赤竜に上級時魔法を使い、【龍の飛翔】でアリス達の処に戻る。
「それはそれで・・」「ですよねぇぇ・・・・」
どうやら、アリス達は待っている間、お茶会している様じゃた。
はぁぁぁ。信頼されていると思えば嬉しいが何だか切ないのぉぉぉ。
壮絶な睨み合い末、一人で赤竜を倒したのに・・・・・・。
「お前ら何をしているのじゃゃゃ。許せん。
わしから初めてのOSHIOKIじゃゃゃゃゃ」
「えっ。キャーー。タケル様。落ち着いてください。」
広い空間の中、翌朝まで女性達の甘い声が響いていた。




