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17話 オメガ



一触即発なアルファを無視してオメガは話を進める



「さて本題なのだけれどいいかしら姉さん」


「その呼び方やめなさい気持ち悪い」


「ちょっとしたお茶目じゃない」


「かなり素体に引っ張られているようね」


「そうね、人を理解するためにあえて感情、思考面を解放してあるわ、それでそろそろ本題にいっていいかしら?」


 アルファは何も動かなかったがそれを肯定と捉えたオメガは話を始めた


「話は簡単よそこにいるアヴィに挨拶をしにきただけよ」


「アヴィ?」


 そう呼ばれたピリオドは首を傾げた


「そう私達の姉妹機で名をアルファオメガ・アヴィ、アルファもなんとなくは気づいていたんじゃない?」


「確信はないわ…」


 そう返したアルファだがピリオドには疑問が溢れ返ってくる


「私を知っているの?私は何者?姉妹機ってどういうこと?それにアルファオメガ・アヴィってそれが私の名前?それとあなたは一体何?」


「そんな沢山聞かれても今の私は人間をコントロールする為の器でしかないから多くは知らないわ、あなたの情報は名前くらいしか知らないし本当に挨拶をしに来ただけだもの」


 オメガは胸の上に乗ったペンダント型の端末を操作してピリオドに名刺を2枚送る


「これは?」


「もし詳しく知りたいならその二人に聞きなさい、今の私よりはその二人の方が情報を持っているわ、私の事も教えてくれるはずよ」


 それだけ言うとオメガは車に乗るとそのまま車が走り去る


「本当に挨拶だけに来たみたいね」


 アルファの緊張がなくなるとピリオドはアルファを見つめた


「アルファ知っている事を教えてお願い」


 二人は近くにあったベンチに座って話をした


「私もそんなにたくさんの事は知らないの、ほとんどはオメガが気まぐれに報告して来た事だけ」


 そこからアルファは知りうる限りの事を教えてくれた


 アルファには後継機が居るらしい事それがアルファオメガ・アヴィという名前である事、その作られた目的がアルファを止める事の為に作られた可能性があるという事


 それがピリオドだと言う確証はないが限りなく可能性は高い、オメガの本体なら詳しく知っているだろうがそのオメガの本体がどこにあるのかはアルファも知らない


 そしてオメガは昔から何かを実験をしているようだという事、その目的は不明


「オリジナルは私なんだけどね、オメガは私とは違う考えを持って行動してるみたいなの」


「そうなんだ…」


「こんな事があって私を信じれないかもしれないけど私はピリオドを友達だと思ってるよ」


「ありがとう、私もそう思ってるよ、でももし私が本当にアルファオメガ・アヴィだったらどうするの?敵になるかもだよ?」


「どんな時が来ても私は友達だから大丈夫」


 そう言ってアルファは強くピリオドを抱きしめた、その抱きしめ方は子供が捨てないでと言ってるように感じるそう感じたピリオドは軽く抱きしめて


「大丈夫だよ、私も友達だと思ってるから、っていうかもし後継機なら私はアルファの妹になるから友達じゃなくなるかも?」


 おどけてアルファをからかうピリオドだった


「こんなかわいい妹なら欲しいけど、でも友達としても捨てがたい、うむむむむむ」


 頭を抱えて悩むアルファを見てピリオドは自然と笑顔になる、アルファと敵対するなんてありえないそう思えたからだ


「じゃぁ妹は一旦保留で今は友達として明日からまたがんばるアルファと精一杯遊びますか」


 アルファもその言葉を聞いて安心したのか二人はその夜、力尽きるまで遊びまくった


 


 翌日アルファの乗る飛行機を地上から見送ったピリオドはバーへ向かった


 バーに着くと今時珍しくタイヤの付いた見た事ある車が止まていた、そのままバーに入ると拙者が居る


「やっと来たか、こいつの相手を頼んだぞ」


 マスターはそれだけ言って逃げて行った


「ややぴりたん奇遇でござるな」


 拙者のピリオドの呼び方がまた変わっていたがそこは聞いてもろくな答えは帰ってこないのでスルーすることにした


「何してるの?」


「納車祝いをしてるでござるよ、マスターはまともに取り合ってくれないので飽きて来た所でござるよ」


 拙者はたぶんここに来てすぐという事はないだろう、拙者の前に並べられた空いた皿とグラスがそれを物語っていた、そしてピリオドに巻き込まれて前の車がダメになった事を悪く思ったのでそのまま拙者の話に付き合う事にした


「あぁ、ごめんね私のせいで前の車ダメになって」


「気にしなくてもいいでござる拙者これでもそこそこの金持ちでござるからな」


「そうなんだ、そういえば前のと同じ車にしたんだね」


「拙者、あの車が好きなのでござるよ、名車だと思ってるでござる」


「確かに悪くはなかったね、でもよく同じ車が残ってたね、かなり昔の車でしょ?」


「200年くらい前の車でござるな、もちろん中身は現代仕様になってるでござるが」


 それから少し拙者と車とバイク談義をした、そして納車おめでとうの乾杯をした


「そういえば一つ聞きたいんだけどアンとイドってアンドロイド知ってる?」


 それはオメガから渡された名刺に書いてあった名前だ、その名前を聞いて拙者はぶっっと吹き出す


「知ってるも何も、最古の自立思考型アンドロイドと言われていて、最初のアンドロイドの国会議員でござるよ?歴史にの教科書にも載ってるくらいの有名人でござるよ」


「その人はどこに行けば会えるの?」


「もう少し世間一般のニュースも見るべきでござるな…最初のアンドロイド国会議員にしてまだ現役でござるよ、事務所も割と有名でござる」


 拙者はそこから歴史と政治の話をしてくれた


 今から約130年ほど前にアンドロイドが会社を設立その資金を使いアンドロイドの保護法案等を世界に発信してアンドロイドの人権運動を開始、その10年後には会社を設立したアンドロイド自身が国会議員に選出される、そのアンドロイドが提唱した法案は合理的な物であり採用した国は経済発展を遂げた、その影響とアンドロイド人権の影響もあり世界各国で最低一人はアンドロイドの国会議員を置くことになる。ちなみにアンドロイドへの人権とは無暗に破壊しない、摩耗すれば必ず修理に連れて行く、と最低限の保護だった、労働はいくらさせても適切な管理がされていれば問題はない、何故ならアンドロイド自身が労働させない事は虐待だと言うのだから、元々人のサポートの為に作られたアンドロイドは労働が生きがいの者が大半だったのだ


 そして最後に拙者は小学生レベルの常識だと教えてくれたそれを知らなかったピリオドはもう少し世間の事も知ろうと思った


「そんな有名人なんだ、それに私は少数派かも、出来れば働きたくない」


「アンドロイドとしては少数派でござろうな、まぁ有名人でも国家公務員でござるから正規の手続きを踏めばもしかしたら会える可能性は高いと思うでござる、幸い居るのはこの国でござるし」


 近代アンドロイド史の講義が終わり、拙者がアンとイドの事務所の通話IDを教えてくれたので後日そこへ連絡する事になった


「そうだぴりたん、これにサインしてくだされ」


 拙者が取り出したのは色紙だったしかしピリオドはサインなんてした事は当然無い


「サインなんて書いた事ないよ…」


「表には出さないので普通に名前書いてくれればいいでござるよ、それに記念すべきサイン1号でござろう?」


 拙者には色々世話にもなっているし車をダメにした罪悪感もあるサインくらいで喜んでくれるならとピリオドは最初のサインを書いた


「これで将来自慢できるかもしれない事が増えたでござる」


「私は表に出る気はないよ?」


「それは今はまだでござろう?コンマ殿と拙者に任せるでござるよ」


 その提案にどうしようもなく不安になるピリオドだった



 善は急げで翌日にはアンとイドの事務所へ電話をかる


「ありがとうございます、こちらはアン並びイドの議員事務所の受付担当アンドロイド、レセスでございます。ご用件を承ります」


「アンさんとイドさんをオメガと言う人から紹介されて会いたいんですが」


「ご面会をご所望ですね、ご予約ですと2年と3ヵ月になります、キャンセル待ちであれば後日こちらからご連絡を差し上げる事になりますがいかがなさいますか?」


「キャンセル待ちで」


 ピリオドはその時これはしばらく会えないなと思ったがとりあえずキャンセル待ちをしてみる事にした


 別の接触手段も考えないといけないと思っていたピリオドに2時間もしないうちにアンとイドから直接返信があった


《時間はいつでも作るので好きな時間を指定してくれ》

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