16話 完済
ライブ最終日の翌日ピリオドは夢を見ていた
「いつか私の歌を世界中に届けるんだ、だから▍▍▍▍も私についてきてよね!」
たまに見るいつもの夢、またかと思うが今回はその少女の顔がアルファになっていた、夢ってのはずいぶんと適当なんだなと思う、しかし今回はその夢の少女は更に話しかけて来た
「ピリオド、ピーリーオードー」
名前を呼ばれた事に今までの夢との違和感を感じハッ目を開いたピリオドだったが目の前にはまだアルファの顔があった
「おはよう」
「アルファの顔がアップすぎる変な夢だな」
「夢じゃありませーん」
目が覚めたピリオドの目の前にはアルファがいた
「だいたい想像は付くけどどうやってこの部屋に入ったの?」
「コンマに言ったら入るルート教えてくれたよ?」
「やっぱり…」
「おはようございます先輩」
いつもの私は当然の事をしたまでですという態度でコンマは浮いていた、ただの球体のはずのコンマの表情が最近はわかるようになってきた気がする
「ところでアルファは何しに来たの?」
「休日の友達の所に遊びに来ただけだよ?」
何あたりまえの事を聞いてるのという態度のアルファ、それに同調したようにコンマも何当たり前の事聞いてるんですか?という態度だった
普通の友達として接してくれるのは嬉しいがスーパースターとも呼べるアルファが普通に家に尋ねて来るのは複雑な心境だった
振り回されるのは少しなれたピリオドだがそれでも少し溜息が漏れる。とりあえず起き上がるピリオド
「おはよう、お寝坊さん」
「今日は予定がないからダラダラ過ごすはずだったのに」
そう言ってお茶の準備を始める、その間にアルファは部屋の中を見回す
「ここがピリオドの部屋か~綺麗にしてるんだね」
「何もないだけだよ」
「でもなんか居心地いいよ」
ソファーに座るアルファにお茶を出すとピリオドはご飯をどうするか聞く
「ご飯はどうする?いるならついでに作るけど」
「もちろん頂くよ、今話題の覆面美少女の手料理を逃すなんてもったいない」
「何それ…」
「ニュース見てないの?ほら」
アルファが見せてくれた画面には昨日のライブの記事と共に覆面美少女の記事が乗っていた、そこには関連記事として70万件と表示されていた
「これアルファのライブだからじゃない?」
「私の普段のライブなら関連記事20万件くらいだよ、それより50万件も多いんだから話題性がすごいよ」
「それでも所詮アルファの付属品扱いでしょたまたまだよ」
ピリオドは実感がないのでその場は流したが実際の世界中の話題はアルファのライブに出たピリオドに集中していた
ピリオドに近づこうとするものは容赦なく拙者とコンマが排除していたのでピリオドには実感が無かっただけだった
その話題を少し話した後はアルファに朝食と言う名の夕飯を作り振る舞う
「このオムレツおいしいね、ケチャップでハートが付いてれば満点だったけど」
「ハートは有料です」
「ほう、いくらですかな?」
そんな馬鹿話をしながら初めて自宅で誰かと一緒に食事をした
食事が終わるとこれからの事について話し合った
「アルファは次はどこへ行くの?」
「地球の反対側かな、着いて来てくれるの?」
「残念ながら着いていきません、そうかぁしばらくは会えなくなるのね、今のうちに行きたい所とかある?」
「そうだなまたピリオドと一緒にドライブでもしたいかな?」
「そんな事でいいの?」
「私にとっては大切な時間だよ」
とてもいい笑顔でそう言われると悪い気はしないので早速準備をしてベランダから二人で飛び降りバイクに乗った
バイクを走らせるとピリオドが思い出したように言う
「そうだ少し寄りたい所があるから寄っていい?」
「別にいいよー特に目的地もないからね、それでどこへ行くの?」
「支払いがあるからそれをしに行くだけ、借金はなるべく早く返したいからね」
「了解」
オヤジさんの所へ向うといつものようにバイクを止め、工場に顔を出す、興味津々なアルファも後ろを着いて来た
今回は端末の前で寝落ちしているようだった、ゆっくりと近づき臭いを確認する、あまり臭いはしなかったので最近お風呂には入ったのだろう
「おやじさん」
寝ているおやじさんに声を掛けて起こす
「おぉ嬢ちゃんか、今日はどうした?」
「これお金」
差し出したお金を確認するオヤジさん
「今回は多いな、無理してねぇか?」
「大丈夫、しっかり生活出来る分は別に置いてるから」
「それじゃありがたく受け取るわ」
そのやり取りをした後にオヤジさんが一緒にいるアルファに気が付く
「なんだ嬢ちゃんの友達か?」
「うん、これから遊びに行くの」
「そうか楽しんで来いよ」
するとアルファが寄って来る
「私もバイク欲しいな」
その一言に火が付いたオヤジさんが怒涛の如くアルファにバイクを進めだした、始まると長い事を知っているピリオドはアルファには悪いと思いつつ避難して3人分のお茶を入れた
オヤジさんの勢いも収まってきた頃にはアルファは進められるままにバイクを買う事になったようだった、話が終わるとオヤジさんはいい笑顔で送り出してくれた
「すごい人だったね情熱に押されて思わずバイク買っちゃったよ」
「まぁ私も最初似たような感じだったよ私はお金なくて即決できなかったけど、でもおやじさんの肩を持つわけじゃないけどバイクに関しては信頼してるよ、たぶん今回のもアルファに合った物だと思うし」
「そうだねぇ世界中移動する事を伝えたらそれを汲んでくれていいものを進めてくれたよ、でも私もまだまだだなぁ」
「なんで?」
「おやじさん?私の事知らなかったみたいだし…」
「あぁオヤジさんはバイクは些細な違いでも気づくけど、人の顔はほとんど変わらいない様に見えるみたいだし、私だって顔覚えてもらうのに半年かかったよ、まぁ相手が悪いよ」
「それは慰めになるの?」
「たぶん?」
後日気づくことになるのだがこの時アルファはピリオドの借金を全て払ってくれていた。ピリオドが海外にいるアルファに問いただすとライブの舞台に出てくれて話題を作ってくれたボーナスだと言われた、正直これでも全然足りないくらいらしいので何か欲しい物があったら言ってねと言われたが特に思いつかないピリオドはこれで十分と感謝だけを返信した
二人は夜のドライブを楽しんでいた、交わす言葉はライブの感想だったり、アルファの買ったバイクの事だったり、少しずつだが二人の話題は増えていった
そんなドライブの途中で海が見える公園で休憩している時だった
1台の黒塗りの車が止まり後部座席から降りた人がこちらへ近づいて来る
その人が近づくにつれて、容姿がわかる。見た目の年齢は20台後半、出るところは出ていて締まる所は締まっている服装はこの場に似合わない肌の露出の多いドレスで美女と呼ぶのに躊躇はしないくらいには美人だった
しかしその人が外骨格を装着しているのに気づき警戒態勢を取る
「久しぶりね姉さん」
こちらに近づいて来た美女はアルファにそう話しかけるがその人はどう考えても人間だったし見た目ではアルファの方が幼い
「もしかしてオメガ?」
「そうよ、今はこの体を借りてるの」
「悪趣味ね、何しに来たの?」
「それよりまずは挨拶をさせて初めましての子がいるんだから」
オメガと呼ばれた人はピリオドに向き直り丁寧に頭を下げる
「私はアルファバックアップオメガ、そこにいるアルファの妹よオメガって呼んでね、あぁそんなに警戒しないでこの外骨格は戦闘用じゃなくて体を動かす為のただの補助だから」
そう言われても警戒を解けないピリオドだった、何故ならアルファの表情が厳めしいままだったからだ
「それで何をしに来たの?」
表情を崩さずアルファはオメガに聞く
「そうねぇこういうのはどうかしら?この度世界を滅ぼす事にしたのでご挨拶に参りましたおねぇ様」
とんでもない表明にピリオドはきょとんとする
「笑えないんだけど?」
「もう笑ってよ、今日はエイプリルフールなんだから、あらもう終わったかしら?それに素体のこの子はこういう冗談が好きみたいなのそれに合わせてみたの」
余裕の表情を崩さないオメガをアルファは睨んでいた
昨日の夜投稿したつもりが投稿されてなかった…




