第五章 真相告白
トボトボと歩きながら、重い空気を割くように立希が声をかけた。
「あなたといると京都中の店を出禁になるね」
「俺のせい!?……いや、俺のせい……か」
立希と六郎は前回同様、近くの公園に移動し、二人でベンチに座り先程の彩の話を思い出す。
「彩さん、あなたに止めてもらいたかったんですね。結婚」
「……」
「片手間や罰ゲームで保険かけた告白しておいて、そりゃあフラれても文句ないですね。それならフラれても言い訳できるし」
「……」
「散々情けないことしておいて、彩さんから差し出された手を握らず叩いて駆け落ちも断ったらそりゃあ、ねえ。どのツラ下げて余り者同士結婚、て感じですね」
もうやめてよォ!と耳を塞ぎ、六郎は情けないことこの上ない姿を見せる。立希ははぁ、とため息をついて、
「なんで彩さんもこんな人が良いのかなぁ」
「えっ」六郎が顔を上げる。
「だから、『自分と駆け落ちして欲しい』、なんて、全てを投げ打った彩さんからの逆プロポーズじゃないですか。なんで断っちゃうかなぁ」
「あ、あれは……峰子女史と嫁姑になりたくないから藤龍院には嫁ぎたくない、てことだと……」
「ド阿呆ですね」
にべもなく切り捨てる。
「あなたがそんなド阿呆だから、彩さんもやけくそで誠一との婚約受けちゃったんですよ」
それで見かねた誠一が穏便に婚約破棄するために、私との偽装結婚をする羽目になった───。
「どいつもこいつも、ド阿呆ばかりです」
立希は頭をガリガリ搔き、立ち上がって六郎に向き直ると、
「さっきタイマンで勝負せぇ、って言ってましたよね?じゃあしませんか?タイマン。登場人物全員アホです。だから最後に、全員大恥かいて逝っちゃいましょうよ」
はぁ?と困惑の目を向ける六郎。立希は含み笑いをしたのち言い放った。
「実はですね。私、誠一に雇われただけの偽の婚約者なんですよ」




