生徒会長3
この物語の構成は、名前「」と言ったもの以外はセリフではありません。
先生「試合開始!」
そんな合図と共に、俺らは同時に動き出した。
ラケットをギュッと握りしめ、サーブを放つ。
朔「まずは試しに……だ」
サーブで相手がどんなもんか探る…。
少しぐらい苦戦してくれたらいいけど……そう思っていたが思いのほか余裕で俺のサーブを返してきた。
だがあまり力を出していないサーブ…。
朔「このぐらいは流石に返してくるか……"体力テスト第一位"さんよぉ!」
煽り口調でそう言う。
真央「ふっ…その油断がいつまで続くんでしょうか!」
なるほど……煽り口調で返してきたか…。
温厚な奴かと思ったが、勝負事となると話が変わるのか…
そのまま俺らはひたすら球を打った。
その間…一回も地面に球が落ちることはなかった。
……………体が温まってきたからな……。
朔「そろそろだな…」
小声でそう呟いた。
その瞬間俺はラケットを握る手を一気に強めた。
朔「ほっ!」
音速にも近い球が真央の真横を抜けて、ドーンという音を立てて地面に着地した。
生徒1「なになに!?」
生徒2「今の球ヤバくなかった?」
生徒3「球が地面に当たる音じゃない…」
あ………やっべ、やらかした…。
気分が乗って力を加えてしまった。
騒ぎを聞きつけた他の生徒たちが集まってくる。
その中には当然叶美もいる。
真央「今のは凄まじかったです…素直に尊敬します」
真央はラケットを再度構える。
真央「ですが、私もまだまだこれからです!」
………すごいな…今のを見て戦意喪失するんじゃなく、立ち向かってくるとは…まるで勇者だな。
俺も、真央に対して尊敬の念を抱いた。
ーーだからこそ、終わるのが惜しい。
朔「よっとッ!」
サーブの球にラケットが当たった。
すると、何かが破裂したような音がした。
朔「ん…?なんだこの音………」
自分のラケットを見た。
あ……っと思わず口にこぼしたくなるほどの悲惨な様子だった。
球諸共逝った。
朔「真央……すまない…試合終了だ」
申し訳なさそうな顔で言う。
真央は気を張った顔を柔らかくしながら、こっちに近づいてくる。
真央「そのラケット元々ボロボロだったのでしょうか…?それに球も……」
お…都合がいい勘違いをしてくれているな。
でも周りに人が集まってきている……面倒だ。
生徒1「せ、生徒会長…?」
生徒2「今までは手を抜いていたってことですか?」
ヤバい……怖がらせてしまった…。
これはまた別のレッテルを貼られてしまう…
集まっていた生徒たちが俺を囲んできた。
叶美は懐疑と焦燥の顔をしながらこちらを見つめて、決して近づいてくることはなかった……。
先生「おい八神、恵南、大丈夫だったか…?」
集まっている生徒たちを掻き分けながら、先生が心配で近づいてきた。
先生「それになんでお前らこんなに集まってるんだ」
先生は顔を強張らせながら、周りにいる生徒たちを見やる。
んま…当然だな。
はあ、余計めんどくさいことになった。
授業までは残り……お、もう少しで鳴るな。
ていうかこいつら全然時間見てねぇ。
先生も先生で何故か説教する雰囲気だし、生徒も俺のことが気になってるのか知らんがめちゃくちゃ見てくるし…。
ーーキーンコーンカーンコーン
その瞬間チャイムの音が鳴り響く。
これがこの状況を打破する絶好の好機だと思い、高らかとここにいる全員に聞こえる声で学校の方向を見ながらこう話始める。
朔「あーもうチャイムなっちゃったかぁ…早く教室戻らないとな〜……それに次は移動教室だし、遅れたら全員で説教バーティだ。でも次の授業の先生も分かってくれそうだし、多少は大丈夫そうだけど…それでも"評価"は下がるだろうなぁ〜…次の授業まで10分はあるし、これでもし遅れたりしたら"時間も守れないクラス"という印象が強まるなぁ、でもでもでも、教室に戻って準備する時間もあるし、これで遅れても先生はしょうがないで許してくれそうな気がするけどな…でも俺は確実に成績に響かない方を取るぜ」
そう言いながら学校に向かう。
後ろの方で、生徒たちも一斉に戻ってくる音がしたが、気にせず移動した。
ーーーーそして昼休み。
叶美が俺の方に歩いて来て机を叩いた。
朔「なんだよ……いきなり、てかご飯食べろよ」
叶美は眉にしわを寄せながら、俺のことを指差しながらこう続けた。
叶美「アンタ…さっきのプレイは一体何なのよ……!」
声を震わしながら怒りの声で紡いだ。
声をいきなり出したと思ったら、次は顔を下に向け…次に真央を見て俺の方を見た。
叶美「どうやったら、真央に運動で勝てるのよ!」
少し涙を含んだ目で俺の方をじっと見つめて来て、数秒が経過した。
………悔しそうだ。
朔「お前に真央とどんな因果があるんだよ」
叶美は更に真剣な表情になり、
叶美「私が体力テスト…学年二位なのよ……」
俺は思わず頬に空気を溜めながら「ぷっ!」と笑いながらこう言った。
朔「お前いつも二位だな…!」
煽りにも、匹敵するようなそんな口調に頬をふっくらさせながら………
叶美「むぅ……黙りなさい…」
俺はそんな言葉にまた笑う。
口元を抑えながら、何とかいつもの表情を取り戻していく。
そうして、一旦深呼吸をし…自分を落ち着かせる。
朔「あ………」
何かを思い出したかの仕草をしつつ、席を立った。
叶美は頭にハテナを浮かべた表情でこちらを見つめている。
朔「ちょっと生徒会室に行ってくるわ」
そう言って、教室からそそくさと出る。
青い廊下に青い壁、曲がり角を曲がり、階段を降り、そしてまた曲がる……。
そして……とある一室の扉を開く。
ーーそこには…。
???「あら、今更いいご身分じゃない?」
そこには、黒髪、紫色の目…いかにもお嬢様な雰囲気の少女が……立っていた。
今回のこのストーリーは、現実世界とファンタジーが交差する物語となっております。これからもバンバン話を投稿していく予定なので見て頂けると幸いです。




