第二ボタン。
私はちょっとドキドキしながら待ち合わせの場所に向かった。どんな顔をして行けばいいのかわからなかったから。何よりも、私がどうしたいのか、はっきりしてないのよね。
「お待たせ。」
見覚えのある後ろ姿に声をかけるとコウキが振り返った。
そのままコウキの自転車に2人乗りでパティスリーに向かう。
よく、こうして後ろに乗せてもらっていたことを懐かしく思い出す。なんとなく付き合ってみたけど、優しいから居心地は良かったな。
「ねえ、どんなお店?」
「バイキングできるところ。」
バイキングと聞いて、思わず声を上げてしまった私。日本のケーキの方が甘すぎなくて美味しいんだもの。
パティスリーに着いて、メニューを見た瞬間、私は今日の本題をすっかり忘れてしまうくらい有頂天になって、思いっきりガツガツとケーキを堪能。だって理性が吹っ飛ぶくらい、可愛くておいしかったんだもの。コウキはビックリしていたみたいね。
パティスリーを出るころにようやく本題を思い出して、憂鬱になった。今日は楽しかったわよ?でも、付き合うかどうかって考えると、私の気持ちははっきりしていないままだから。
そうこうしているうちに、また二人乗りをして、公園に着いた。ベンチに座るとコウキがペットボトルのお茶を差し出して隣に座る。
そしてコウキが差し出したのは、第二ボタンだった。界英の男の子の第二ボタンというのは、私たちの高校ではある意味でステイタスで、今日は学校を抜けだしてもらいに行った子達がたくさんいる。
その第二ボタンが目の前に差し出されている。興味がそれほどなかったとはいえ、ちょっと憧れていたのも本音。でも、これを受け取る資格は私にはない気がする。




