表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/28

モンブランと恋。

次に出てきたのは薄茶色のクリームにホイップが乗ったモンブラン。智也は俺におすすめを一通り食べさせたいのか、メニューを俺に渡すことなくオーダーしている。まあ、嫌いなものも特にないし、おごってもらうんだから、いいけど。黄色いクリームのモンプランを見慣れているだけに意外だな。俺が知っているモンブランは、大きなカップケーキみたいな生地の上に黄色いクリームがうずたかく盛られ、てっぺんに栗が乗っているものだが、目の前にあるそれは、いたって小ぶりである。乗っている栗も黄色くない。

「モンブランって黄色いのじゃなかったか?」

「そういうのもあるが、俺はコレをおすすめしたい。まあ、食え。」

「はい…。」

フォークを刺すとコツンと軽い音がした。この音はスポンジじゃないな。よく見ると、台座がタルトだ。ふーん。こういうのもあるのか。

フォークに取った断面を見ると、薄茶色のクリームとホイップ、スポンジがきれいに層になっている。俺の知っているモンブランとはずいぶん違うな。

「このクリームや生地のバランスが美味さを左右する。それぞれのクリームの甘さのバランスが気に入っているんだ。これがまた生地との相性も絶品なんだよ。それにな、コウキ。この組み合わせだからこそ、台座のタルトが活きるんだ。いいか、お互いの気持ちのバランスが合ってこそ、うまく行くと思うぞ。」

「ふむ。なるほどな。」

その後もショートケーキだの、なんとかタルトだのクラシックショコラだのとおすすめが出てくる度に講釈を聞かされたが、つまりバランスを大事にしろと言いたいらしい。


「じゃあな。残りの日程も頑張ろうぜ!」

智也に礼を言うと、智也はそう言って自転車で颯爽と走っていった。

さんざんケーキで例え話を聞かされ、傷口が広がることはなかったが、腹の皮は広がったな。颯爽としていた智也に反して、俺は晩飯が食えないかもしれないくらいに腹いっぱいになった。重い腹を支えるようにサドルにまたがる。もし美玲を連れてきたら喜ぶかもしれない。

少し薄暗くなってきた道を家へと向かう。智也の講釈はある意味、参考になったような気もするが。まあ、気分転換にはなったな。

甘いものを補給しすぎてぼんやりしているところへ、少し先で視点が止まった。あれはもしかして!

「み、美玲!」

思わず声に出すと、その人影は振り返り、声を発した。

「こ、コウキ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ