浮気の兆候
私は、不倫というものは、テレビドラマの中のものと思っていた。
だからこそ、気づくのが遅すぎた。
子供を出産してから、夫の朝帰りが増えた。
夫は、建築士として開業し、勤務時間はない。
ある朝、夫がボディソープの香りをさせて帰宅した。
私は、冗談半分で
「お風呂に入ってきたの?浮気した?」
と、尋ねる。
「仕事仲間とサウナに行ってた。」
私は、この言葉を素直に信じた。
後に、浮気相手と会ったとき、ボディソープを使わず、シャワーを浴びるだけの夫に疑問を持っていたという。
浮気相手は、結婚していたことを知らなかった。
夫の仕事仲間からは、
「毎週末、事務所の駐車場に車を停めるから困る。」
と、言われた。
週末は、帰らないことが多い。
最近は、夜の方が仕事が捗る《はかどる》と言っていたから、朝帰りに何の疑問も持っていなかった。
夫に伝えると、飲みに行く時に、1度停めただけと聞かされて、納得した。
子供を産んだばかりの私は、夫がいない方が楽で、深く追求することはしなかった。
「もし、浮気したら、高い指輪買ってもらうから。」
浮気を疑わない私は、そんな冗談を言えていた。
路上駐車でレッカー移動した車の引き取りの身代わりを頼まれたことがあった。
それは、夫の仕事仲間の事務所の近くだった。
仕事仲間が言っていた、毎週末に車を停めるというのは、事実だと悟る。
仕事仲間が私に電話をしたことで、その駐車場に車を停めず、駐車違反を犯した。
子供の調子が悪く、出られる状況ではないことを伝えると夫は、何度か、駐禁で切符を切られていたらしく、免停になったら仕事ができないと、怒って電話を切った。
その後、その駐車場が、浮気相手の家の近くであったことを知る。
浮気相手の家に行った駐車違反の身代わりを私にさせようとして、私が断るとキレる。
私を専業主婦にしたことで、私を所有物とでも思っていたのだろうか。
「紗羅、夫がいない方が楽だと思うけど、そのままにしてたら、浮気相手との時間をどんどん増やしていくよ。
帰りが遅かったり、休みの日に旦那がどこかに行く時は、ウソでも、『寂しい。』って、言った方がいいかもね。
そしてね、疑ったらダメ、巧妙に隠そうとして、シッポ出さないから。
泳がせて、漏れ出る事実から、しっかり証拠を掴んで行くんだよ。
夫は妻を自分の所有物と思っているんだから、冷静な対処が必要だよ。」




