愛される努力
彩華は、大好きな兄が結婚してから変わった。
兄の結婚相手は、建築現場で監督をしていた女性。
作業服にヘルメット、家ではスウェットで過ごす。
彩華と正反対の女性だった。
大好きな兄が結婚し、兄にとって2番手となり、彩華の価値観は変わった。
兄が結婚してしばらくして、彩華は結婚した。
兄の代わりのナイト。
しかし、兄に敵う《かなう》男性など存在するわけがない。
彩華の夫は、高嶺の花の彩華を落とすため、彩華に尽くした。
そして、彩華を手に入れ満足する。
しかし、母となった彩華は、兄の妻のように、身なりに気を使わず、家事と育児に勤しんだ。
私でさえ、彩華の変貌に驚いた。
だから、高嶺の花の彩華を妻に迎えた夫の落胆もわからなくはない。
私は、旦那にもっと愛されたくて旦那に尽くし、結婚してからも、旦那の前では、綺麗でありたいと努力を続けた。
しかし、私が愛して結婚した旦那は、常に私より上位、対等ではなかった。
家事、子育て、仕事に追われて、夫に協力をお願いしても、夫は気が向いた時に、子供の相手をするだけ。
話しかけても、まともに相手をしてくれない。
下手な話をすればバカにされる。
楽しい会話をすることはない。
私は、不満を常に持っていた。
「彩華、愛される努力をしたことある?
私は、自分が努力しないと、誰も私を愛してくれないから、ずっと努力してきたよ。
彩華は、夫に何かをお願いして、断られることなかったよね。
私は、たくさんあるよ。
旦那は、私のために無理をしてくれないから、私が無理をするしかなかった。
家事と育児を頑張って、旦那のシャツにアイロンかける。
言いたいことも我慢し、尽くしているのに、どうして私を否定することしか言えないの?
何が不満なの?
旦那の裏切りのショックは大きかった。
私は、努力しても誰かの1番になることもできないのかな?
今までの努力ってなんだったのかな?
それでも、旦那に愛されたいと思う私は、惨めに見えるかな。」




