離婚
夫の浮気相手から、会いたいと電話が入った。
私は、待ち合わせの場所に向かう。
ホテル内のカフェ。
1人で座る女性に目をやる。
女性が立って会釈をする。
「彩華さんですか?」
「はい。」
私は、浮気相手の向かいに座り、コーヒーを注文する。
どうして夫は、この女性と浮気したのか。
私は、私より若く、綺麗な女性だと思っていた。
その女性は、綺麗でもなければ、オシャレでもない、普通すぎる女性だった。
「私、子供ができました。」
「そう。」
不思議と動揺はしなかった。
「奥様は、どう思われますか?」
私の決めることではない。
「夫は、なんて言ってるの。」
「今のままの関係を望んでいます。」
つまり、夫は浮気相手との関係を続けようとしている。
夫は、彼女の内面に惹かれたのだろうか。
しかし、夫は不倫関係の継続を望んでいる。
「あなたは、どうしたいの?」
「私は、結婚して子供を産みたいです。」
「結婚していることも、名前も、ウソをつかれていたのに?」
「はい。」
「わかったわ。」
私は、そう言って席を立つ。
私は、夫の元に帰る気はない。
離婚の話を進めた。
「紗羅、私には、浮気した夫にチャンスを与えることはできない。
浮気相手は、全てウソをついていた夫と結婚したいって思ってるの。
ただのライバル心で、結婚したいって思ってるのかな?
信じられない人と結婚して、幸せになれるとは思えない。
夫が浮気相手と幸せになるって思えないから、すんなり離婚に踏み切れたのかな。
紗羅は、浮気した旦那が反省したからって、許せる?
夫婦って、信頼関係が無くなったら、終わりだと思うんだよね。
それでも、やり直したいと願うなら、家で毎日、旦那の帰りを待つしかないね。
距離を置いたら、気持ちは離れるだけだよ。
そういうものだと思い込んでいたことが、冷静に考えられるようになるの。
冷静さを持つと、結婚は継続できない。
距離を置いたら、修復は不可能だよ。」




