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異世界で最強の能力を得た俺、ただし発動条件が“拍手喝采”  作者: フィッシュよりビーフが好き


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9/29

第九話 グッズ化の話が来ました


 翌朝。


「おはようございます」


「……おはよう」


 宿屋の食堂。

 俺は死んだ目でパンをかじっていた。

 昨日、空から落ちたのだ。

 精神的にはまだ着地できていない。

 一方。

 リシアは妙に機嫌が良かった。


「昨日の公演、大成功でしたね」


「公演って言うな」


「観客満足度100%でした」


「だから評価システムやめろ」


________________________________________

 すると。

 宿屋の扉が勢いよく開いた。


「失礼します!!」


 入ってきたのは、太った商人だった。

 汗だくである。


「探しましたよ!!」


「誰?」


「私は行商ギルド所属、マルコス!」


 商人は俺の手をガッと握った。


「ぜひ契約を!!」


「何の!?」


________________________________________

 マルコスは机に紙を並べ始めた。


「こちらをご覧ください!」


 そこには。

 俺の雑な似顔絵。

 そして。

【災害級術者まんじゅう】


「商品化されてる!?」


「こちらが現在一番人気です」


「嫌すぎる!!」


 さらに。

【リシア様キラキラ氷菓子】


「なんで私の商品が?」


 リシアが少し嬉しそうだった。


「いや喜ぶなよ!」


________________________________________


「昨日の公演後、爆発的に売れまして!」


 マルコスが興奮している。


「“空飛ぶ災害級”は子供人気が高い!」


「変な二つ名ついてる!」


「さらにこちら!」


 バン!!

【アンコール棒】


「ペンライトだこれ!!」


「振ると光ります!」


「異世界の技術どうなってんの!?」


________________________________________

 すると。

 ピコン。

【関連商品による認知度上昇を確認】


「システムまで乗るな!」


【観客予備軍が増加しています】


「予備軍ってなんだよ!」


 リシアが興味深そうに頷いた。


「なるほど。事前に期待感を高める効果がありますね」


「マーケティング分析始めるな!」


「つまりグッズ展開は有効です」


「順応が早ぇんだよ!」


________________________________________

 マルコスがさらに紙を出す。


「あとこちら、次回公演の案なんですが」


「次回!?」


【“災害級飛行ショー”開催決定!】


「勝手に決定するな!!」


「空中演出、大好評でしたので!」


「俺は死にかけたんだぞ!」


 マルコスは真顔だった。


「なので今回は安全対策として」


「おっ」


「落下地点にクッションを置きます」


「そこじゃねぇ!!」


________________________________________

 リシアが紙を覗き込む。


「……なるほど」


「お前まで読むな」


「客席配置を円形にすれば、全方向から飛行演出を楽しめますね」


「ライブ会場設計すな!」


「あと、着地後に爆発を入れると盛り上がるかと」


「死ぬわ!!」


________________________________________

 すると。

 宿屋の外が急に騒がしくなった。

『来たぞー!!』

『災害級術者だー!!』

『サインくださいー!!』


「何の騒ぎ!?」


 窓を見る。

 人だかり。

 しかも。

 子供たちがアンコール棒を振っていた。


「もう売れてる!!」


 リシアが冷静に分析する。


「……浸透が早いですね」


「文化になり始めてる!!」


________________________________________

 そのとき。

 コンコン。

 宿屋の扉がノックされた。

 開く。

 入ってきたのは、王国魔術師団の兵士だった。


「リシア殿」


「はい」


「王都より通達です」


 兵士は紙を読み上げる。


「“これ以上、辺境で何をしているのか分からない騒ぎを起こす前に、一度帰還せよ”とのことです」


 リシアが少し考える。


「……なるほど」


「理解はしたんだな」


「つまり」


 リシアが真顔で言った。


「王都公演ですね」


「違う違う違う違う!!」


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


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