第二十四話 戦場なのに実況がいる
ボォォォォォォッ!!
炎翼、展開。
「また飛ぶ流れぇぇぇ!?」
戦場。
観客。
魔王軍。
そして。
『飛べー!!』
『空中戦だー!!』
「戦闘をイベント扱いするなぁぁぁ!!」
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だが。
観客が盛り上がるほど、
俺の体は軽くなる。
【飛行演出 起動】
「演出じゃなくて戦闘なんだよ!!」
次の瞬間。
ドォォォォォン!!
俺の体が空へ打ち上がった。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
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『おおおおおおお!!』
観客、大歓声。
しかも。
なぜか最前列に、屋台が増えていた。
「増えてる!?」
『空中戦焼きそば!』
『団長飛行串!』
「戦場で商売するな!!」
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ヴァルガが満足そうに頷く。
バァァァン!!
「納得SEうるさい!!」
「戦場は熱狂してこそだ」
「絶対戦争向いてないだろお前!!」
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一方。
空。
「止まれぇぇぇ!!」
俺は必死に羽ばたいていた。
だが。
今回は違う。
下から歓声が飛ぶたび、
軌道が変わる。
「操縦が観客依存なんだけど!?」
【観客要望を検知】
【急旋回を実行します】
「勝手に決めるなぁぁぁ!!」
グイィィィン!!
「うわぁぁぁぁぁ!?」
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観客、大爆笑。
『すげぇぇぇ!!』
『今の回転やば!!』
『もう一回!!』
「アトラクション扱いぃぃぃ!!」
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一方。
地上ではガルド将軍が本気で困っていた。
「なぜ実況がいる」
「実況?」
シエラが指差す。
丘の上。
そこに。
机。
椅子。
そして。
マイクっぽい魔導具。
「なんでセット組まれてるの!?」
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座っていたのはマルコスだった。
「さぁ始まりました、“北部街道緊急公演”!」
「始めるなぁぁぁ!!」
しかも隣には。
団長。
「なんでいるんですか!?」
団長は死んだ目だった。
「“空気的に座らされた”」
「また断れなかったのか!!」
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マルコスがテンション高く叫ぶ。
「現在、災害級術者が上空を旋回中ー!!」
『うおおおおお!!』
「実況で盛り上げるな!!」
団長が重々しく補足する。
「なお本人は制御できていない模様」
「冷静な解説やめてください!!」
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すると。
ピコン。
【実況効果を確認】
「そんな効果あるの!?」
【観客臨場感 上昇】
「スポーツ中継みたいになるな!!」
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その瞬間。
ガルドの背後で爆発。
ドォォォォォン!!
「今度は何!?」
振り向く。
ヴァルガだった。
「将軍」
「何だ」
「せっかくだ」
ヴァルガがニヤリと笑う。
バァァァン!!
「笑顔SEうるさい!!」
「お前も飛べ」
「嫌だ」
「即答!?」
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だが。
観客が反応した。
『将軍も飛べー!!』
『見たいー!!』
『真面目そうな人が飛ぶの面白そう!!』
「最低な期待値だな!?」
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ガルドは真顔だった。
「断る」
しかし。
パチパチパチ!!
歓声。
熱狂。
空気。
その瞬間。
ピコン。
【“硬派キャラが嫌がる”演出は高評価です】
「分析結果が終わってる!!」
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ガルドの周囲に、
ゴゴゴゴ……と魔力が集まり始める。
「なっ」
シエラが青ざめた。
「まずい」
「え?」
「将軍、意外と観客ウケがいいタイプだ」
「そこにも適性あるの!?」
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観客が叫ぶ。
『将軍ー!!』
『飛べー!!』
『真顔で飛べー!!』
「要求が特殊すぎる!!」
ガルドが歯を食いしばる。
「私は……!」
ゴォォォォォォ!!
魔力暴走。
マントがなびく。
そして。
次の瞬間。
ドォォォォォン!!
ガルド将軍、打ち上がった。
「また増えたぁぁぁぁ!!」
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