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異世界で最強の能力を得た俺、ただし発動条件が“拍手喝采”  作者: フィッシュよりビーフが好き


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第二十四話 戦場なのに実況がいる


 ボォォォォォォッ!!

 炎翼、展開。


「また飛ぶ流れぇぇぇ!?」


 戦場。

 観客。

 魔王軍。

 そして。

『飛べー!!』

『空中戦だー!!』


「戦闘をイベント扱いするなぁぁぁ!!」


________________________________________

 だが。

 観客が盛り上がるほど、

 俺の体は軽くなる。

【飛行演出 起動】


「演出じゃなくて戦闘なんだよ!!」


 次の瞬間。

 ドォォォォォン!!

 俺の体が空へ打ち上がった。


「うわぁぁぁぁぁ!!」


________________________________________

『おおおおおおお!!』

 観客、大歓声。

 しかも。

 なぜか最前列に、屋台が増えていた。


「増えてる!?」


『空中戦焼きそば!』

『団長飛行串!』


「戦場で商売するな!!」


________________________________________

 ヴァルガが満足そうに頷く。

 バァァァン!!


「納得SEうるさい!!」


「戦場は熱狂してこそだ」


「絶対戦争向いてないだろお前!!」


________________________________________

 一方。

 空。


「止まれぇぇぇ!!」


 俺は必死に羽ばたいていた。

 だが。

 今回は違う。

 下から歓声が飛ぶたび、

 軌道が変わる。


「操縦が観客依存なんだけど!?」


【観客要望を検知】

【急旋回を実行します】


「勝手に決めるなぁぁぁ!!」


 グイィィィン!!


「うわぁぁぁぁぁ!?」


________________________________________

 観客、大爆笑。

『すげぇぇぇ!!』

『今の回転やば!!』

『もう一回!!』


「アトラクション扱いぃぃぃ!!」


________________________________________

 一方。

 地上ではガルド将軍が本気で困っていた。


「なぜ実況がいる」


「実況?」


 シエラが指差す。

 丘の上。

 そこに。

 机。

 椅子。

 そして。

 マイクっぽい魔導具。


「なんでセット組まれてるの!?」


________________________________________

 座っていたのはマルコスだった。


「さぁ始まりました、“北部街道緊急公演”!」


「始めるなぁぁぁ!!」


 しかも隣には。

 団長。


「なんでいるんですか!?」


 団長は死んだ目だった。


「“空気的に座らされた”」


「また断れなかったのか!!」


________________________________________

 マルコスがテンション高く叫ぶ。


「現在、災害級術者が上空を旋回中ー!!」


『うおおおおお!!』


「実況で盛り上げるな!!」


 団長が重々しく補足する。


「なお本人は制御できていない模様」


「冷静な解説やめてください!!」


________________________________________

 すると。

 ピコン。

【実況効果を確認】


「そんな効果あるの!?」


【観客臨場感 上昇】


「スポーツ中継みたいになるな!!」


________________________________________

 その瞬間。

 ガルドの背後で爆発。

 ドォォォォォン!!


「今度は何!?」


 振り向く。

 ヴァルガだった。


「将軍」


「何だ」


「せっかくだ」


 ヴァルガがニヤリと笑う。

 バァァァン!!


「笑顔SEうるさい!!」


「お前も飛べ」


「嫌だ」


「即答!?」


________________________________________

 だが。

 観客が反応した。

『将軍も飛べー!!』

『見たいー!!』

『真面目そうな人が飛ぶの面白そう!!』


「最低な期待値だな!?」


________________________________________

 ガルドは真顔だった。


「断る」


 しかし。

 パチパチパチ!!

 歓声。

 熱狂。

 空気。

 その瞬間。

 ピコン。

【“硬派キャラが嫌がる”演出は高評価です】


「分析結果が終わってる!!」


________________________________________

 ガルドの周囲に、

 ゴゴゴゴ……と魔力が集まり始める。


「なっ」


 シエラが青ざめた。


「まずい」


「え?」


「将軍、意外と観客ウケがいいタイプだ」


「そこにも適性あるの!?」


________________________________________

 観客が叫ぶ。

『将軍ー!!』

『飛べー!!』

『真顔で飛べー!!』


「要求が特殊すぎる!!」


 ガルドが歯を食いしばる。


「私は……!」


 ゴォォォォォォ!!

 魔力暴走。

 マントがなびく。

 そして。

 次の瞬間。

 ドォォォォォン!!

 ガルド将軍、打ち上がった。


「また増えたぁぁぁぁ!!」


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


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