第十九話 演出バトル、審査基準が終わってる
『うおおおおおおお!!』
王都、熱狂。
国王が“特別予算”とか言い出したせいで、
観客のテンションがさらに上がっていた。
「なんで国家予算が賞品なんだよ!!」
国王は真顔だった。
「経済効果が大きい」
「財務目線でイベントを見るな!」
財務大臣も頷いている。
「現在、露店売上は通常の七倍です」
「報告がフェス運営なんだよ!」
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すると。
ドォォォォン!!
空に巨大文字が浮かんだ。
【第一回 王都演出バトル】
「開催されちゃったぁぁぁ!!」
しかも。
【審査員】
・国王
・観客
・なんか空気
「最後ふわっとしてる!!」
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ヴァルガがマントを翻す。
バァァァン!!
「動くたびに爆発するな!」
「当然だ」
「当然ではない!!」
リシアも前へ出た。
なぜか今日はローブの裾がキラキラしている。
「お前いつの間に光るようになった?」
「反射素材を追加しました」
「衣装改善するな!!」
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シエラは遠い目をしていた。
「……魔王軍に帰りたい」
『かわいいー!!』
「反応するな!!」
【疲れた感じが好評です】
「何でも評価するな!」
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すると。
中央に司会台がせり上がった。
「司会台まで!?」
どこから出てきた。
しかも。
団長が立っていた。
「なんで司会やってるんですか!?」
団長は死んだ目だった。
「……飛ばされた流れでそのまま任命された」
「断れよ!!」
「断った」
「断ったの!?」
「“空気的にお願いします”と言われた」
「ライブ特有の断れないやつ!!」
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団長は重々しく杖を掲げる。
すると。
ドォォォォォン!!
空に花火。
「司会演出うまいな、この人!?」
団長がハッとした。
「違う! 勝手に出た!」
『うおおおおおお!!』
観客、大盛り上がり。
「適応し始めてるぅぅぅ!!」
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ピコン。
【第一種目】
【“登場演出対決”】
「種目制なの!?」
ヴァルガがニヤリと笑う。
バァァァン!!
「笑顔SEうるせぇ!!」
「ならば先攻は貰おう」
彼はマントを広げた。
次の瞬間。
王都全体の光が、一瞬消える。
「えっ」
静寂。
暗闇。
そして。
ドォォォォォン!!
巨大な黒炎が空を裂いた。
『うおおおおおおおお!!』
「派手すぎる!!」
さらに。
黒炎の中からヴァルガがゆっくり歩いてくる。
爆発。
黒薔薇。
スモーク。
全部乗せである。
「盛りすぎだろ!!」
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観客は総立ちだった。
『かっけぇぇぇ!!』
『敵なのに好き!!』
『ラスボス感!!』
ピコン。
【観客評価:96点】
「高ぇ!!」
しかも。
【“歩く爆発”が高評価】
「そこなんだ!?」
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ヴァルガがドヤ顔で振り返る。
ドォォォォン!!
「いちいち爆発するな!!」
「これが“魅せる”ということだ」
「言ってることは分かるのが腹立つ!!」
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次。
リシアの番だった。
観客が沸く。
『リシア様ー!!』
『きゃー!!』
リシアは静かに前へ出た。
そして。
スッ。
髪を払う。
『きゃああああ!!』
「そこだけで歓声出るの!?」
ヴァルガが目を細める。
「ほう……」
リシアは真顔だった。
「観客は“溜め”に弱いようです」
「研究発表みたいに言うな!!」
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次の瞬間。
パァァァァッ!!
空に巨大な氷の花が咲く。
しかも。
花びらがゆっくり落ちてくる。
『うわぁぁぁ……』
観客の空気が変わる。
静かな感動。
そして。
最後に。
パリン。
氷が砕け、夜空いっぱいに光が散った。
『おおおおおおお……!!』
「綺麗系に進化してる!!」
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ピコン。
【観客評価:97点】
「勝ったぁぁぁ!?」
ヴァルガが初めて驚いた顔をした。
「何……?」
リシアが静かに言う。
「爆発だけでは、観客は疲れます」
「ライブ理論で戦うな!!」
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すると。
観客席の子供が叫んだ。
『次、主人公ー!!』
「え?」
空気が止まる。
全員が俺を見る。
『たしかに』
『お前もやれ』
『主人公だろ!?』
「嫌だぁぁぁ!!」
ピコン。
【大トリ演出を開始します】
「勝手に決めるなぁぁぁ!!」
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