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異世界で最強の能力を得た俺、ただし発動条件が“拍手喝采”  作者: フィッシュよりビーフが好き


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19/33

第十九話 演出バトル、審査基準が終わってる


『うおおおおおおお!!』

 王都、熱狂。

 国王が“特別予算”とか言い出したせいで、

 観客のテンションがさらに上がっていた。


「なんで国家予算が賞品なんだよ!!」


 国王は真顔だった。


「経済効果が大きい」


「財務目線でイベントを見るな!」


 財務大臣も頷いている。


「現在、露店売上は通常の七倍です」


「報告がフェス運営なんだよ!」


________________________________________

 すると。

 ドォォォォン!!

 空に巨大文字が浮かんだ。

【第一回 王都演出バトル】


「開催されちゃったぁぁぁ!!」


 しかも。

【審査員】

・国王

・観客

・なんか空気


「最後ふわっとしてる!!」


________________________________________

 ヴァルガがマントを翻す。

 バァァァン!!


「動くたびに爆発するな!」


「当然だ」


「当然ではない!!」


 リシアも前へ出た。

 なぜか今日はローブの裾がキラキラしている。


「お前いつの間に光るようになった?」


「反射素材を追加しました」


「衣装改善するな!!」


________________________________________

 シエラは遠い目をしていた。


「……魔王軍に帰りたい」


『かわいいー!!』


「反応するな!!」


【疲れた感じが好評です】


「何でも評価するな!」


________________________________________

 すると。

 中央に司会台がせり上がった。


「司会台まで!?」


 どこから出てきた。

 しかも。

 団長が立っていた。


「なんで司会やってるんですか!?」


 団長は死んだ目だった。


「……飛ばされた流れでそのまま任命された」


「断れよ!!」


「断った」


「断ったの!?」


「“空気的にお願いします”と言われた」


「ライブ特有の断れないやつ!!」


________________________________________

 団長は重々しく杖を掲げる。

 すると。

 ドォォォォォン!!

 空に花火。


「司会演出うまいな、この人!?」


 団長がハッとした。


「違う! 勝手に出た!」


『うおおおおおお!!』

 観客、大盛り上がり。


「適応し始めてるぅぅぅ!!」


________________________________________

 ピコン。

【第一種目】

【“登場演出対決”】


「種目制なの!?」


 ヴァルガがニヤリと笑う。

 バァァァン!!


「笑顔SEうるせぇ!!」


「ならば先攻は貰おう」


 彼はマントを広げた。

 次の瞬間。

 王都全体の光が、一瞬消える。


「えっ」


 静寂。

 暗闇。

 そして。

 ドォォォォォン!!

 巨大な黒炎が空を裂いた。

『うおおおおおおおお!!』


「派手すぎる!!」


 さらに。

 黒炎の中からヴァルガがゆっくり歩いてくる。

 爆発。

 黒薔薇。

 スモーク。

 全部乗せである。


「盛りすぎだろ!!」


________________________________________

 観客は総立ちだった。

『かっけぇぇぇ!!』

『敵なのに好き!!』

『ラスボス感!!』

 ピコン。

【観客評価:96点】


「高ぇ!!」


 しかも。

【“歩く爆発”が高評価】


「そこなんだ!?」


________________________________________

 ヴァルガがドヤ顔で振り返る。

 ドォォォォン!!


「いちいち爆発するな!!」


「これが“魅せる”ということだ」


「言ってることは分かるのが腹立つ!!」


________________________________________

 次。

 リシアの番だった。

 観客が沸く。

『リシア様ー!!』

『きゃー!!』

 リシアは静かに前へ出た。

 そして。

 スッ。

 髪を払う。

『きゃああああ!!』


「そこだけで歓声出るの!?」


 ヴァルガが目を細める。


「ほう……」


 リシアは真顔だった。


「観客は“溜め”に弱いようです」


「研究発表みたいに言うな!!」


________________________________________

 次の瞬間。

 パァァァァッ!!

 空に巨大な氷の花が咲く。

 しかも。

 花びらがゆっくり落ちてくる。

『うわぁぁぁ……』

 観客の空気が変わる。

 静かな感動。

 そして。

 最後に。

 パリン。

 氷が砕け、夜空いっぱいに光が散った。

『おおおおおおお……!!』


「綺麗系に進化してる!!」


________________________________________

 ピコン。

【観客評価:97点】


「勝ったぁぁぁ!?」


 ヴァルガが初めて驚いた顔をした。


「何……?」


 リシアが静かに言う。


「爆発だけでは、観客は疲れます」


「ライブ理論で戦うな!!」


________________________________________

 すると。

 観客席の子供が叫んだ。

『次、主人公ー!!』


「え?」


 空気が止まる。

 全員が俺を見る。

『たしかに』

『お前もやれ』

『主人公だろ!?』


「嫌だぁぁぁ!!」


 ピコン。

【大トリ演出を開始します】


「勝手に決めるなぁぁぁ!!」


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


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