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異世界で最強の能力を得た俺、ただし発動条件が“拍手喝采”  作者: フィッシュよりビーフが好き


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第十八話 演出ガチ勢、解説を始める


【“演出ガチ勢”を確認】


「システムが嬉しそうなんだよ!!」


 王都広場。

 観客は完全に最高潮だった。

『うおおおおおお!!』

『派手ぇぇぇ!!』

『爆発もっと!!』


「要求が雑!!」


________________________________________

 黒マントの男は、満足そうに観客を見渡した。


「フッ……悪くない反応だ」


 バァァァン!!

 背後爆発。


「会話のたびに爆発するな!!」


 しかも。

 爆発のタイミングが妙に気持ちいい。

 なんか悔しい。

________________________________________

 男はマントを翻した。


「諸君」


 ドォォォォン!!


「だからSEを自前で出すな!」


「演出とは“空気”だ」


「急に語り始めた!?」


 観客が静かになる。

 なぜ聞く姿勢なんだ。


「人はなぜ熱狂する?」


 バァァァン!!


「爆発で区切るな!!」


________________________________________

 シエラが死んだ目で呟く。


「……魔王軍特務演出官、ヴァルガ」


「役職が意味分からん」


「魔王軍内でも問題児だ」


「だろうな!」


________________________________________

 ヴァルガはゆっくり歩き始める。

 歩く。

 爆発。

 歩く。

 爆発。


「足音がうるさい!!」


 リシアが感心していた。


「一定間隔ですね」


「分析するな!!」


「観客の期待感を切らさないリズムです」


「ライブ講評始めるな!!」


________________________________________

 ヴァルガがリシアを見る。


「ほう」


 バァァァン!!


「感想にも爆発入るの!?」


「王国側にも理解者がいるようだな」


 リシアが頷いた。


「あなたほどではありませんが」


「分かり合うな!!」


________________________________________

 観客は完全に飲まれていた。

『かっけぇ……』

『敵なのに見ちゃう……』

『爆発うま……』


「“爆発うま”って何!?」


________________________________________

 すると。

 ピコン。

【観客は“ライバル同士の技術交流”を期待しています】


「期待するな!!」


 ヴァルガがニヤリと笑う。

 ドォォォォン!!


「笑顔SEがデカい!!」


「ならば見せてやろう」


 彼は指を鳴らした。

 パチン。

 次の瞬間。

 空に巨大な黒薔薇が咲いた。

『おおおおおおお!!』

 しかも。

 数秒遅れて爆発。

 ドォォォォォン!!


「時間差演出!?」


________________________________________

 リシアの目が輝いた。


「……なるほど」


「何を学ぼうとしてる」


「爆発を遅らせることで、観客に“待ち”を作っています」


「演出解説番組始めるな!!」


 ヴァルガが満足そうに頷く。


「理解が早い」


「師弟関係みたいになるな!!」


________________________________________

 一方。

 シエラは頭を抱えていた。


「何で盛り上がってるんだ……」


 彼女は潜入任務に来たはずだった。

 なのに今は。

 上司が爆発してる。

 観客がペンライト振ってる。

 国王が前列にいる。

 意味が分からない。

________________________________________

 そのとき。

 観客席の子供が叫んだ。

『どっちがすごいのー!?』


「比較始まった!!」


 空気が変わる。

 ざわ……。

 ざわ……。

『たしかに』

『王国と魔王軍どっちが派手?』

『勝負してー!!』


「させるな!!」


________________________________________

 ピコン。

【イベント発生】

【“演出バトル”を開始しますか?】

▶YES

 NO


「また出たぁぁぁ!!」


 しかも。

 YESがめちゃくちゃ光ってる。


「圧が強ぇ!!」


________________________________________

 ヴァルガは静かに笑った。


「フッ……」


 ドォォォォン!!


「爆発うるせぇ!!」


「面白い」


 リシアも真顔で頷く。


「受けましょう」


「お前もノるな!!」


________________________________________

 その瞬間。

『うおおおおおおおおお!!』

 観客、総立ち。

 歓声。

 熱狂。

 手拍子。

 そして。

 国王がゆっくり立ち上がった。


「……優勝者には、特別予算を出そう」


「国家を巻き込むなぁぁぁ!!」



ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


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