第十八話 演出ガチ勢、解説を始める
【“演出ガチ勢”を確認】
「システムが嬉しそうなんだよ!!」
王都広場。
観客は完全に最高潮だった。
『うおおおおおお!!』
『派手ぇぇぇ!!』
『爆発もっと!!』
「要求が雑!!」
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黒マントの男は、満足そうに観客を見渡した。
「フッ……悪くない反応だ」
バァァァン!!
背後爆発。
「会話のたびに爆発するな!!」
しかも。
爆発のタイミングが妙に気持ちいい。
なんか悔しい。
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男はマントを翻した。
「諸君」
ドォォォォン!!
「だからSEを自前で出すな!」
「演出とは“空気”だ」
「急に語り始めた!?」
観客が静かになる。
なぜ聞く姿勢なんだ。
「人はなぜ熱狂する?」
バァァァン!!
「爆発で区切るな!!」
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シエラが死んだ目で呟く。
「……魔王軍特務演出官、ヴァルガ」
「役職が意味分からん」
「魔王軍内でも問題児だ」
「だろうな!」
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ヴァルガはゆっくり歩き始める。
歩く。
爆発。
歩く。
爆発。
「足音がうるさい!!」
リシアが感心していた。
「一定間隔ですね」
「分析するな!!」
「観客の期待感を切らさないリズムです」
「ライブ講評始めるな!!」
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ヴァルガがリシアを見る。
「ほう」
バァァァン!!
「感想にも爆発入るの!?」
「王国側にも理解者がいるようだな」
リシアが頷いた。
「あなたほどではありませんが」
「分かり合うな!!」
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観客は完全に飲まれていた。
『かっけぇ……』
『敵なのに見ちゃう……』
『爆発うま……』
「“爆発うま”って何!?」
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すると。
ピコン。
【観客は“ライバル同士の技術交流”を期待しています】
「期待するな!!」
ヴァルガがニヤリと笑う。
ドォォォォン!!
「笑顔SEがデカい!!」
「ならば見せてやろう」
彼は指を鳴らした。
パチン。
次の瞬間。
空に巨大な黒薔薇が咲いた。
『おおおおおおお!!』
しかも。
数秒遅れて爆発。
ドォォォォォン!!
「時間差演出!?」
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リシアの目が輝いた。
「……なるほど」
「何を学ぼうとしてる」
「爆発を遅らせることで、観客に“待ち”を作っています」
「演出解説番組始めるな!!」
ヴァルガが満足そうに頷く。
「理解が早い」
「師弟関係みたいになるな!!」
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一方。
シエラは頭を抱えていた。
「何で盛り上がってるんだ……」
彼女は潜入任務に来たはずだった。
なのに今は。
上司が爆発してる。
観客がペンライト振ってる。
国王が前列にいる。
意味が分からない。
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そのとき。
観客席の子供が叫んだ。
『どっちがすごいのー!?』
「比較始まった!!」
空気が変わる。
ざわ……。
ざわ……。
『たしかに』
『王国と魔王軍どっちが派手?』
『勝負してー!!』
「させるな!!」
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ピコン。
【イベント発生】
【“演出バトル”を開始しますか?】
▶YES
NO
「また出たぁぁぁ!!」
しかも。
YESがめちゃくちゃ光ってる。
「圧が強ぇ!!」
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ヴァルガは静かに笑った。
「フッ……」
ドォォォォン!!
「爆発うるせぇ!!」
「面白い」
リシアも真顔で頷く。
「受けましょう」
「お前もノるな!!」
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その瞬間。
『うおおおおおおおおお!!』
観客、総立ち。
歓声。
熱狂。
手拍子。
そして。
国王がゆっくり立ち上がった。
「……優勝者には、特別予算を出そう」
「国家を巻き込むなぁぁぁ!!」
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