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異世界で最強の能力を得た俺、ただし発動条件が“拍手喝采”  作者: フィッシュよりビーフが好き


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13/30

第十三話 王都、公式にイベント化される


 王都上空。

 団長が飛んでいた。


「止まれぇぇぇぇぇ!!」


 ゴォォォォォ!!

 白髭をなびかせながら高速旋回する王国最強魔術師。

 威厳はもうない。

 観客はめちゃくちゃ盛り上がっていた。

『団長ー!!』

『もう一周ー!!』

『渋いぃぃぃ!!』


「“渋い”でアンコール起きるの何なんだよ!!」


________________________________________

 兵士たちは地獄みたいな顔をしていた。


「どうする!?」


「止められません!」


「団長の魔力が観客に引っ張られてる!」


 その横で。

 商人マルコスがメモを取っていた。


「なるほど……」


「お前なんでいるんだよ」


「“飛行する団長”は年齢層高めにも刺さりますね」


「客層分析すな!!」


________________________________________

 一方その頃。

 王城。


「報告します!」


 兵士が飛び込んだ。


「王都正門前にて、団長が飛行しています!」


 沈黙。

 国王がゆっくり聞き返す。


「……飛行魔法か?」


「いえ、なんか盛り上がっています!」


「報告が雑すぎる」


________________________________________

 数分後。

 国王は現場へ来ていた。

 豪華な馬車。

 護衛。

 側近たち。

 完全に国家案件である。

 だが。

『団長ー!!』

『アンコール!!』

『回れー!!』

 現場は祭りだった。

 国王が固まる。


「……何だこれは」


「我々も分かりません」


 兵士が真顔で答えた。


「分からないのか」


「はい」


________________________________________

 そのとき。

 ピコン。

【超大型VIP観客を確認】


「嫌な予感しかしない」


【観客ボーナスを追加します】


「追加するな!!」


 次の瞬間。

 ボォォォォォッ!!

 俺の背後の炎が爆発的に巨大化した。


「国王来ただけで出力上がるの!?」


 リシアが頷く。


「影響力の高い観客ほど補正が強いようですね」


「スポンサー理論みたいに言うな!」


________________________________________

 すると。

 観客がざわついた。

『あれ国王じゃね?』

『マジ!?』

『王様だ!!』

 空気が変わる。

 期待感が一気に膨れ上がる。

【“王都スペシャル感”を検出】


「検出するな!!」


________________________________________

 そして。

 誰かが言った。

『国王もなんかやってー!!』


「やめろぉぉぉ!!」


 俺は即叫んだ。

 だが。

『たしかに!』

『王様ー!!』

『見たいー!!』

 乗るな。

 なんでそんなノリ軽いんだ王都民。

________________________________________

 国王は困惑していた。


「待て」


 周囲の期待が高まる。

 パチパチパチ!!

 歓声。

 熱狂。

 すると。

 国王のマントがブワァッ!!となびいた。


「お前も演出入るのかよ!!」


 さらに。

 後ろで謎の金色エフェクトが輝き始める。


「王族補正強ぇぇ!!」


 観客、大興奮。

『おおおおおお!!』

『王様だぁぁ!!』

『豪華ぁぁぁ!!』


「“豪華”って感想あるんだ!?」


________________________________________

 国王が青ざめる。


「な、何だこれは!?」


 リシアが冷静に分析する。


「王としてのカリスマが観客期待値を増幅していますね」


「ライブ用語で王政を語るな!」


________________________________________

 その瞬間。

 ピコン。

【緊急クエスト発生】

【“王都記念合同公演”を開催しますか?】

▶YES

 NO


「選択肢出すなぁぁぁ!!」


 しかも。

 YESが点滅していた。


「圧が強い!!」


________________________________________

 すると。

 観客席の子供が叫んだ。

『早く押せー!!』


「客がUIに干渉してる!?」


『YES! YES!』

『YES! YES!』

 コールが始まる。


「最悪だ!!」


 リシアが真顔で言った。


「……空気的に、断れませんね」


「ライブイベントじゃねぇんだぞ!!」


 そのときだった。

 スッ。

 国王が震える指で、

 空中のYESに触れた。


「押すなぁぁぁぁぁ!!」


________________________________________

 ピコン。

【“王都記念合同公演”開催決定!】

 ドォォォォォン!!

 王都全域に花火が打ち上がった。


「国家行事になってるぅぅぅ!!」


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


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