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異世界で最強の能力を得た俺、ただし発動条件が“拍手喝采”  作者: フィッシュよりビーフが好き


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第十二話 団長、観客ウケが良すぎる


 ドォォォォォン!!

 王都上空に、超巨大魔法陣が展開される。

 空が光る。

 風が吹く。

 観客が静まり返る。


「……やっば」


 俺は思わず呟いた。

 分かる。

 これは“本物”だ。

 リシアの魔法とも違う。

 圧倒的。

 王国最強クラスの魔力。

 だが次の瞬間。

『うおおおおおおおおお!!』

 観客、大爆発。


「静かに終わらねぇ!!」


________________________________________

 パチパチパチパチ!!

 歓声。

 熱狂。

 そして。

 団長の魔法陣がさらに巨大化した。


「増幅してるぅぅぅ!!」


 団長がハッとする。


「……なっ」


 ゴゴゴゴゴ……。

 空気が震える。

 兵士たちが青ざめた。


「まずい!」


「団長の魔力が観客に引っ張られてる!」


「王都が吹き飛ぶぞ!!」


 だが。

 観客は止まらない。

『団長ー!!』

『かっけぇぇぇ!!』

『もう一回光らせて!!』


「ペンライト感覚で言うな!!」


________________________________________

 団長は歯を食いしばった。


「……落ち着け」


 しかし。

 パチパチパチ!!

 歓声が飛ぶたびに魔法陣が強化される。


「収まらん……!」


 リシアが真顔で頷く。


「完全に“乗せられて”いますね」


「分析してる場合か!!」


________________________________________

 そのとき。

 ピコン。

【レジェンド級出演者の覚醒を確認】


「覚醒するな!!」


【観客が“伝説感”を期待しています】


「伝説感ってなんだよ!!」


 次の瞬間。

 団長のローブがバサァッ!!となびいた。


「風演出入ったぁぁ!!」


 しかも。

 後ろに謎の光まで差している。

 完全にラスボス登場である。

『うおおおおおおお!!』

『団長ー!!』

『渋いぃぃぃ!!』


「“渋い”で盛り上がる観客初めて見た!!」


________________________________________

 団長は明らかに困惑していた。


「なぜだ……」


 ゴゴゴゴゴ……。


「なぜ、私の魔力まで増幅されている……!」


 リシアが小声で言う。


「観客が“すごい魔術を見たい”と期待しているからですね」


「ライブ理論で説明するな!」


「この空間全体が、観客参加型魔力増幅場になっています」


「字面が最悪だよ!」


________________________________________

 すると。

 観客席の子供が叫んだ。

『団長! 飛んでー!!』


「やめろぉぉぉ!!」


 俺は全力で叫んだ。

 だが遅い。

 観客が乗った。

『飛べー!!』

『団長ー!!』

『いけぇぇぇ!!』

 パチパチパチパチ!!

 団長の周囲の魔力が爆発的に膨れ上がる。

 団長が青ざめた。


「ま、待て」


 ゴォォォォォォ!!


「私は飛行魔法など――」


 次の瞬間。

 ドォォォォォン!!

 団長が打ち上がった。


「飛んだぁぁぁぁぁ!!」


________________________________________

 王都、騒然。

『うおおおおおおお!!』

『団長飛んだぁぁぁ!!』

『すげぇぇぇぇ!!』

 団長は空で回転していた。


「止まれぇぇぇぇぇ!!」


 威厳ゼロだった。

________________________________________

 リシアが冷静にメモを取っている。


「興味深いですね」


「何が!?」


「高齢の出演者でも飛行演出は可能、と」


「データ化するな!!」


________________________________________

 一方、空。


「ぐぉぉぉぉ……!!」


 団長が必死に姿勢制御している。

 完全に事故だ。

 だが。

 観客は盛り上がる。

『団長ー!!』

『もう一周ー!!』

『アンコール!』


「老人を飛ばして遊ぶな!!」


________________________________________

 その瞬間。

 ピコン。

【観客要望を確認】

【追加飛行ルートを設定します】


「設定するなぁぁぁ!!」


 グイッ。

 団長の軌道が曲がった。


「勝手に操作されてるぅぅぅ!!」


________________________________________

 王都上空を高速旋回する団長。

 大歓声。

 熱狂。

 そして。

 リシアが真顔で呟いた。


「……団長、意外と映えますね」


「最低の感想だよ!!」



ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


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