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夜を追って  作者: 薄雪草
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秋の蟲


夜半、月夜に秋の始めが訪れて

涼風吹いて、蟲の音響く


秋の野花は月を見る


彼岸花咲いた、あかい風車

田には稲穂、水路には思い出


見えないところで四季は動いて

交代するように変わっていく


夏の歌は終わり、美しかった夢は空へ


次第に早くなる日没を追って

枯れない野原を旅人は行く

ゆく夏にさよならを

新しい季節を待つ場所へ


待っている、誰か

巡っていく風の下


見送っているのは蟲の音

今を生きて、鳴いている


秋の始めは空から山へ


送りと迎えの雨が降る

野にも街にも雨が降り

遠ざかって、秋が来た







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