第16話 【創リ出ス者】
武器創造がS級になってからの一週間です
「……はあ。」
あれから1週間たった日、俺は鏡を見た自分の姿にため息をついた。
今鏡に移っている俺の姿は長い外套に黒を基調とした服と俺の顔が全くわからなくなるほどの仮面をつけた姿だった。
ちょっと前までは市販の戦闘を想定した作りの現代服だったのに武器創造が【創リ出ス者】に変わってからこうだ
いや、モンスターとの戦いでは大いに役立っているし凄く便利でいいんだけどさ!
この無駄にカッコつけたデザインなんなのよ?
分かるよ?こんなファンタジーと化した日常ではこんな服当たり前なんだって
今までの服のセンスがイマイチだったからなだけで
ちょっと慣れないことに不安なだけだ。
さらに言えばこれを創ったのは俺だからな。
こんなことになったのは2日前の小屋の改装中のことだった
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「……こんな家でいいのか?」
突然の謎の疑問に俺自身が困惑する。
こんな時期になにを考えているのかわからないが何故か現在俺の拠点の小屋が気になったんだ
仕方がないだろう今まで忙しかったんだし
結局俺はなにをしたいのかを自問自答する
「そうか……!」
そうだ!俺はもっと一般的な地上のマイホームが欲しいんだ!
そうと決まったら実行。この無駄に有り余っている筋力を使えば…
ん?待てよ
これも魔法やスキルやらでなんとかならないか?
何か作るスキルといえば…
「錬成だ!」
そうだ。あの魔法寄りのスキルカテゴリーのレアスキルがあったじゃないか。
そして俺は傲慢スキルに錬成を願うことで手に入れることができるとというチート権能を持っているからな
器用貧乏は嫌なのであんまり使っていなかったが今こそ使う時。
(頼む…俺に【錬成】をくれ…)
『…【錬成S級】が手に入りました』
鑑定補足の声に似たシステムの声が聞こえた
おお!俺は錬成を頼んだだけなのに大盤振る舞いのS級じゃないか!
…流石に強すぎないか?
やっぱりS級のスキルっていうのは天才とか達人とか言われている奴らが必死に努力したからあるスキルだ。
こんな願ったから貰えるなんて普通に考えれば努力している奴らへの冒涜だ。
…いや傲慢と言ったらいいか。
だからこそ俺は傲慢のスキルを持っているという自覚を持たなければいけない
…なんだか傲慢のデメリットが気が気でならないな
『一刻も早く答えが在るべきです。』
…鑑定補足の言っている意味が未だに分からない。
いや、理解したくないっていうのが正しいか。
俺は自ら望んでこのスキルを手に入れたわけではない
ただ偶然王冠から手に入ったスキルかもしれないしな。
結局何もかも状況に流されてしまったが、ここまで来たのも自分の意志だ。
『ユウヤ様。補足ですが錬成では家を造るのは難しいと思います』
え!?なんだと!
『錬成は物を造るスキルに偏っていますからね。なので提案として【武器創造】と【錬成】を複合するのをお勧めします。』
…ちょっと待てよ!複合できるのか!?
まあ確かに複合したスキルがとんでも無く強いのは【定メル者】で理解しているつもりだ。
だからと言って何でもかんでも複合できるわけではない。
複合するには両者ともに高いスキルランクと相応の熟練が必要になる。
熟練は簡単に言うとそのスキルをどれだけ使ったかだ。
たくさん使えば効率の良い使い方や新たな派生が効くので他の探索者もみんな同じスキルを使っている。
何故か【傲慢】を持っていると熟練はいらないから俺にはどうでも良い話だ
しかも俺の場合両者ともS級なので複合は可能だしどちらも生成系だからな。
いけないことは…ないのかもしれない。
(わかった。お願いできるか?)
『了解しました。【鑑定補足】がユウヤ様の【武器創造】と【錬成】を複合します。』
その言葉を言ってから10秒ぐらいで俺の体から眩い光が出てきて―
『複合が完了しました』
そしてこれからの俺の行動を大きく変えることになるスキルを手に入れることになる。
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・【創リ出ス者】…万能万物全ての物を創ることができるスキル。ユニークスキル。
・武器創造…武器の生成、強化を行える。
・物体創造…無機物有機物全ての物体を創ることができる。
・空間創造…別空間を創り出すことができる。
・永久保存…生物、物体関わらず状態を保存できる。
・生命創造…同種族の存在を創ることができる。
このスキルは神話スキルに含まれる。
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また出ましたチートスキル。
…相変わらずの壊れっぷりだな!?
ていうか空間創造と永久保存ってどこからきたんだよ?
『それはユウヤ様が初めて生成系スキルの最上級ランクの複合を行った者だからです。』
…つまり俺は世界記録っていうことか?
『いえ、アスカーティア星でも成し遂げられなかったことです。そのスキルは神の領域なので現存神扱いににされるでしょう。』
大丈夫だ。そんな未来は多分訪れないと思う。
いやそんな茶番より!大事なことがある。
ようはなんでも作れるって認識でおっけー?
『はい。"おっけー"です。』
今日の鑑定補足は元気だな?
ってそうゆうことじゃない!俺が創りたいのはまず自宅!
ほら、ずっと借り物って何故か嫌にならない?
そう、つまり改築したいのだ!
ほら、夢にまで描いたちょい裕福な豪邸計画が一瞬で解決できるぞ!
そうなのだ。俺は高校を卒業してから一人暮らしなので自分1人暮らせればそれで良いと思っているけれど、折角なら良い感じの邸宅にしたい。
ていう俺の脳内の未来図を見てニヒヒと笑うのであった
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「遂に…できたぞ!」
最初に来た時はこんな光景を想像できただろうか?
いや、あの時は変異ミノタウロスから逃げた体の緊張がほぐれなかったからな。無理もない
今俺がつくった拠点は一人暮らしの観点から見たらちょっぴり贅沢な地上の現代の建物に似ていた。
【創リ出ス者】は想像力がある意味一番重要かもな
自分が考えた物を創り出すのなら俺の頭次第で沢山の応用がきくだろう。
ちなみに今俺が考えている戦闘用の使い方は座標指定と武器創造で大量の武器を作り浮かばせて戦うやり方が一番やってみたい。
だって…かっこいいじゃん?
まあ効率的には最悪だから使い方には考えものだな
まあ良い。だが俺は家を作っただけで【創リ出ス者】を殿堂入りさせるつもりはない。
俺は鏡を創り出して自分自身を見た。
「うおっ、やっぱり悲惨だな!?」
俺が身につけていた服を見て久しぶりに声を出しながら口からな魂に近い何かを出しかけた。
これは…ヤバイな。
もう幾度となくモンスターとの戦闘での返り血が服に染み付いている。
一刻も早くなんとかせねば!
地上に帰るか?いやそれじゃあ俺のことが露見してしまう。
変装?どうやって?
そもそも変装の服すらない。
錬成で作れっていうのか?
「…それだっ!」
そうだった!俺は想像が及ぶ限りなんでも作れるんだった
これなら服を買うなんて考えなくてもいいし、欲を言えば返り血防止の機能などの何かをつけたい。
ならこっちの方が手っ取り早く解決できそうだ。
という訳で俺はすぐに服作りに取り掛かった。
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「ふ〜、なんとか今日中に終わったぜ…!」
時刻は8時、窓を覗いたら確認できる所に時計塔がある。
俺が創った陰陽の時計塔だ。
この草原内の時間を正確に表している。
さらに地上との時間差まで時計塔にはあるため非常に便利だ。
これは家づくりと共に創ったし、他にも創ったものや建物などは結構ある。
これを創った過去の俺に感謝したいぐらいだ
それはさておき、俺が創った服が約6時間かけて完成した。
とにかく機能性!なんていうのは余裕を持った頃に卒業した。
かなり良い感じに仕上げたはずだが…
「なんだか黒っぽい色しかないな…」
そう、とにかく黒いのだ。
もうなんかダンジョンが浸透した街中でもちょっと浮いちゃうレベルでヤバイな
まあでも俺が創ったものだから仕方がない。
でもこれはよしとしよう。
でもこの仮面はなんなんだ?
まあこれも俺が創ったのだがいくらなんでもかっこつけすぎでしょ!?
『補足ですがこれは【傲慢の仮面】という名称です。』
おう…見事にマッチしたな。
『それはユウヤ様…いえ、傲慢保持者が最初に創った仮面だからだそうです。』
なんだその裏設定!?
初耳なんだが?
『効果と比例した結果、このぐらいのデメリットで良いと判断されたからです。』
まあ、そうだけどなぁ
この仮面には顔が分からなくなる機能と声にノイズがかかる機能が付いている。
この機能は無理してつけたようなものだからな
仕方がないだろう。よし、試しにつけてみるか。
『ユウヤ様、まだ説明が終わって…』
お?ぴったりだな!
俺は鑑定補足の話をよく聞かずにつけてしまった。
『…その仮面は取り外し不可能です。』
え?なんだって?
それは本当のことなのか!?
俺は急いで外そうと試みた。
…まじで外れないんだが?
『この仮面はユウヤ様の答えが出ない限り外れたり、壊すこともできません。』
ま、マジかー…
いや、でも考え方によっては仮面の部分は絶対防御っていうことで良いんだな!
…前向きに考えていこう。
俺は疲れ果てた社会人のように創造で創ったベッドに身を投げるのであった。
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