第12話 迷宮の管理者
『【傲慢】はもともと封印されていたようです。』
…まてまて!話が突拍子すぎる!
『【傲慢】はその名の通り、保持者の性格を根本的に改変させ、極端な自身至上主義で狂って瀕死の重症になるほどの状況に陥るまでその異常さに気づかなくなるのが【傲慢】の代償です。』
え?じゃあ俺はもう普通じゃないのか?
『今回ユウヤ様の【傲慢】は封印から強制離脱を果たしたばかりなのでかなり代償が少ないです。ですが、【傲慢】が覚醒するまでにユウヤ様が【答え】を出さなければ通例通りになるでしょう。』
はーじゃあ俺はまだ常識を持っているということね。
(なら答えとはなんだ?)
なら早い段階で解決すればいい。
手っ取り早く鑑定補足に聞けば…
『私は今、結果しか話すことができません。申し訳ありません。』
ん?つまり今はまだ無理ということか。
…大体そんなものは俺が考え出すものだろう
鑑定補足に頼ってどうする?
…どうやらまだ気を引き締めなければいけないようだ。
『階層管理の術式のマニュアルはどうしますか?』
おっと、まだそっちの問題もあったか
ごちゃごちゃして情報が整理できない…
全ては終わってからにしよう
『簡略化すると、この階層の管理を行えます。管理で出来ることは、このダンジョン内のどこかの階層に繋がることと、一部階層の改変などが挙げられます。ユウヤ様が力をつければ他のダンジョンにも接続することができます。』
ん?丸く飲み込むとここはダンジョンの管理部屋みたいなものなの?
『はい。そして【位置情報】「東京、新宿、駅地下」のダンジョンの管理者がユウヤ様になりました。』
ん?あれは俺が管理者であることを告げていたのか?
まあいい。問題なのはー
(今は何階層に繋がっているんだ?)
『現在50階層の中央部、【聖剣の墓場】と管理部屋の【陰陽の草原】のある100階層です。』
じゃあここはダンジョンの最奥部ということなのか?
『はい。そうなります。』
ん〜もうなんだか釈然としないのだが
『ちなみにですが95階層からはこの階層を繋げることが出来ません。現在いる場所は一応100階層ですがその中の一角を借りているような状況です。なので実質この階層のことをほとんど知らないのと同義です。』
え?じゃあこのダンジョンの100階層に最後のボスモンスターがいるということか?
『はい。そして100階層にユウヤ様が到達し、ボスモンスターを打ち倒すことが出来たらこのダンジョンの階層を増やすことができます。』
お?ていうことは100階層で打ち止めという訳ではないってこと?
『はい。そういう事です。』
まあ色々気になることがあるがそれに関してはその時になったらだ。
ていうか【聖剣の墓場】って一体何があったのよ?
『それは地球ではない星【アスカーティア星】の「英雄の再戦」という出来事から関連付けられてこの名がつけられました。』
ちょっとまて!急に知らない言葉の嵐が来たんだが!?
大体別の星ってなんだよ!俺が住んでいるのは地球だぞ!
『それはこの星のダンジョンがアスカーティア星の危機を回避するためにダンジョンから出てくるモンスターの一部を地球に押し付けたからです。』
は?ていうことは今ダンジョンがあるのはそのアスカーティアとかいう星のせいなの?
…なんだか急に怒りが湧いてきた。
『いえ、そこにいる現地の人々ではなくその世界を管理している神と地球の神との交渉で成り立っています。』
神か?超常現象はなんでもカミサマっていうわけか?
『一応ですが、大罪スキルは神々が創った代物ではありません。アスカーティア星の人々の悪感情がまとまった物なので神では消すことができません。』
お?じゃあ俺は今神の庇護下じゃないってこと?
『神はアスカーティア星の全ての人類に【スキル】や【ステータス】という形で恩恵を受けています。しかし、別の星に星同士を接続してしまったので、その恩恵もこちらの星に流れてしまっているためです。』
嗚呼、つまり神は俺たちにこのダンジョンを程度よく狩られている状況がいいってわけだな。
いいだろうよ。狩り尽くしてやるよ。
そして俺はこの壊れた世界をぶち壊してやる!!
『…ユウヤ様、補足ですが今の考え方が【傲慢】なのですが…何か薄いような…まさか…』
そんなことどうだっていいじゃないか
俺がいましたいのは今ある手段で何をするかだ
『失礼しました。話を戻すと大罪スキルの保持者は時間がありません。出来る限り早く階位を上げて答えを在るべきです。でなければ自我が飲まれるでしょう。』
やっぱりダンジョンで狩りか。
一応管理者だがそれはこの階層の話、
中の階層は向こう側の星の状況による。
もっと沢山出てこいと言ってもくる物ではないのだ
取り敢えず、探索行くか。
そう思い、休憩を終えた俺はまた歩き始める。
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「大剣が欲しいな!」
俺は唐突にそう思ったがあながち間違ってはないだろう。
銃剣だけだと囲まれた時などに対処がしづらいしせめてもう一本何か剣が必要だろう
剣を2本持ついわゆる『二刀流』は使おうと思うのは容易いが実戦で用いるのは相当難しい。
なぜなら身体の重心の移動が難しいからだ。
男なら一度はダンジョンで2本の剣を振り回してみたいと思うだろう。だが軽い短剣でも練習しないともう1本がお飾りになるからだ。
なので見知らぬ奴が二刀流を使っているなら大抵はカッコつけたいだけかなどの見方をされる。
しかし俺は違う。
筋力も敏捷もカンストしているし、何より『翼』がある。
これによって手足のように動かせる翼で重心の移動が簡単にできる。
だから威力は強いが重い大剣でも軽々使えるだろう
そう思ったらすぐ大剣の創造に取り掛かった。
出来れば闇属性と次元属性を織り交ぜた剣がいいな…
なんやこんやと考えながら作業に熱中するのであった。
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「ふぁー!できたぞっ!」
あまりの達成感に思わず叫んでしまった。が顔はやり遂げたという表情をしている。
【深淵剣スピリットブレイカー】という痛々しい名前をつけてしまったが、機能は豪勢だ。
1つは傲慢の能力の1つの【未来先見】と組み合わせた機能がある。
それは切る時に弱点みたいなマークがこの剣を通して理解し、そこを斬れば次元魔法の【空間切断】と闇魔法の【闇の鎖】を両方同時にノーコストで発動することが出来る。
空間切断は斬る概念が頭の中で強くイメージすることで空間すら斬ることが出来る。
斬った空間は一時的に修復されないので絶対防御不可能の斬撃となる。
さらに闇の鎖で対象の周囲ごと『固定』し、動きを止めることができる。
どちらもとんでもないMPがかかるが深淵剣のおかげで1つもデメリットなしで発動出来る。
あと一つ精神生命体すらも斬ることが出来るらしい。
これは毎度お馴染み鑑定補足さんが剣を創るなら取り敢えずこれを入れたほうがいいと絶賛していた機能だ。
これのせいで大半の機能が入らなくなったが必ず将来に役立つと言っていたのでこれにした。
まだどの敵に使うかは分からないが鑑定補足が言うんだからそうなのだろう
しかしまだこれすらも未完成であとに魂魄属性の魔法を習得できるかで出来栄えが決まってくるらしい。
取り敢えず仮初でもいいから置いておくことにしたのはいいのだが肝心の敵がやってこない。
周囲を借りすぎたか?
と思っているのも束の間、急に大量のモンスターが湧いてきた。
今までで1番一気に出現したかもしれない。
俺は急な戦闘にびっくりしながらも数の暴力に抵抗する。
なんとか狩り尽くすことができたがなんだったのだろう?
『あの量のモンスターをこんなに早く倒し切るとは…これはもうすぐですね…』
そんな鑑定補足の『データ採取』を知らずに今日もダンジョンで狩りをしようと意気込むのであった。
誤字脱字ありましたらご報告お願いします!
〜追記〜
この話の今後の展開に支障があるため、一部分を変えました。
" んーなんだか釈然としないのだが "から
" まあ色々気になる事があるがそれに関してはその時になってからだ "
までを変更致しました。
ご了承の程、よろしくお願いします。




