第十一話
夜の公園。結菜が誰かを待って立っている。
睦月来る。
結菜「夜遅くにごめんね。」
睦月「ううん。話って何?結菜ちゃん。」
結菜「…ん?うん…。…実はさ、私、学生の時から信太郎の事好きだったんだ。」
睦月「…」
結菜「…でも、この前フラれちゃった。まだ始まってもいなかったんだけどな…。」
睦月「…知ってた、結菜ちゃんが信太郎の事が好きなの…。あの頃の信太郎はいつも私達といて、正直、結菜ちゃんの事が好きなのか、私の事が好きなのか、それとも他の誰かかが好きなのか分からなかった。でも結菜ちゃんは大学進学を機に、私達から離れていった。あれって…」
結菜「そう。あえて別にしたの。別の大学に行って、自分を磨いて、もう一度信太郎に会った時、絶対私に振り向かせるんだって。そう思って別の大学を選んだ。でも、失敗だったかな…。余計に信太郎と睦月ちゃんの絆が深まってた。」
睦月「…実はね、大学に進学してからすぐ私と信太朗、付き合い始めたんだ。そして先日、信太朗からプロポーズされたの。報告しなくてごめんなさい。でも、保留にしたんだ。結菜ちゃんがメールで同じ学校で教育実習やるって言ってたから。もう一度信太郎が結菜ちゃんと会って、結菜ちゃんに頑張って欲しかったから。それで結菜ちゃんに振り向くんだったら仕方ないって…。」
結菜「優しいんだね。睦月ちゃんは何も変わらない。ヒーローの睦月ちゃんのまま。」
睦月「ヒーロー?」
結菜「そう。…ヒーローは自分の為じゃなく誰かの為に行動できる人。ねえ、睦月ちゃん。」
睦月「なに?」
結菜「…私の為に死んで。」
結菜、睦月を刺す。
結菜「ずっと邪魔だった。ずっと疎ましかった。ずっと死んで欲しかった…。別の大学に進んで、毎日のように来る睦月ちゃんからのメール。悪気が無いのは分かってる。でも、それでも…。でもこれで信太朗は私のもの…。これでやっと…。」
信太郎がやってくる。
信太朗「睦月!!」
結菜「信太郎!!どうして!!」
信太郎「むつき?むつきぃぃいいいーーーー!!!!」
救急車の音。




