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戦争変貌ー2 闇、そして……

「放っておきなさい! 逃げるが吉よ!」

「魔王の言う事ですか! 待ってください! まーちゃん!」

「知らないわよ! 最強の魔王の相手だけで精一杯だったのに次にあんなのの相手をするなんて!」

「こ、高級酒十本追加しますからあの黒い靄を止めてください!」

「ひょぉ!」


 全力疾走していたまーちゃんが砂煙を巻き上げながら止まる。

 振り返りつつ、


「仕方ないわね。この場合殺しても構わんのだろう?」

「いや、それ死亡フラグです。というか相手はゆーくんなので殺すとまーちゃんが死にますよ!!」

「ちっ、面倒臭いわね!」

「は、はやく止めてください!」

「わかってるっつうの!」


 全力で黒い靄へと走り出すまーちゃん。


「フェリス! 援護しなさい! さっきの拘束魔法は使える?」

「魔力的にはいけるのん。でも詠唱時間が長いのん!」

「なら<暗黒物質(ダークマター)>であの剣を消しなさい!」

「わかったのん! <暗黒物質(ダークマター)>!」


 その瞬間黒い靄の目がギラリと光り宙を一回転し「何か」を斬る。すると半分に割れた<暗黒物質(ダークマター)>が出現しすぐに消え去る。


「「先読みぃ!?」」


 私とまーちゃんがハモる。


「フェリス! なんでもいいからあれを拘束して!」

「時間がかかるのん!」

「待たせたな! <グリッド・チェイン>!」


 リンさんの声と同時に黒い靄に鉄格子を思わせる四角の折が出現する。よく見ると鎖でできておりかなりの魔力を帯びている。


「ウォ? ウォォォォォォ!」


 黒い靄が暴れだす。しかし鉄格子状の鎖は切れずゴムのように伸びては四角く戻る。


「ウォォォォォォ!!」


 ズン! という音と共に黒い靄がのけぞり魔力が膨れ上がる。


「やばいです! やばいです!」

「うっるさいわね! ちょっと黙ってなさいよ! ルーナ!」

「で、でも……」

「これでどう! <アイアン・ウォール(鉄壁の壁)>!」


 まーちゃんが走りながら地面に片手を置くと同時に黒い靄の周りの地面が半円球場に盛り上がり雷を纏う。

 閉じ込めた? しかしまだ安全はできません!!


「まーちゃん! まだ中で暴れてるんじゃ!」

「わかってるっての!」


 まーちゃんは走りながら軽く地面をポンと叩いただけで魔法を発動していたので一切の減速がなくそのまま距離を詰めている。さすが魔王!


「フェリス! あとどれくらい?」

「いつでもオッケーなのん!」

「うし!」

「ウォォォォォォ!!」


 黒い柱が天へと放たれる。それと同時に<グリッド・チェイン>、<アイアン・ウォール(鉄壁の壁)>が同時に破壊される。


「封印魔法<レストレイン>!」


 見計らっていたようにフェリスさんの魔法が黒い靄の手足を拘束する。


「いくわよ! <パライシス(麻痺)サンドレッド(雷撃)>!」


 まーちゃんから稲妻が何本も黒い靄へと放たれる。


「クォォォォォォ!」

「ふふん、効いてる効いてる!」


 黒い靄の動きが少し鈍くなる。これで少しは……、


「キェェェェェ!」


 バシン! という音と共に黒い靄に纏わりついていた雷が弾ける。


「ちぃ! <サンダー・ウィップ>!」


 まーちゃんの手から放たれた鞭状の雷が黒い靄を縛り上げる。


「ここで全魔力使うわ! その間に策をお願い!」

「えぇ! 無策で突っ込んだんですか!?」

「あんた仮にも女神でしょ! 何とかしなさいよ! 封印とかないの!?」

「あ、ありませんよ! 封印の女神じゃありませんから!」

「ちっ、使えないわね! フェリス、リン! あんた達何か策はないの?」

「……ないのん」

「……すまぬ、もう魔力が……」

「もう!! 使えないわね! こんな時にゆーくんがいれば何か姑息な手でも思いつくのに!」

「そんなに言うならゆーくんは目の前ですよ! 聞いてみたらどうですか?」

「馬鹿じゃないの? この女神は! こんな姿のゆーくんに話が通じるわけないじゃない!」


 ごもっとです。ただ私が「使えない」と言われ投げやりに言ってみただけです。この状況でなにもできずただ見ているだけの女神なんて……。

 私がそんな事を考えていると突如ゆーくんの上空で光が発生し辺りを虹色に照らす。


「こ、これは……まさか……そんな……」

「なに! 一体何が起きてるの!?」

「まーちゃん! 神の降臨です!」

「はぁ!?」


 その光は徐々に眩しくなり一瞬眩しすぎる程の光量が大地を照らす。

 そしてドスンという音と共に二人の人物がその光の中から落ちてきた。


「む……ここは?」

「あ……あんたは……セバス!?」


 まーちゃんは紳士風の服を着たダンディな中年男性に声をかける。


「む……あなた様は……まさか魔王様?」

「セバス!! 丁度いいわ! この状況を何とかしなさい!」

「はっ!! (かしこ)まりました。しばしお待ちを――」


 そういうとセバスという男性は辺りを見回し最後に黒い靄……そして空にある光に目を向ける。


「ああ……なるほど。魔王様――何もしなくても大丈夫です」

「はぁ!? どういうことよ!」

「そのまま黒い靄……勇者様を拘束していてくださいませ」


 えっ!? あの一瞬で黒い靄が勇者って気づいたの? なんなのこのセバスって人物……。


「どういう事?」

「すぐにわかります。私が魔王様のお役に立てなかった事がありますか?」

「……わかったわ。このまま拘束しましょう」

「ただ保険として――<セバス流捕縛術・春龍>」


 セバスの袖口から軽快に白い布が龍の如くうねりながら黒い靄に巻き付く。


「これで準備万端です。あとはあの光――実験体に任せましょう」

「実験体?」

「魔王様、説明は後日」

「……わかったわ」


 納得いかない顔をみせるまーちゃんだがそのまーちゃんがふぅと息を吐きセバスなる人物の言葉に従う。とても信頼している事が私にもわかった。

 でも確かあの顔どこかで……あっ! まーちゃんの側近で四百年の間にまーちゃんと勇者の世話してた人の一人だ! たしか覗き見ている時もとても優秀そうな雰囲気を醸し出していた人!

 やった! この状況、なんとかなる! ああっ!! 神よ! この状況でこんな優秀そうな人物を送り込んで下さった事を感謝します!

 でもあの光から出ている神のオーラは一体? それにセバスさんが言っていた「実験体」とは一体どういう事なんだろう?

 私は理解できずただ傍観することしかできないでいた。

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