表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/218

戦争開幕ー2 最強魔王降臨!? そして勇者死亡

 轟音と雷と共 に戦場中央が砂塵で見えなくなり数秒……その中央にいたのは髑髏騎士こと最強魔王だった。


「髑髏騎士!?」


 俺は叫び最強魔王を視認すると俺の本能は「逃げろ」と警鐘を鳴らし、体は剣を抜き最強魔王へと走っていた。


「まーちゃん!」

「わかってるっての!」


 横を見ると当然の如くまーちゃんも走っている。本能では逃げるのが得策、しかし体は逃げても確実に殺されると勝手に動く。そしてそれならば殺すしかないという結論を導き出していた。


「フェリス! なんでもいい。サポートを頼む!」

「はいなのん!」


 俺の叫びにフェリスが答える。そしてリンは魔法の詠唱を始めている。その他の冒険者や武官に目を向けるが反応せずただ、ぼーっと突っ立っている。事の重大さがわかっていないのだろう。

 中央、髑髏騎士こと最強魔王のところまできて俺は先制をとる。


勇者スラッシュ(超斬撃)!」


 それと同時に杖を振りかぶり「サンダー!」と唱え最強魔王に振りかざすまーちゃんが見えた。これなら俺の最大魔力の斬撃波と大量の魔力で放たれたまーちゃんの魔法のどちらかは確実に命中する。完璧だ。


児戯(じぎ)に等しい」


 最強魔王がそういうと俺の斬撃をまるで蠅でも払うかのように手を振りかき消す。そして天空から落ちてくるまーちゃんのサンダーが最強魔王の上空でパチンと弾け円球状の透明な膜みたいな物が数秒浮かび上がった。

 最悪だ。俺の最強の斬撃、そしてまーちゃんの相当の魔力を込めたサンダーが子供の遊びと言われ軽くあしらわれたのだ。これ以上最悪なことはない。どれだけ強いんだ? この最強魔王――


「<ゲート・オブ・デス(死の門)>!!」


 リンの声が聞こえ最強魔王の上空に門が現れる。

 そしてギィと音を立てて門が開かれそこから無数の鎖が最強魔王に絡みつく。ナイスだリン! 何かわからんが相当な魔法に違いない!


「ほぉ……」


 ギリギリと最強魔王を締め上げるが一向に上空の門へと引きずり込まない……ただの拘束魔法か? 俺はリンの方向を見る。このまま切り付けていいのだろうか?


「くっ……まさか<ゲート・オブ・デス>に引き込めないだと!」


 どうやら「引きずり込まない」ではなく「引きずり込めない」らしい。切っていいものだろうか?


「リン! どうしたらいい! 切り付けてもいいのか?」

「主殿! 少し待たれよ!」


 そういうとリンは再び詠唱する。最強魔王が「次は何をしてくれるのかな?」と呟くが俺はただ見てるしかない。


「<ゲート・オブ・ハデス(地獄門)>!」


 リンの声と共に上空に二つ目の扉が出現、そして一つ目と同様鎖が最強魔王に巻き付きそれと共に第一の門の後ろにも巻き付く。そして第一の門が二つ目の門の中へと納まる。


「ふむふむ……なかなか激しいな」


 普通なら門に吸い込まれてるだろう……だが最強魔王は重力魔法でも使っているのか一向に宙へと浮かび上がらない。


「どうする! どうすればいい! リン!」

「くっ……これでもだめなのか! ならば!」


 またもリンが詠唱をしだす……そして――


「<ゲート・オブ・ヘブン(天国門)>! <ゲート・オブ・ヴァルハラ>! <ゲート・オブ・オブリビオン>!」


 合計三つの門が追加されそれぞれの扉が開き鎖が最強魔王へと降り注ぎ絡みつく。すでに鎖が巻き付きすぎて最強魔王が見えない。だが、それでも最強魔王は宙に浮かない。


「ふぅ……魔力が足りないな」


 ボソリと最強魔王がつぶやく。

 扉が次の扉、そして次の扉へと飲み込まれ<ゲート・オブ・オブリビオン>のみになってもまだ最強魔王は地にとどまる。


「ごふっ、すまぬ主殿……私の魔力はここまでだ……もう……もたぬ……」


 リンが吐血し謝罪する。そして――


「ふん!」


 最強魔王が腕を大きく振り鎖を断ち切る。それと同時に扉にもひびが入り崩れていく。

 俺は躊躇う。こんな化け物相手にどうすれば勝てるのか見当がつかない。


「そろそろいいかな? そこの黒龍よ。我が名はアルバート・スレイラム・アーガスティン。古の盟約により其方に我が軍門に下ることを望む」


 最強魔王が戦場を滅茶苦茶にしたドラゴンへと話しかける。

 当然自軍、敵軍はポカンと口を開いている。そんな中ドラゴンであった女性が前に出てくる。


「確かに私の祖先はアーガスティン家に仕えていた。だがいまさら……私には関係ないことだ」

「ほぉ……盟約を無視するか。ではどうだろう? 望みの報酬、望みの地位、望みの名誉どれでも好きなものを好きなだけやると言ったら?」

「ふーん、そこまで私の力が欲しいわけ? 一体なんでそこまで私にこだわるかな?」

「ふふ……いや、失礼。本当なら古の盟約で無理にでも仲間に引き込みたいのだが……いかんせん余には配下がおらぬ。できることならより良い環境、より良い関係を築きたいのだ」

「なるほど。仲間不足ってわけね……これから何をするの? それによってはあんたについて行ってもいいわ」

「世界征服」

「なに?」

「世界征服だ」


 ブラックドラゴンの女が大声で笑う。だが、こちらとしては笑い事ではない。


「いいよ! いいよ、あんた!! この世の中で面白い事言うじゃない! 乗ったわ、その世界征服!」

「交渉成立だな」


 ブラックドラゴンの女が最強魔王へと歩み寄る。それを俺達はただ見ることしかできない。

 いや、待て待て……こんな時こそ思い出せ!! そうだよ。俺とまーちゃんは昔連携の稽古をしたじゃないか!

 あれは何百年前だろう? 俺のたった一言、


「俺とまーちゃんが組んだらこの世に敵なんていないんじゃね?」


 その言葉にまーちゃんはハッとし、セバスは目を丸くしていた。

 そこからはセバス相手に連携の特訓、合図の仕方やその意味、その他にもできる限りのことをしてきた。そしてセバスからも「もう十分です」と誉め言葉をもらい訓練は終了を告げた。

 今こそその成果を試す時ではなかろうか? ここしかない!


「まーちゃん!!」


 俺はまーちゃんに対し名前を叫び、聖剣を胸元でかざす。まーちゃんはコクリと頷き「任せて!」と叫ぶ。

 これはまーちゃんが敵を遠距離で引きつけつつ俺が最大出力の斬撃を敵の後ろから放つ連携の合図である。そして今回の斬撃は聖剣である神器の最大開放……今までやったことのない「神器開放」を行うつもりだ。

 かつてルーナに聖剣を渡されたときにこの聖剣の「神器開放」は魔力だけでなく体力も奪うと聞いた。

 そして体力を奪われればぶっ倒れる諸刃の剣……文字通り俺にとっての「最後の一撃」になるのだ。

 命までは奪われないが倒れた後三日は起き上がれないだろう。とルーナは言っていたっけ……。

 実際に昔……ドラゴン相手に「神器開放」をしようとした時、魔力だけでなく体力も聖剣に勝手に奪われる感覚に陥ったことがある。

 その時すぐさま「神器開放」を中止した。聖剣は光り輝いていたが、剣を振っても何も出ずその光がすぐに消えたことだけは覚えている。

 今度は全力で行く!! 俺の覚悟は決まっていた。

 聖剣へと魔力、体力を送り込む。すぐさま聖剣が反応し逆に俺の魔力、体力を奪いに来る……結構きついな。

 まーちゃんはちゃんとやってるだろうな?

 俺は聖剣越しにまーちゃんを見る。あれ? まーちゃん空中に飛んでる。なんで?




 もしかして……あいつ……合図覚えてない?




 そんな考えが俺の頭をよぎる。

 そして「サンダー!」と唱え空中で魔法を打ち込んでいる。

 いやいや、遠距離で最強魔王の注意引いとけよ!


「はぁ……それはもう見た。<カウンターアース>」


 まーちゃんのサンダーが最強魔王の頭上でパチリと音を立てて球体のような膜の周りに四散し駆け巡ると同時に最強魔王の足元からまーちゃんめがけて土が突っ込む。

 当然宙に浮いてるまーちゃんは避けきれず土がまーちゃんを貫く。


「うぐぅ!」


 まーちゃんの悲鳴ともとれない呻き声と共に俺の胸に激痛が走る……よくみるとまーちゃんに刺さっている土は丁度心臓の部分だった……つうかそれ俺の心臓じゃねぇか!

 俺はすぐさま右手を心臓のある胸に当て手の平を見る。血がベトリとついていた。


「ぐふぅ!!」


 俺は吐血しそのまま倒れる……だんだん四肢から血の気が引いていき目の前が黒くなっていく。


「主殿!?」

「ゆーくん!」


 リンとフェリスの声がひどく小さく聞こえる。

 あれ? もしかして俺死ぬの? こんな所で? 童貞のまま?

 そんな事を考えながら「まぁいっか」と呟いてしまう。

 瞼が重くもう開かない……ああ、死ぬんだ、俺……。



~完結~



終わりと思いました? まだまだ続きますw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ