↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/126

第98話 逃げ道を作れ

群れはまだ完全には通過していなかった。

西側の森から、次々と魔物が現れる。


牙猪。

角鹿。

小型の爬虫類型。

本来なら同じ群れを作らない種類まで混ざっていた。


「やっぱり襲撃じゃない」


ミナが魔物の流れを見る。


「互いにほとんど戦ってない!」


「全部逃げてる」


レオンは地図を開いた。

西から村へ向かい、そのまま南東へ抜けようとしている。

村が目的地ではない。


通り道にあるだけだ。


「なら、道を作ればいい」


ユリアが村の東側を見る。


「完全に止める必要はないわね」


「頼む」


レオンは村人の避難状況を確認する。

ガルドが最後の住民を安全な場所へ送り、戻ってきた。


「全員出た!」


「ガルドは村の入口を守って。中へ入った個体だけ外へ戻す」


「了解!」


ユリアが広い範囲へ薄く氷を伸ばす。

壁ではない。

魔物が足を取られることを嫌い、自然と避ける程度の帯を作る。


ノアが用水路から水を引き、必要な場所へだけ流した。


「もっと右へ曲げられる!」


「やるわ!」


セイルは群れの先へ走った。

村の南東に障害物がないことを確認し、別班へ進路を伝える。


レオンは中央に立ち、情報を集めた。


「南東は開いてる!」

「避難完了!」

「西からまだ来る!」

「魔力の大きい個体は今のところいない!」


声が届くたび、判断を変える。


1人で全部を見る必要はない。

全員が見たものをつなげればいい。


群れから外れた角鹿が1体、氷の帯を飛び越えた。

ガルドの横を抜ける。


レオンは右手へ魔力を集めかけ、止めた。

ゼロピアスを使う必要はない。


左手のゼロスレッドを角へ巻きつけ、ユリアが作った進路へ頭を向ける。

角鹿はそのまま群れへ戻った。


新しい魔法を覚えたからといって、すべてをそれで解決する必要はない。


約1時間後。

最後の群れが村の南東へ消えた。


畑や柵には被害が出た。

壊れた荷車もある。

数人が転倒して軽傷を負い、セイルとレオンにも傷が残った。


それでも、死者はいなかった。


ガルドが地面へ座り込む。


「50体以上いたぞ」


「63」


ミナが答える。


「数えてたのかよ」


「途中から」


担任は村を見回した。


「討伐した数は?」


全員が顔を見合わせる。


実際に仕留めた魔物は、別班を含めてもごく僅かだった。


「それでいい」


担任が言う。


「任務の目的は村を守ることだ」


レオンは南東へ続く足跡を見る。


問題は、群れがどこへ行ったかではない。


どこから逃げてきたのか。


全員の視線が、西側の森へ向いた。

良ければブックマークしていただけると泣いて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。