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第91話 王都の外へ

北東森林の実習から数週間後。

Cクラスには、新しい学院外実習が告げられた。


今回の目的地は、王都から幌馬車で3日ほど離れた地方都市と、その周辺地域。

学院が毎年、魔物の生息調査と魔力測定を行っている場所だった。


黒板には実習内容が並ぶ。


魔物の生息数調査。

街道の安全確認。

魔力濃度の測定。

周辺村落からの聞き取り。

観測器の点検。


「前回より範囲が広い」


担任が地図を広げる。


「今回は複数班で動く。全部を自分たちだけで確認しようとするな。情報は後で集める」


レオンたち6人は同じ調査隊に入ったが、現地では役割ごとに分かれる予定だった。

セイルは各班の連絡。

ノアとミナは魔力、水源の調査。

ユリアとガルドは街道と村落の安全確認。

レオンは各記録の整理と比較を担当する。


「俺、書類係か?」


ガルドが笑う。


「お前は書く前に紙を破りそうだからな」


セイルが言う。


「誰が破るか」


「前の実習で地図を盾の下敷きにしたのは誰だ?」

「雨から守ったんだよ!」

「盾の裏で折れてただろ」


担任が机を指で叩く。


「遊びに行くなら置いていくぞ」


3日後、一行は王都を出た。

今度の移動は北東森林より長い。

初日は整備された街道が続いていたが、王都から離れるにつれて道幅が狭くなり、石畳も途切れるようになった。


2日目の午後。

レオンは幌馬車から外を見ながら、地図と実際の川を比較していた。


「川が近い」


「地図でもこの辺りじゃない?」


ミナが覗き込む。


「位置じゃなくて、曲がり方が違う」


地図では街道から離れるように東へ曲がるはずの川が、実際には街道の近くを並行して流れている。


ノアが水面を確認した。


「流れ自体は普通だよ。最近できた川にも見えない」


岸には大きな木が育ち、根が水際まで伸びている。

数年で変わった地形ではなさそうだった。


「記録しておこう」


レオンは位置と距離を書き込んだ。


ガルドが前方を見る。


「また地図か?」


「まだ分からない。川が動いたのかもしれない」


「川ってそんな簡単に動くのか?」


「だから確認する」


3日目の夕方。

ようやく実習拠点となる地方都市の外壁が見えてきた。


王都ほど大きくはないが、街道沿いには多くの荷馬車が並び、周辺の村から農作物が運び込まれている。


門を通る直前、レオンは地図へ最後の印を付けた。


王都からここまで。

地図との小さな違いは、すでに4か所あった。

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